木綿の着物は気持ちよく普段に着ることができますが、シワになりやすいのが気がかりです。
放っておけないシワには、やはりアイロンがけが必要ですね。
着物は面積が大きいので、アイロンをかけにくいですが、この「極意」を身につければ大丈夫。
この「ひと工夫」とプロ直伝の順序で行えば、スムーズにできますよ。
- 木綿きもののアイロンがけの極意
- 干すときのひと手間
- アイロンをかけるときの順番
- アイロンがけのときの注意
- シワがのびやすいのはスチーム?霧吹き?
この順に詳しくお話しますね(浴衣も同じ方法です)。
木綿きものアイロンがけの極意と基本
アイロンをかけるときの極意、それは力の入れ方です。
絹の着物のときは力を入れませんが、木綿のときは入れます。
これからお伝えする「かけ方の基本」をおさえてくださいね!
- アイロンの後ろの方に力を入れて、とがった先をわずかに浮かす
こうすると生地と接する部分が後方だけなので、スイスイっと自然に滑っていきます。
干すときのひと手間でアイロンを減らす
アイロンをかける手間は、極力減らしたいもの。
そのためには、干すときのひと手間をおしんではいけません。
以下三つ紹介しますね。
干すときのひと手間1・バンバンっとはらう
これ、洋服を干すときにもやっているかもしれないですね。
干すときに、2~3度はらうっていう動作。
木綿の服やタオルなど、干すときにバンバンっと2~3度はらうと思います。
それを木綿の着物のときもやるわけです。
こうしておくとシワをある程度のばしておくことができます。
干すときのひと手間2・引っ張る
着物ハンガーに干すとき、生地を引っ張りましょう。
- 袖を縦方向に引っ張る
- 身頃も縦方向に引っ張る
- 衿も同じように衿先を引っ張る
これで洗いあがりのシワが減ります。
引っ張るときは、片手でなく両手で引っ張り合うようにします。
干すときのひと手間3・手で挟む
また細かな洗いジワをとるには、手で挟むのも効果があります。
具体的には、両掌で生地を挟んで、押し付け合うようにしてすべらせます。
またパンパンっとやはり両掌で挟んで、シワのところを軽きます。
こうすると後からのアイロンがけが楽になりますよ。
木綿着物のアイロンのかけ方
では実際に木綿の着物にアイロンをかけましょう!
アイロン台の上にのせたら、かけるところの形を手で整えてからかけるようにします。
シワのあるところに霧吹きで霧をかけて、その都度アイロンをかけます。
アイロンをかける順番は大切
新たなシワをつけたくないので、アイロンをかけるときはこの順で行うのがおすすめです。
- 最初に袖と衿に
- 身頃の裏を向け、後ろ身頃の繰り越し(肩山から40センチほどのところにある縫い目)より上に
- 表側にして前身頃と後ろ身頃を重ねて、前身頃側から
その後は本だたみするときのようにたたみながら、アイロンをかけます。
↓↓つづき
- 左側が肩右側を裾にして、手前にある右の脇線を折りたたんで、前身頃の上から
- 裾から肩山まで
- おくみを折り返して、向こうにある上前のおくみ・衿を重ね、おくみのところに
- 向こう側の左の脇を手前にある右の脇に合わせて、背縫いがまっすぐになるように整え、裾から肩山まで
- 左袖・右袖を外側に折り、右の後身頃が出るようにし、右の後ろ身頃にシワがあればアイロンをかけて終了
アイロンをかける時の注意点
以下のことに注意してかければ、さらに効率的です。
- アイロンをかける前に手で必ず生地を平たくしておく
- アイロンの後方に力を入れ、アイロンの進む先の生地をもう一方の手で軽く引っ張りながら
- 広い台で着物がのるくらいの長さがあるものがやりやすい
- 大きな台がない場合は、床に薄い毛布か平なバスタオルを敷きてかけてもよい
- 「きせ」はつぶさないように
ビシっと仕上げたいなら、スプレー式のアイロン用のり剤を使ってくださいね!
シワがのびやすいのはスチームそれとも霧吹き?
スチームか霧吹きか、どっちがシワがとれるでしょう。。。
答えは。。。木綿の着物のシワとりは、霧吹きを使う方が断然よくとれます。
理由は霧吹きの方が、スチームより繊維に水分が残りやすいからです。
「スチームの水滴の大きさは、霧吹きの水滴の大きさのなんと100万分の一」!
しゅーっと吹きかけてもほとんどが繊維を通り越してしまい、繊維に水分を残さないのです。
勢いよく出るスチームですが、数回のスチームより一回の霧吹きの方が、繊維に残る水分量が多くシワが取れやすいです。
ですからぜひ霧吹きを使ってくださいね。
シワののびる仕組み
余談ですが、シワがのびる仕組みについても少し。
そこにアイロンをかけることで分子が整然と並んで、乾くとその状態が固定され、シワがなくなるという仕組みです。
木綿と麻は水に濡れやすいため、霧吹きなら十分に繊維の中まで濡れるので、シワがとれやすいのです。

あと少しで乾くときに(湿気が少し残っている状態)で取りこめば、そのままアイロンをかけていけます。
木綿着物のシワとりアイロンがけの極意(浴衣も同じ)プロ直伝の順序まとめ
木綿着物のアイロンがけは、絹の着物とは全くちがう方法ですね。
アイロンがけの手間を減らすための干すときのひと手間は、アイロンがけの時間短縮になりますよ。
霧吹きは木綿の洋服のときも威力を発揮。
これはNHKあさイチで以前紹介されていた方法に、私のやり方をミックスした方法です。
さすがプロだなという印象をうけたところがあったので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
絹の着物のアイロンがけの方法です⇒「着物のしわ取り(シワのばし)アイロンをかける具体的な方法!」
<おまけ・ワイシャツに応用するアイロンのかけ方>
プロに教わるアイロンのかけ方が紹介されていたので、その方法を書き残しておきます。
- ワイシャツにアイロンをかける時も、アイロンの後方に力を入れてかける
- アイロンの先が浮くので、前ボタンもひっかからずにかけられる
- アイロンを持たない方の手は、アイロンが進みやすいよう進行方向の先を引っ張る
<ワイシャツアイロンかけの順番>
余分なシワを作らないようにかけるには、離れたところからかけます。
そこでかける順序が大切になります。
2)前立て
3)衿(裏からかける)
4)後ろ身頃(裏からかける)、肩の部分も裏からかける
5)前身頃を重ねて一気にかける
プロの教える順序でかけると、仕上がりがとってもきれい!
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