まだ着物を着始めて間もない頃のことです。
美しく優雅な着物は、まるで別世界への扉を開く鍵のようで、ちょっと浮かれていました。
しかし、そこには想定外の「階段」という試練が待ち構えていました。
階段は着物姿にとっては危険を伴う
◆屋内階段
我が家の階段は、普段は何気なく上り下りしているものですが、着物姿では別物になります。
これは、足首まであるようなロングスカートのときと同じです。
いつも軽快な服装を家の中でしているので、着物のときの階段は初めから気を付けるべきでした。
洋服と違い、着物の裾が長いため、上るのも下るのもかなりの注意をむけてはいたのです。
ある日、普段通りに階段を下りようとした瞬間、裾を踏んづけてしまいました。
目の前が急にくるっとひっくりかえったような感じになり、あれ???
と思う間もなく「あー!」と小さな悲鳴。
時間はスローモーションのように感じられ、私の身体はゆっくりと前へと傾きました。
幸い、壁が近く、慌てて手をつきなんとかバランスを取りました。
家の中での出来事だったため、ケガはありませんでしたが、もし屋外だったら…と考えるとぞっとします。
着物という世界の冒険か?
これは、着物という新しい世界への第一歩であり、階段という小さな冒険でした。
洋服と違う体験に、思わず笑みがこぼれました。
アクシデントにまでならずにすみ、階段ではこれからも注意をしなくてはと、心に誓ったものです。
きもの初心者さんへのアドバイス
着物を着る際には、特に階段の昇降に注意が必要です。
以下の点に気をつけましょう。
1. 裾の持ち方
階段を昇降する際には、裾を軽く持ち上げるとよいですよ。
ただし、あまり高く持ち上げすぎると着物の形が崩れたり、ふくらはぎが見えるなど品が悪くなるので注意してくだだい。
2. ゆっくりと
急いで階段を上り下りすると、つまづきやすくなります。
ゆっくりと、一歩一歩確実に踏みしめるようにしましょう。
足をやや斜めにして階段をふみしめるようにすると昇降しやすいです。
3. 視線は下へ
下りるときは、裾や足元を確認しながら歩くことで、つまづきを防ぐことができます。
4. 手すりの利用
あれば手すりを使うと、バランスを保ちやすくなります。
また手すりのそばを昇降することで、いざというとき利用できるようにしておくのがおすすめ。
着物デビューの小さな冒険/アクシデント一歩手前の階段の試練・おわりに
着物を着ることは、日本の美しい伝統を身にまとうこと。
でもその美しさには、階段のような小さな冒険も含まれています。
失敗を恐れず、慎重に一歩ずつ進むことで、着物生活をより楽しむことができるようになります。
着物を始めてから、洋服との違いをあらためて知ることができ、不便を感じることもあります。
でもそれ以上の発見や楽しみが、確実に増えています。
一緒に着物を楽しみましょう。
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