へこおび(兵児帯)とは・男性/女性/子供用の特徴・アレンジ結び紹介
着物のときの帯で「へこ帯(兵児帯)」という帯を紹介します。
兵児帯とは一言でいえば、柔らかく簡単に結べる普段用の帯です。
元々は男性と子供が使う帯でした。
ですが現代では、女性も利用するようになりました。
ここでは、
- 兵児帯のいわれ
- 男性用の兵児帯
- 子供用の兵児帯
- 女性用の兵児帯
- 兵児帯の着用範囲
についてお話しますね。
また女性向の兵児帯の「結び方のアレンジ」も紹介します。
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兵児帯(へこ帯)とは、兵児帯のいわれ
兵児帯は薩摩の若い男性が、普段使いの帯として締めていたものです。
年齢15歳から25歳以下の男子を「兵児(へこ)」とよぶことからついた名称です。
※薩摩(さつま)は、鹿児島県西部にあった国名で、現在薩摩というと鹿児島県をさす言葉とされています。
男性用の兵児帯・サイズなど特徴
◆部分絞りのある男性用兵児帯
この兵児帯は男性用、灰色のちりめん生地に部分絞りがほどこしてあります。
一般的な男性用の兵児帯は、
大幅(約74センチ)あるいは中幅(50センチ)の縮緬地の生地に、
「部分絞り」・「総絞り」あるいは「無地」です。
「部分絞り」というのは一部のみ絞りをほどこしたもの、「総絞り」は生地全体に絞りをほどこしてあるものです。
色は灰・紺・黒が主流です。
長さはおよそ3.7メートル前後。
結び方は、胴に二周(細い男性だと胴に三周)して後ろで蝶結びにします。
子供用の兵児帯の特徴
◆女児用兵児帯
子供用も、薄く柔らかい生地で、絞りをほどこしてあるのが一般的です。
男の子用は青・緑系統が多く、女の子用は赤・橙・ピンクなど。
締め方は胴に二周か三周して、後ろで蝶結びにします。
幅が広いので、半分か三分の一の幅に折ってから巻いていきます。
女性用の兵児帯・サイズなど特徴
◆女性用兵児帯(浴衣用)
大人の女性は兵児帯をしませんでしたが、近年は浴衣用として、フワっとやわらかくボリュームのある兵児帯が登場しました。
浴衣帯を結ぶより簡単で、誰もが自分で結べます。
身に着けたときに体が楽なのも、兵児帯の特徴です。
◆女性用兵児帯(浴衣・普段用)
また普段のきものに結ぶ人も増え、浴衣用以外の兵児帯も増えています。
女性用には、カラフルな原色のもの、透け感のあるものなど豊富な種類があります。
軽くハリのある生地が用いられます。
女性用兵児帯の基本サイズ
帯ではあるものの、へこ帯に決まりはありません。
やわらかい幅の広い布で、胴に二巻きして結べればOKです。
販売されているものでは、幅50センチほど、長さ3.8メートル前後のものが多いです。
女性の兵児帯の着用範囲
へこ帯は、普段用のきものに合わせます。
普段用きものは、木綿・ウール・化繊のきもの。
シーンとしては、家の中、近所の買い物、ごく気軽なランチ程度です。
女性の兵児帯、結び方紹介
女性用の結び方の代表的なものを紹介します。
お太鼓風に結んだ例
蝶結びでは幼い感じがする。。。という大人の女性には、このような結び方はどうでしょうか。
◆お太鼓風に結んだ兵児帯姿
お太鼓風にすると、ボリューム感が出て年代を問わず利用できます。
使用しているのは、木綿の絣模様の手作りの兵児帯です。
角出し風に結んだ例
◆角出し風に結んだ兵児帯姿
こちらは角出しをちょっと変化させて結んでみました。
へこおび(兵児帯)とは・男性/女性/子供用の特徴・アレンジ結び紹介・まとめ
兵児帯は、薩摩の若い男性が普段使いの帯として締めていたもので、15歳から25歳以下の男子を「兵児(へこ)」とよぶことからついた名称。
男性用・子供用・女性用とも、薄い幅広の生地。
胴に二周ないし三周して後ろで結びます。
近年は女性用の兵児帯が出回り、浴衣用はフワフワ・カラフルなものが主流です。
他の帯のような引き締め感がなく、楽に過ごせます。
女性用は帯結びを変化させてファッションとして楽しめるようになりました。