◆縮緬の紫色の帯揚げ
帯揚げとは、帯の脇から前姿を飾る長方形の布
です。
飾ると同時に、お太鼓枕やその紐を隠すために使用します。
帯と着物の間にあるので、着物姿が映えるようコーディネートしましょう。
帯揚げはきものによって使い分けるので、
- 帯揚げの種類
- 使い分け方
を画像で紹介しながらお話ししますね。
先に七五三用の帯揚げを。
七五三の帯揚げ
◆七歳女の子・七五三お祝い着
七五三の七歳のお祝い着物のときの帯揚げは、「総絞りの帯揚げ」です。
◆総絞りの帯揚げ
大人用とは別に、子供の身体に合う寸法の帯揚げです。
帯揚げの種類と使い分け
使い分けは大きく三つに分けられます。
- 振り袖用の華やかな帯揚げ
- 式典や社交の場用の薄い色目の帯揚げ
- 普段用やおしゃれ用の濃い色目の帯揚げ
帯揚げの大きさは、約160センチ×約30センチ。
では具体的に帯揚げをみていきましょう。
振袖用の帯揚げ
振袖のときに使う帯揚げは、総絞りの帯揚げか縮緬に刺繍をほどこしたものが主流です。
◆振袖用の総絞りの帯揚げ
端以外に絞りをほどこした帯揚げ「総絞りの帯揚げ」。
立体感が出て胸元を華やかに飾ります。
◆振袖にクリーム色の総絞りの帯揚げ
他に振袖の帯揚げには、縮緬地に可愛らしい日本刺繍がほどこされたものも使います。
式典や社交の場用の帯揚げ(留袖・訪問着)
◆ほぼ総絞りの帯揚げ クリーム色 金糸入り
式典や社交の場に用いられる帯揚げは、淡く薄い色か白色です。
生地は絞りまたは綸子生地。
着物の種類としては結婚式に出るときの留袖や訪問着に用います。
画像は、薄いクリーム色地で、ほぼ全体に絞りがあり、金糸が一部に施してあります。
白っぽい帯揚げは、留袖によく使います。
ややフォーマルな付け下げや江戸小紋向きの帯揚げ
◆帯揚げ 綸子 ぼかし入り 社交用
こちらの画像はぼかしが入り、薄く光沢のある薄い絹生地の帯揚げです。
社交用に使うものは、色は薄く地紋が入るものが多いです。
訪問着・付け下げ・江戸小紋などに合わせます。
普段用やおしゃれ用の帯揚げの例
普段~おしゃれ着用の帯揚げは、種類が豊富で特に何を使うかは自由です。
以下の順にお話します。
- 縮緬地の帯揚げ
- 綸子地の帯揚げ
- 部分絞りの帯揚げ
縮緬地の帯揚げ・おしゃれきもの用
◆縮緬地の帯揚げ
縮緬(ちりめん)の生地の帯揚げは、色がはっきりしていてやや重みがあります。
小紋・紬・ウール・化繊の着物などのおしゃれ着に合わせます。
着物のおしゃれを楽しむのに、縮緬の帯揚げは一番出番が多い帯揚げです。
綸子地の帯揚げ・おしゃれきもの用
◆綸子地の帯揚げ
綸子(りんず)生地の帯揚げは、薄く光沢があります。
地文様が入ったものは「紋綸子(もんりんず)」よびます。
画像のものには部分的に色がさしてあります。
縮緬より軽やかな印象になるので、春や秋によく使います。
部分絞りの帯揚げ
◆部分絞りの帯揚げ
部分絞りの帯揚げを二つ折りにした画像です。
中心部と先以外は絞りが施してあるので、着用したときは絞りの部分のみが見えます。
部分絞りにも種類があり
- わずかに2~3か所絞ってあるだけのもの
- 花などの染め描きと併用してあるもの
などで色がはっきりしているので、小紋・紬着物などに向きます。
夏用の帯揚げ・例
◆夏用帯揚げ
夏用の帯揚げの例です、おしゃれ着用です。
隙間のある「絽目(ろめ)」があり涼し気です。
帯揚げの素材について
上に紹介したものはすべて「絹」です。
「帯揚げ」はほとんど絹ですが、礼装や改まった席でなければ、ほかの素材でも大丈夫です。
普段~おしゃれ着として着物を着る場合には、自由に好きな模様や色のものを用いてかまいません。
ただ、着物の生地質に帯揚げの生地質を合わせると、一番しっくりきます。
自由に装う帯揚げの例
普段~おしゃれ着として着物を着る場合には、帯揚げは自由。
ということで自分で作るのもいいですね。
私は市販のものがやや大きいと感じているので、使いやすい大きさで手作りもしています。
着物生地からのリメイク帯揚げ・例
◆着物生地からのリメイクとレース
これは自分で作った帯揚げです。
左二つは着物生地を利用しました。
左側が紬(つむぎ)で中央は小紋(こもん)の生地です。
右のレースのものは手芸店で見つけて、夏に使っています。
帯揚げの結び方は、やり方をこちらのページの後半で紹介しています。
◆帯締めと帯揚げの結び方(本絞り・絞り結び)を詳しく解説!画像あり
https://kimono-story.com/432.html
帯揚げとは・結婚式/振袖/七五三/社交用/おしゃれ用の種類別/画像で解説・まとめ
帯揚げは帯枕を包み胸元を飾るもの。
振り袖と七五三用には「総絞りの帯揚げ」を合わせるのが主流。
式典・社交用は白や薄い色を使うのが定番で、おしゃれ着用は濃い色目(はっきりした色目)のものを使うことが多い。
夏用とそれ以外のシーズンで分ける。
カジュアルな着物には自分で作ったものも利用できる。
<関連ページ紹介>
◆帯締めとは・種類と具体的な見本を画像で・説明付き
◆帯揚げの作り方・画像と手順付きで誰でもできる!参考例も
◆帯締め・帯揚げのお手入れ、しまい方・次に使う準備もかねて
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