袋帯(ふくろおび)は、振り袖や礼装のあらたまった着物に結ぶ帯です。
また礼装以外にも、おしゃれ用としての袋帯もあります。
よく聞かれるのが、名古屋帯とどう違うのかということ。
それについても順をおってお話しますね。
- お祝い用の袋帯
- おしゃれ用の袋帯
- 柄の付き方で変わる呼び名
- 季節による使い分け
- 名古屋帯との違い、見分け方
袋帯とはどんな帯?
女性の帯の中でも最も豪華な「丸帯」(表も裏も模様のある帯)を裏を無地にして軽量化した帯です。
袋帯の大きさ(サイズ)、種類についてまずお話しします。
袋帯の大きさ・サイズ
袋帯の大きさは、名古屋帯と同じ幅で、長さは名古屋帯より70~80センチ長いです。
<袋帯の大きさ>
- 幅約31センチ
- 長さ約4.2メートル~4.5メートル
袋帯の種類は二種類
袋帯は柄や用途により、「お祝い用」と「おしゃれ用」とに分かれます。
お祝い用の袋帯はどんなときに結ぶ?
◆袋帯で二重太鼓
お祝い用の袋帯は、正装や礼装の着物に合わせます。
そのときは主に「二重太鼓」に結びます。
「二重太鼓」は背中の太鼓部分が二枚重なる結びで、喜びが重なるようにとの願いが込められています。
留袖(とめそで)や訪問着、付け下げなどの着物に、正礼装のときに二重太鼓に結びます。
◆振袖に袋帯で変わり結び
また振袖には、袋帯で華やかな「変わり結び」を結びます。
袋帯の生地は主に「錦織り」・「唐織り」・「綴織り」・「佐賀錦」・「ビロード織り」などの織りです。
金銀をふんだんに織り込んだ、鮮やかな色合いの帯です。
おしゃれ用の袋帯はどんなときに結ぶ?
◆しゃれ袋帯で二重太鼓
袋帯の中でも現代的な柄のもの、金銀を使用しない軽い感じのものがあり、
それを「おしゃれ用袋帯(しゃれ袋帯)」と呼んでいます。
モダンな訪問着や付け下げなどに合わせます。
動植物を描いたくだけた模様は、角出しに結んでよりカジュアルに装うこともあります。
袋帯の柄のつき方で呼び名が変わる
◆六通柄の袋帯
袋帯は柄のつき方で、呼び方がかわります。
- 帯の表側全体に柄がついているものは「全通柄の袋帯」
- 6割程度に柄があるものは「六通柄の袋帯」
現代では軽くて締めやすいことから、六通柄が多く生産されているようです。
柄のない部分は胴に巻く部分で、巻いて見えなくなるところにあたります。
袋帯・季節による使い分け
袋帯は春・秋・冬の三シーズンと夏で使い分けます。
春・秋・冬の三シーズン用の袋帯
◆フォーマル用 袋帯 二重太鼓
夏用の透け感のあるもの以外の袋帯は、春・秋・冬の三シーズンに利用します。
夏用の袋帯
お祝い用おしゃれ用ともに夏物では、透け感のある「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」の袋帯があります。
無地場が多く、涼しげな印象です。
名古屋帯との違い、見分け方
お太鼓が二重になる長さが袋帯
◆フォーマル用 袋帯
袋帯も名古屋帯も、お太鼓に結んでいると違いが分かりづらいですね。
名古屋帯との違いは、その長さ。
- 袋帯の長さが4.2から4.5mあるのに対して、名古屋帯は3.5~3.8m。
- お太鼓部分を横からみて、二重になっていれば袋帯、一重なら名古屋帯。
ですが、そんな間近に行って確かめることもしづらいですね。
そこでもっとわかりやすい違いの見分け方があります。
見ただけで分かる袋帯と名古屋帯の違い
◆名古屋帯 一重太鼓
見た目の形がそっくりですが、着ている着物を見てみると、どちらなのかほぼ判断がつきます。
- 式典や行事に着る着物(礼装・盛装・正装)には袋帯を締めている
- 外出・会食などいわゆるおしゃれしてお出かけする着物には名古屋帯を締めている
1の場合は間違いなく二重太鼓です。
2の外出、お稽古、会食というプライベートなお出かけは、たいていは名古屋帯を締めている方が多いです。
2の外出やお稽古・会食でも、中には袋帯を二重太鼓にしている方もあります。
その場合は「しゃれ袋帯」を利用しています。
そうなると見た目の区別がつきにくいです。
ざっくりとした紬生地の場合は、しゃれ袋帯か名古屋帯か判別しにくいですが、
しゃれ袋帯を締めていると、やや重さがある(趣が出る)印象になるかとおもいます。
袋帯 ふくろおびはどんな帯?種類/名古屋帯との違いと見分け方・まとめ
袋帯は礼装向きとカジュアル向きの二種類がある。
カジュアル向きのしゃれ袋帯は、趣味性の高い模様が多い。
名古屋帯はその長さから一重太鼓に、袋帯は4.2m以上あるので二重太鼓に結ぶ長さ。
<関連ページ紹介>
◆袋帯の各部の名称・仕立ての違い・合わせる着物を解説
◆名古屋帯の形・各部の名称・柄の付き方・利用範囲
◆名古屋帯とは特徴と種類・由来を解説
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