正絹(しょうけん)の着物・帯・帯揚げのシワをとるアイロンがけの方法をお伝えします。
着物にアイロンをかけるなんて!
ちょっとしり込みしそうですが、詳しく説明しますね。
「生地の変質を防ぐ安全なアイロンのかけ方」です。
- 正絹の着物
- 正絹の帯
- 正絹の帯揚げ
の順にすすめます。
正絹(しょうけん)の着物にアイロンがけ
「正絹(しょうけん)」という言葉はよく聞くと思います。
絹100%の素材をいい、ほとんどの正装・礼装の着物、小紋・紬の着物は正絹です。
正絹の着物は、裏地も絹生地で仕立てられています。
表と裏の生地は、糸のより方や糸の太さなどの違いによって厚みや収縮率が違います。
そのため水にぬれると縮みやすいものもあるので、霧吹きを使う際は特に注意しながら行ってください。
正絹の着物にアイロンをかける基本
では正絹の着物にアイロンをかける基本の方法を説明しますね。
- まずアイロン台に着物の表側のシワのある所を置く
- アイロンの温度は中温または絹温度表示
- 糊をおとした薄くて白い木綿の布をその上に置いて、アイロンをかける
- 布の目にそって素早くアイロンを動かしながらかける
- 軽く押さえる程度の力加減で行う
正絹着物・アイロンをかけるときの注意
以下のようなことに注意してかけてください。
<アイロンをかけるときの注意>
- 初めは裏側から、白いあて布をしてアイロンをかける
- シワが取れないようなら、当て布に霧をふいてそれを表生地にのせてアイロンをかける
- 霧が直接着物にあたらないようにする
- 刺繍や金銀箔などが施されているところは、慣れてきたら行う
正絹の帯にアイロンがけ
次は帯のアイロンがけについてです。
正絹の帯も、着物と同じ方法でアイロンをかけてシワをとることができます。
正絹の帯にアイロンをかける基本
正絹の帯のアイロンがけの基本からお話します。
- まずアイロン台に帯のシワのある所を置く
- アイロンの温度は中温または絹の温度表示
- 糊をおとした薄くて白い木綿の布をその上に置いて、アイロンをかける
- 布の目にそって、素早くアイロンを動かしてかける
- それでもシワがとれない場合は、当て布に霧を吹きをかけて、帯のシワのところにのせてアイロンをかける
- 軽く押さえる程度の力加減で
※ 最初は目立たないところで試してからにしてください
。
正絹の帯にアイロンをかけるときの注意
絹の帯の場合も着物と同じような注意が必要です。
<アイロンをかけるときの注意>
- 初めは裏側から、白いあて布をしてアイロンをかける
- それでシワが取れないようなら、当て布に霧をふいてそれを表生地にのせてアイロンをかける
- 霧が直接着物にあたらないようにする
- 刺繍は立体感が損なわれないよう力をかけすぎない
正絹の帯揚げにアイロンがけ
最後に帯揚げのアイロンがけについて説明します。
絞りや縮緬の素材に特に注意が必要です。
正絹の帯揚げにアイロンをかけるときの注意
着物や帯のときとほぼ同じですが、気を付ける点をまとめました。
<正絹の帯揚げにアイロンをかける注意点>
- 中温または絹表示で、あて布(糊を落とした白い木綿布)をして圧をかけないでアイロンをかける
- それで取れない場合は、あて布に霧吹きをしてアイロンをかける
- アイロンは素早く布目にそって動かす
- 縮緬の帯揚げはアイロンを浮かすような感じでかける
- 絞りのか所はつぶさないようにかける
- 金銀箔や刺繍の装飾がある所は、ごく弱い力でかける
正絹の着物/帯/帯揚げのアイロンのかけ方、シワのとり方を詳しく説明・おわりに
霧吹きの水分が着物や帯にかからないよう気をつけてください。
刺繍や金銀箔の所は、慣れてから行ってくださいね。
アイロンは絶えず動かしながらかけてください。
着用したときに隠れるか所のシワは、あまり気にしなくて大丈夫。
正絹はデリケートな素材。
具体的にやり方を説明しましたが、自己責任で行ってくださいませ
(きらこよしえ)
<関連ページ紹介>
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