下駄は着物(和装)用の履物です。
昔からあるものは「二枚歯」のもので、下駄というとこれを指すことも多いです。
下駄は浴衣の時に、素足に履くものという印象が強いですね。
でも今のように草履が主流でなかった時代には、改まった席以外には足袋に下駄をはいていました。
現代でも、紬や小紋のお出かけ程度なら、下駄をはいてもかまいません。
下駄と草履の違い、下駄の種類、浴衣のときは下駄でないといけないのかをお話します。
下駄と草履の違い
「下駄(げた)」と「草履(ぞうり)」は、日本独特の伝統的な履き物で、外観や使用方法などいくつかの違いがあります。
まずは下駄と草履を簡単に紹介します。
下駄
◆下駄
下駄は底部に一つまたは二つの木製の「歯」がある木製のサンダルです。
下駄はしばしば晴雨兼用として履かれ、木製の「歯」の部分が地面から足を高く保つことで、泥や水から足を保護します。
草履
◆草履
草履は、麦わら、竹、布、革などの素材で作られた平らなサンダルです。
草履はフォーマルな着物と一緒に履かれることが多く、また夏の浴衣に合わせる際にもよく使われます。
下駄と草履の特徴や違いをまとめます
下駄と草履の特徴や違いをまとめると、
草履 | 下駄 | |
---|---|---|
台の素材 | 革・合皮・布 | 木 |
履き方(通常) | 足袋を履く | 足袋を履く |
履き方(浴衣のとき) | 足袋を履く | 裸足 |
合わせる着物(フォーマル) | 訪問着などの礼装用 | ー |
合わせる着物(カジュアル) | 小紋・紬・木綿着物・麻の着物 | 小紋・紬・木綿着物・麻の着物 |
合わせる着物(浴衣) | *可能だが一般的ではない | 浴衣 |
浴衣のとき素足に草履をはきたいということなら、
「浴衣用の草履(浴衣にも向くぞうり)」にされると、違和感なくおしゃれな印象になります。
浴衣のときは下駄しかダメなの?素足しかダメ?
浴衣を着る際には、一般的に下駄を履きますが、これは決して厳格なルールではありません。
浴衣とともに草履を履くことも一般的で、特に女性はよりフォーマルな場でしばしば草履を選びます。
また、下駄を素足で履くのが一般的ですが、これも必須というわけではありません。
自分自身の快適さを考慮する場合、足袋を着用することもあります。
一般的なイメージとしては、
- 浴衣と一緒に足袋を着用することはあまりない
- 足袋は草履と一緒に着用されることが多い
下駄の種類を紹介
最もポピュラーな下駄を紹介します。
- 「白木の下駄」
- 「塗りの下駄」
- その他の下駄
二枚歯の白木の下駄の例
◆白木の下駄
これは桐の白木(しらき)の下駄です。
木そのままの色で、とても軽いです。
汗の吸収がよく、足裏が滑らずに履きやすいです。
まっすぐな長方形の台に歯が二枚ついています。
昭和中期ごろまでは、この形の下駄が主流だと思います。
白木の下駄の例その2
◆白木の下駄その2
これも白木の下駄です。
鼻緒の結び目が可愛いらしい
白木の下駄は汗の吸収がよく履き心地がよいのですが、足のあとがつきやすいです。
なのではき終わったら、固くしぼったふきんで拭いておくとよいです。
焼き下駄の例
◆焼き下駄
「焼き下駄」
と呼ばれる下駄です。
木に焼き色をつけた台の下駄です。
汚れが目立たないようにと、焼いて色を付けてあります。
写真の二足の下駄は、形状は「右近下駄」と呼ばれる形です。
この形は足が安定しやすいので、着物初心者さんにはこちらのタイプの下駄が歩きやすいでしょう。
上の画像のもの底にゴムがはってあり、滑りにくくしてあります。
ただゴムがあることで鼻緒の調整ができません。
購入する際には、足に合うことを必ず確認してくださいね。
こちらは普段用です。
そのほかの下駄
そのほか割とよく利用される下駄を紹介します。
- 塗りの下駄
- 鎌倉彫りの下駄
- 一本歯の下駄
- サンダル風下駄
塗りの下駄
◆塗りの下駄
ほかには、二枚歯の下駄に黒や赤などに色が塗られている下駄があり、「塗りの下駄」と呼ばれています。
塗りの下駄のよさは、汗をはじくことです。
たたぶつけたときに、塗りがはがれることがあるという短所もあります。
鎌倉彫りの下駄
「鎌倉彫の下駄」
も好まれています。
これは台の表面に彫刻で絵柄が彫ってあるものです。
脱いだときにその絵柄が出てくるので、ひそかなおしゃれ感のある下駄です。
一本歯の下駄
「一本歯の下駄」
は、台が厚く太い歯が一本だけついているものです。
武道をされる方が、よく履くそうです。
「天狗の下駄」とも言われていますね。
バランス感覚を鍛えるのによいことから、ウォーキングに一本歯の下駄を利用している人を見かけたことがあります。
現代のサンダル風下駄
「サンダル風下駄」という下駄が登場しています。
木製で見た目はサンダルのようにかかと部分が高くなっています。
足長に見えることもあり、若い女性が浴衣のときはくようになりました。
◆サンダル
こういうタイプはもはやサンダルですね。
鼻緒が和柄なので、浴衣のときも違和感がありません。
下駄 げた 種類・ぞうりとの違い/浴衣には下駄しかダメなの?おわりに
下駄は浴衣のときだけでなく、カジュアルな着物のときに足袋とともにはいてもよいです。
ゴムがはってある右近下駄は初心者向きで歩きやすいです。
<関連ページ紹介>
◆下駄の鼻緒で足が痛い・鼻緒ズレの原因と対応策・予防法
◆草履とは・はき方・歩き方・種類・具体的に紹介
◆下駄で筋力とバランス感覚アップ・足腰が強くなり老化防止に!?
コメント