腰紐とは、着物の着付けに使う紐のことです。
腰紐とよびますが、腰に締めるだけではなく着付けに使う紐はすべて腰紐といっています。
腰紐の素材や長さは、着物の種類や着付けの方法によって異なりますが、一般的にはモスリンやガーゼなどの柔らかい素材がおすすめです。
ではもう少し具体的にお話しますね。
腰紐は何のために使うの?
何のために使うのかといえば、腰紐は、
- 着物の形を整えたり
- おはしょりを作ったり
- 一時的に仮止めしたりするとき
に使います。
腰紐の長さ・大きさ
通常使われるのは、幅3~4センチ、長さ約2メートルほどの大きさのものです。
腰紐の素材
腰ひもの材質としては、毛・合繊・絹などがあります。
締め心地・使い心地の良い腰紐は
◆モスリンの腰紐(五角形にまとめて)
腰ひもは、ずれずに締め心地がよいものがよいですが、
この中で一番しまりがよいと感じるものは、毛製品のものでしょう。
毛素材の名前をつけて「メリンスの腰ひも」とか「モスリンの腰ひも」と呼ばれます。
他にガーゼ素材のものも締め心地がよいです。
あまりおすすめしない腰紐は
締め心地や使い心地の点で、おすすめしないのは、
- 絹のもので幅広で楊柳タイプの腰ひも
- ポリエステル素材の腰ひも
です。
ポリエステルの腰ひもは、安価ですがやや滑りやすいと思います。
着付けするとき必要な腰紐の数・男女
着付けの際に必要な腰紐の数は、男性2本、女性3本です。
女性の着物着付けで必要な腰紐の数
女性の場合、通常長じゅばんに1本きものに2本、合計3本用います。
きものの腰に締める腰ひもを、しっかりと締めることが重要です。
二本目に用いる胸元を整える腰ひもを、通常「胸ひも」と呼び分けています。
帯結びの時に、形を整えるのに腰ひもを使うこともあり、
そのときは「仮ひも」と呼んでいます。
また浴衣のときは、腰ひもの必要数は2本です。
男性の着物着付けで必要な腰紐の数
男性が着物を着るには、長じゅばんときものにそれぞれ1本、合計2本の腰ひもが必要です。
男性の場合は「おはしょり」をとる必要がないので、1本少ないです。
腰紐の結び方とポイント
腰紐の結び方は、着物の種類や着付けの方法によって異なりますが、基本的な手順は以下の通りです。
- 腰紐の真ん中を持ち、腰骨の少し上に当てます。
- 腰紐を体に沿わせながら後ろに回し、背中で交差させます。
- 両脇で強めに締め、前に持ってきます。
- 体の正面から少しずらしたところで腰紐を結びます。
- リボン結びにして、片方の輪をほどきます。
腰紐を結ぶときは、ほどけないようにしっかりと結ぶことと、結び目がかさばらないようにすることがポイントです。
腰ひもは色柄ものもあります
よく使われるのは、モスリンの生成り色のものですが、
ピンク色やカラフルな模様が描かれた、おしゃれな腰ひももあります。
腰ひもが活躍する場所は見えないところではありますが、
毎回使うものですので、気に入ったかわいい柄で楽しむのもいいものです。
男性用としては紺や黒、グレーのモスリンの腰ひもが一般的に用いられます。
また博多織のやわらかいものもあります。
腰ひもの代用品は何がある?
◆着物用ゴムベルト(ウエストゴムベルト)
腰ひもの代わりになるものに、「ウエストゴムベルト」「コーリンベルト」
といった商品があり、ゴムを使用しているので体にフィットしやすいです。
また身近にあるもので代用しようと思えば、
◆Tシャツ:Tシャツは柔らかくて肌触りが良いので、腰紐の代わりに使えます。Tシャツを長方形に切って端を結んで輪にします。その輪を2回巻いて腰紐と同じように結びます。
◆ストッキング:ストッキングは伸縮性があるので、着物のズレを防ぐことができます。ストッキングを切って端を結んで輪にします。その輪を2回巻いて腰紐と同じように結びます。
これらの代用品は、緊急時や手持ちのもので済ませたい場合に便利ですが、本物の腰紐と比べると劣る点もあります。
例えば、強度が低かったり、色や柄が浴衣や着物に合わなかったりすることがあります。
ですから、可能ならば本物の腰紐を用意することをおすすめします。
たもとがじゃまにならないよう「たすきがけ」にも使用
着物姿で家事などするときは、たもとが邪魔になりがちです。
そんなときは、腰ひもを「たすきがけ」にしてたもとをまとめておきましょう。
着物の腰紐/何に使う?男女着付けに必要な数や種類(着物用語)まとめ
腰紐とよんでいる紐ですが、使う場所によって「胸紐」とよんだり「仮紐」とよんだりしています。
着物の着付けにはなくてはならない小物です。
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