「作り帯(付け帯)」とは、「胴帯の部分」と「背中の飾り部分」を別にしてある帯です。
主流はお「太鼓結びの作り帯」ですが、「袋帯での飾り結び」「半幅帯での貝ノ口結び」などにも作り帯はあります。
ここでは「名古屋帯でお太鼓結びになる作り帯」について説明しますね。
名古屋帯の「作り帯」
種類はいくつかありますが、大きく二つに分けることができます。
- 名古屋帯を分割して太鼓姿を作るもの
- お太鼓の形ができあがっていて変更できないもの
お太鼓がうまく結べないとき、素早く身につけるために利用できとても便利です。
ですから出来上がりの見た目は、もちろん普通のお太鼓結びと同じように見えます。
では最初は、名古屋帯を作り帯に加工したものからみてみましょう。
ここでは代表的な「作り帯」三つを紹介します。
- 名古屋帯を加工するもの
- お太鼓の形が最初からできあがている市販の作り帯
- 生地から自分で制作するもの
1・名古屋帯を作り帯に加工
◆名古屋帯をお加工して作り帯に
これは名古屋帯を三分割して手先をお太鼓に取り付けています。
そして胴に巻く帯の端には、紐を取り付けてあります。
お太鼓の形はその都度作るタイプです。
2・お太鼓の形が形成されている市販の作り帯の例
◆お太鼓の形ができている市販の作り帯
市販の作り帯でよくあるタイプのこの作り帯です。
胴に巻く胴帯と、形成されたお太鼓とに分かれています。
◆胴帯の部分
胴帯には端にそれぞれひもが取り付けてあります。
◆お太鼓形成部分の内側
この市販品の場合はお太鼓が形作ってあり、手先も取り付けてあります。
お太鼓の底の一方が少し上げてあり「自然なお太鼓の形」を表現しています。
またお太鼓の山に丸みと立体感が出るように、内側にタックがとってあります。
こうした作り帯なら、より自然な出来栄えで自分で結んだように見えるでしょう。
3・生地から「作り帯」を制作した例
◆生地から制作した例
二種類の生地からリバーシブル(両面)の作り帯を作りました。
◆リバーシブル(両面)つかえるタイプ
片面が黒地の小花で、片面が縦じま模様です。
◆作り帯生地から制作・三分割作り帯
「お太鼓部分」「胴に巻く部分」「手先部分」の三つのパーツを作っています。
作り方はどのパーツも長方形なので、とても簡単ですよ。
保管のときは形を崩さないよう
お太鼓の形ができあがっている「作り帯」は、お太鼓山のカーブをつぶさないうよう保管しましょう。
内側にカーブになった厚紙や、タオルなどを入れておくとよいです。
「作り帯(付け帯)のメリットとデメリット
作り帯のメリットといえば、短時間で帯の装着ができ、安定した形で出来上がることですね。
ですがデメリットもあります。
それはいつも決まった形になる ことが、むしろデメリットに。
前の帯幅を広く、お太鼓の形を大きくまたは小さく、個人の個性や気分に対応できません。
そして収納も気をつけなければなりません。
お太鼓の形ができているものは、お太鼓の山の丸みを崩さないよう工夫が必要です。
そのため独立させた収納が必要なので、普通の帯よりも場所をとります。
- 前の帯幅を広くできない
- お太鼓の形を大きくまたは小さくできない
- お太鼓の形を維持しておかなくてはならない
- 通常の帯より収納場所をとる
作り帯(付け帯)とは・名古屋帯を加工した例/市販品の例で詳しく解説・まとめ
帯結びがうまくできない、短時間に身につけたい方は「作り帯」にすると便利。
手持ちの名古屋帯を分割して、作り帯にすることができます。
自然なお太鼓の形を表現したものならより自然な姿に。
生地を自分で用意して手作りするのも個性的。

それで作り帯の場合は帯を「付ける」と表現することになります。
それで「付け帯」ともよんでいます。
きらこ よしえ
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