「着物の柄合わせ」についてお話しますね。
着物には、
- 初めから柄の位置が決まっている着物
- 柄を合わせる工夫ができる着物
の二種類があります。
2の柄を合わせる工夫ができる着物は、小紋・浴衣など、着物の生地全体に柄があるものです。
着物はすべて形が同じ、その中で最大の美しさを表すために、柄をどう合わせるかを考えるわけです。
特に柄が大きいものは、どこにどう柄を配置するかで、見栄えが大きく変わります。
ただこれは、仕立ての専門家のすることなので、任せておけばいいといえばいいのです。
ですが、
それでも知識として知っておくと、今後自分からの希望が言えるようになると思います。
ここでは柄の合わせ方の基本的なことをお伝えします。
体型により合わせ方の基本的な考え方があるので、ご自身にひきつけて考えてみてください。
体型による柄合わせの基本
柄合わせは体型によって、基本の合わせ方があります。
ふくよかな人の柄合わせの例
ふくよかな人は、上半身をすっきり見せたいかと思います。
その際は、肩や胸の部分は無地または小柄な模様が出るようにすると、上半身のボリュームが押さえられます。
やせた体型の人の柄合わせの例
やせ型の人は、上半身に柄を出しボリューム感が出るようにすると、体型をカバーしやすくなります。
以下は着物の模様の特徴による柄の合わせ方の基本です。
模様の特徴による柄の合わせ方の基本
◆小紋柄いろいろ
縞模様、大きな模様、動物柄やとび柄といった柄付けでの、柄合わせの基本をおさえます。
縞模様・横に段のある模様
横に段のある模様の場合は、柄をつなげるかずらすかします。
柄をつなげると横に大きく見えるので、やせた方に向きます。
ふくよかな人は、段をずらすと太さが目立ちにくいです。
縞模様・たてに半分ずつ模様が違う場合
真ん中で半分ずつ模様の違う縦縞の柄は、特に気をつけて柄合わせをしてください。
あわせ方で印象がずいぶん違ってきます。
中心に考える点は、
- まず衿にどちらの柄を持ってくるか
- 背中心で色柄を合わせるかまたは背中心で色柄を分けるか
仕立ての方と相談しながら決められるとよいですね。
ただ身長のある方は、生地の断ち方に制約がでるので、希望通りの柄合わせができないこともあります。
大きな模様
繰り返しある模様の中でも、「大きな柄の小紋着物」があります。
大きな柄が繰り返す小紋着物は大柄な方に似合います。
着たとき目立つ位置に柄を配置するのもポイントです。
着たときに目立つところといえば、左身頃と膝、そして背中、ヒップ、裾の順です。
動物柄・とび柄で気をつけたいこと
「動物柄」
や「とび柄」(無地場が大きく柄が飛び飛びにしかない)ものは、衿の模様に気をつけましょう。
衿には上向きの柄をもってくるようにします。
すると柄が活かされ、顔映りもよくなります。
細かい柄の場合は柄合わせは不要?
これまで特徴的な柄で柄合わせをみてきましたが、細かい柄がたくさんある場合はどうでしょう。
特に柄合わせしなくてもかまわないといえます。
ただ一点、一番目につく衿には、「上向きの一番よい柄」をもってくるようにしましょう。
着物の柄合わせ、見栄えがする合わせ方とは・柄の特徴で体型カバー・まとめ
柄の配置によって、体型カバーができることもあります。
背が高い・低い、太目・やせているなど気になる方は、良い所を活かせる柄合わせを相談されるといいですよ。
柄合わせはものによって時間がかかりますが、「柄合わせ代」をあえて請求することはないようです。
<関連ページ紹介>
◆小紋の着物とは・染め方・いつ着るの?帯合わせのコーデも
◆着物の仕立て方・反物からの作り方をわかりやすく・和裁の疑問がなくなる
◆着物を着てどこに行ったらいい?きものでお出かけしたい初心者中級者
コメント