「伊達締(だてじ)め」=「だて巻き」について詳しくお伝えします。
伊達(だて)という言葉には、「粋」とか「おしゃれ」とか「華美に見せる」という意味合いがあります。
また、今でいう「やんちゃな」という意味もあります。
ですが着物のときに使う伊達締めには、そのどちらの意味もないようです。
「伊達締め」は地方によっては「だて巻き」と呼びますが、ここでは「伊達締め」で話をすすめますね。
- 「伊達締め」とはどんなものか
- 役割
- いろいろな「伊達締め」を紹介
- 結び方
を紹介します。
伊達締めとは・種類
伊達締めは幅約10センチの薄い帯状のものです。
着物姿になるとき、長じゅばんに一本着物に一本、合計二本使うのが一般的です。
伊達締めの由来
もともと「伊達締め」という商品があったわけではなく、「細い帯」でした。
「細い帯」が扱いやすいように改良されて、帯とは違う製品ができたという流れのようです。
伊達締めの役割
伊達締めの役割は、長じゅばん、着物のときのそれぞれにあります。
- 長じゅばんのときは衿合わせを安定させるために
- 着物のときは衿合わせを安定させ、おはしょりの底をまっすぐに整えるために
「伊達締め」の種類・入手できるもの紹介
現在使われている伊達締めを紹介します。
博多織りの伊達締め
◆博多織伊達締め二本
よく使われている博多織りの伊達締めです。
中心110センチほどが厚く織られていて、体にフィットしやすくなっています。
幅約10センチ全長約220センチ、胴に二重に巻きます。
芯入り化繊の伊達締め
◆化繊の伊達締め、芯入り
中心70センチほどに芯が入れてある、ナイロンまたはポリエステル繊維のものです。
幅約10センチ全長約210センチ、胴に二重に巻きます。
ゴムが途中、左右に均等にはさんであるものもあります。
マジックテープ付き伊達締め
◆伸縮性のあるゴム状の伊達締め
全体に弾力のあるゴム状の素材でできています。
幅約8センチ、全長約95センチ。
一重巻きで端をマジックテープで留めるタイプ。
メッシュでマジックテープ付き
◆メッシュ素材伸縮する伊達締め
メッシュ素材で通気性がよく、伸縮する伊達締めです。
夏用ですが、汗をかきやすい人は一年を通して使ってもかまいません。
幅8センチほどで、全長約85センチ。
一重巻いて端をマジックテープで留めます。
伊達締めの結び方・使い方
では伊達締めの使い方を詳しく説明します。
胴に二重に巻く伊達締めの場合
胴に二重に巻くタイプのものは、先に紹介した
- 博多織りの伊達締め
- 芯入りの化繊タイプの伊達締め
◆小紋の着物に博多織の伊達締めをしたところ
長じゅばんのときも着物のときも、使い方(締め方)は同じです。
- 胴の前側、バストのすぐ下に中心をあてる
- 背中に平行にもっていき、交差させて持ち替える
- 端を前に持ってきて、二度からげて交差させてから端をしまい込む
そのときの力加減はけっこう重要です。
帯をそのあとで締めるので、伊達締め(だて巻き)の締め方は、押さえるという程度の加減で締めましょう。
胴に一重巻く伊達締めの場合
伸縮する素材の伊達締めは、胴に一重巻くだけでマジックテープでとめます。
◆小紋の着物に伸縮素材の伊達締めをしているところ
長じゅばんのときは、バストのすぐ下に中心をあてて、背中でマジックテープを留めます。
着物はおはしょりの形がくずれないよう、同じく前に中心をあてて背中でマジックテープを留めます。
伊達締(だてじ)め・だて巻きとは、役割・結び方使い方(画像)まとめ
一般的な着物の着付けでは、伊達締めは二本使います。
衿とおはしょりを整え崩さない役割があります。
特徴を理解して使いやすいものを選んでくださいね。
伸縮するタイプは、力が強いと苦しくなることがあるので、利用は一本だけ着物の上にするのがよいと思います。

ゴムで通気性の悪いものは、二本使うのはおすすめしません。
慣れてくれば二巻きするタイプの方がよいとう人が多いです。
個人的には、博多織りの伊達締めを二本使うのが、締め心地がよいと感じています。
他の名称では「着物ベルト」「着付けベルト」「伊達締めベルト」などの読み方や商品名?もあります。
きらこ よしえ
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