◆洗える着物でお花見
「洗える着物」は、その手軽さから人気ですよね。
手頃な価格で購入可能で、自宅での洗濯が可能なためです。
でも「洗えるからといって手洗いだけがいいのかな?」、「型崩れや色落ちが心配」といった不安を抱く方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は「洗える着物」の家庭での洗濯方法について、分かりやすく説明します。
これまで洋服と一緒に洗濯機にポイっとしてきて、今一つ仕上がりに不満があった方、先を読み進んでみて下さい。
最初に洗濯表示を確認しましょう
洗える着物の種類
「洗える着物」といわれるものは、ポリエステル素材の着物です。
洗濯マークがついていて、普段着の洋服のように洗濯機にいれれば大丈夫そうです。
ただ、着物は面積が大きいので、洗濯機にぽいっと入れるだけでよいかどうか。
型崩れしないか、ちょっと心配になります。
ポリエステル素材の着物の特徴
◆ポリエステル100%の着物
ポリエステルは合成繊維の一種で、アクリルやナイロンと比較して熱や摩擦に強く、耐久性があります。
さらに、水に強く乾きやすい特性があり、洋服のように洗濯が可能で、日光による変色も少ないという利点があります。
そのため普段用の着物に向いていて人気が高いようです。
洗濯表示のタグで確認・家で洗える?
◆洗濯表示のタグの一例
家庭で洗えるものは洗濯機のマークまたは手洗いのマークがついているものです。
上記の表示の例では、洗濯ネットを使用して洗濯機で30度未満の温度で洗う、というものです。
表示の下にさらに「洗濯ネット使用」となっているので、弱い洗い方にするだけでなく「洗濯ネット」の使用がすすめられています。
まずは洗濯機で洗える着物かあるいは、手洗いなら大丈夫な着物かを判断します。
ここで一つ注意したいのは、水洗いができる着物であっても、手洗いが必要なものは繊細な素材なので丁寧に扱いたいということ。
※お家で洗えないとわかったら、専門店へクリーニングをお願いしてください。
洗える着物の洗い方
1・きものはネットに入れて
着物は面積が大きいので、洗濯機の中でもまれるうちに他の洗濯ものと絡みやすいです。
絡むと取り出すときに縫い目に力が加わり、糸が切れるたり型崩れすることがあります。
それを防ぐため、たたんで洗濯ネットに入れて洗います。
着物のたたみ方は「袖だたみ」でも「本だたみ」でもOKです。
汚れやすい衿元・袖口・裾は、汚れが気になるようならあらかじめ洗剤をつけておきましょう。
※洗濯ネット1枚につき入れる着物は1枚に
※スラックス用の洗濯ネットも使いやすい
2・洗剤はおしゃれ着用洗剤で
◆おしゃれ着用洗剤
洗剤は「おしゃれ着用の中性洗剤」を使います。
容器に書かれた基準を守って、洗濯量と洗剤は適量で。
※蛍光剤や漂白剤の入ったものは色落ちの原因になるのでやめましょう
※寒い季節は静電気が起こりやすいので、柔軟剤を入れることで予防してもよいです。
3・洗い方のモード
洗濯機のモードは「弱洗い」「手洗いモード」「ソフトコース」といった強度に設定します。
4・脱水は短め・陰干しがおすすめ
◆着物ハンガー
最後の脱水時間のおすすめは30~50秒。
水分がまだ残る重みのある状態ですが、このまま形を整えて着物ハンガーに。
脱水しすぎるとシワができやすくアイロンがけの手間が増えます。
絹製品のような注意はいりませんが、直射日光のあたらない陰干しがおすすめ。
※洋服用のハンガーだと肩の縫い目でないところに型(線)がつくことがありますから、着物ハンガーにかけるのがおすすめ
着物ハンガーがないときは代用品をためしてみて
4・基本アイロン不要です
ポリエステルの素材の干し終わった着物は、ほとんどシワがないでしょう。
もし気になるシワがあれば、あて布をして中温のアイロンをかけてください。
洗える着物はいつ洗う?
洗える着物は気軽に洗えるとはいえ、着用のたびに洗う必要はないですよ。
- 汚れたかな?
- 汗をかいたわ
というタイミングでOKです。
洗える着物(ポリエステルきもの)洗濯表示の例
◆洗える着物の洗濯表示タグ
これは鹿の子絞りの染色をしたポリエステル素材の着物です。
「洗濯表示」を見てみると、「弱」となっているので、洗濯機の「弱モード」で。
保管収納はタンスで大丈夫
よく乾いたら、たとう紙(文庫紙)に包んで洋服ダンスに収納すれば大丈夫です。
ウール素材の場合のみ、素材をまとめて別途収納がおすすめ。
その際は臭いのつかない防虫剤を使用した方がよいでしょう。
洗える着物はどうやって洗う?種類/注意点/型崩れを防ぐ洗い方・まとめ
まずは家で洗えるかどうか洗濯表示を確認してください。
着物は面積が大きいので、洗濯ネットにたたんで入れて洗います。
洗濯ネットは、たたんだ着物がちょうど入る大きさがベストです。
干す時は型崩れが防げる着物ハンガーを使用するのがおすすめ。
飲食をともなうお出かけのときには、つい洗える着物になりがちな気軽さ、いいですよね。
ちょっとの知識でお気に入りの着物を長く愛用しましょう。
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