暑い陽射しを避ける「日傘」、着物(和服)にも相性よく合わせられます。
「日傘」は本人が涼しく感じられるだけでなく、見る人にも涼やかで優美な印象をあたえます。
最近の日傘の機能はすごいですね。
紫外線カットはもちろん、晴れ雨兼用、太陽の熱や光をカットできる素材など。
実用的な日傘はもちろん重要ですが、本来日傘は太陽光を遮断しおしゃれを楽しむものとして使われてきました。
日傘の素材に着物生地を使って、オリジナルな楽しみ方も広まっています。
自分の思い出の着物生地からなら、世界に一つの自分の日傘を作ることもでちゃいます。
今日はアクセサリーとしての日傘の歴史や、着物生地から作る日傘の楽しみについてお伝えしますね。
日傘はアクセサリー
日傘は強い陽射しをよけるだけでなく、装飾性が高いですね。
色は白、生成り、水色など淡い系統が多く、素材は見た目の涼しさ、閉じたときの美しさが重視されています。
開いても閉じても、立てかけておくだけでも絵になる日傘は、まさにアクセサリーですね。
現代では日傘作家さんの手によって、「カラフルで楽しい!」と感じられる日傘が芸術作品のように作られています。
お気に入りがあれば外出が楽しくなるでしょうね。
実は女性が使う日傘は、着物が日常だった時代に大流行しているんです。
日傘の歴史・明治に大流行
日傘は和服姿を一段と美しく見せるような気がします。
19世紀にヨーロッパでアクセサリーとして大流行した日傘は、江戸末期に日本に入ってきました。
ヨーロッパで貴婦人たちが日傘をさしていたときの服装は、腰高にコルセットを締めたロングドレスでしたね。
そのファッションは、着物に腰高に帯を締める姿と通じるものがあります。
そして「着物姿の頭の上にも覆うものがあるとバランスよく見える」と、そのころから女性は日傘の存在がとても気に入ったようなのです。
明治になると、
「男性は紋付き袴姿に山高帽に黒い靴」
「女性は着物に日傘」
というスタイルが大流行します。
着物のアクセサリーとして、おしゃれで似合っていたからなのですね。
着物の生地を用いた日傘で光を楽しむ
日傘は主に木綿や麻の生地が使われます。
近年着物愛好者に人気が出ているのが、着物生地から作った日傘です。
陽射しの光を楽しめるということなのです。
着物生地の紗(しゃ)で光を楽しむ
着物の夏用の生地で「紗(しゃ)」という生地があります。
これは極細い絹糸で隙間をとって織ったもので、軽くて透ける生地です。
これを一枚または二枚重ねて用いて日傘にします。
この日傘をさすと、傘を通して見える景色がマーブル柄のように揺らめきます。
着物で紗を着る時も、歪むような揺らめきの模様が出るんです。
日傘にすればさす人も外から見るひとも、その揺らめきをみてとることができます。
まるで光と遊んでいるような楽しさがあります。
夏用の小千谷縮(おぢやちぢみ)を用いた日傘
夏用の着物生地に「小千谷縮(おぢやちぢみ)」という生地があります。
これは表面がでこぼこっとしている麻で織った真夏の生地です。
隙間があるのと淡い色合いが特徴です。
この小千谷縮の生地で作った日傘は、並木道を歩くと木洩れ日が透けて見えます。
また木洩れ日がさす人にそそいでいるのがわかります。
幻想的で涼やかな景色を見ているようで、和服にぴったりです。
大島紬(おおしまつむぎ)を用いた日傘
大島紬はツヤのあるさらっとした絹の着物生地です。
この生地を日傘にすると、紺やこげ茶のさっぱりとした風合いが涼しさを醸し出します。
もう着なくなった大島紬の着物を日傘にすれば、昔の思い出を身近に置いておくことができます。
着物と日傘/アクセサリーとして/明治からの歴史/着物生地から・まとめ
着物に日傘の歴史は、江戸の末期からで明治時代に大流行しました。
日傘は太陽光を遮断し暑さをやわらげるだけでなく、アクセサリーとしてのおしゃれを楽しめます。
着物生地を日傘にして、世界に一つのオリジナル日傘を楽しむ人が増えています。
「紗」生地を使えば、傘を通して見える景色がマーブル柄のように揺らめきます。
「小千谷縮」の生地で作った日傘は、木洩れ日が透けて見え、木洩れ日がさす人にそそいでいるのがわかります。
「大島紬」を日傘にすると、紺やこげ茶のさっぱりとした風合いが涼しさを醸し出します。
着なくなった着物の素材が上記のものなら、日傘にしてみてはどうでしょう。
「日傘作家さん」や「日傘工房さん」で依頼するか、近年は教室も開かれているようです。
日傘は動くアクセサリー、日よけだけでなく顏をかくしたりミステリアスな印象にもなれますよ。
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