◆アンティーク着物
リサイクル着物や帯の失敗しない選び方について、元ネットショップ店長がすべてをお話します。
このことが知られたら、リサイクルショップから文句がでるかもしれません。
いつまでこの内容を公開できるかはわかりません。
私は全国でも最も早い時期に、ネットショップのリサイクル着物のお店を始め7年間店長を務めました。
その間多数の着物・帯を扱ってきた経験があります。
リサイクル着物を利用してみたい方の不安や心配を取り除いていけたらと思い、このページをまとめることにしました。
着物文化と和装の美を、多くの女性に感じ取ってもらい装っていただきたいと願っています。
リサイクル着物の特徴
着物と一言で言っても、幅広い種類の着物があります。
礼装・正装用から街着・おしゃれ着用までありますから分けてお伝えします。
礼装・正装用着物(リサイクル)の特徴
◆訪問着に二重太鼓
主に「礼装に用いる着物」は、着る機会が少ないですから新品同様のきれいなものが多いです。
保管の状態がよければ、絹着物は変質することなく何十年か持ちこたえます。
どこにも傷みもキズもなく、シミひとつない礼装着物はよくみかけます。
長じゅばんとセットで誂えることが多いので、セットになっての販売もようあります。
もちろん、長じゅばん付きのものの方が高価になります。
街着・おしゃれ着用着物(リサイクル)の特徴
◆紬の着物
着物の街着・おしゃれ着というと「小紋」「紬」「お召」が代表です。
タンスで眠っているだけのものなら、痛みやキズ、シミもないままです。
これらは単品での販売がほとんどです。
正装・礼装のものに比べると、値段は低いです。
ただし大きいサイズ、作家ものなどは高価になります。
普段用の着物(リサイクル)の特徴
「木綿」「ウール」「ポリエステル」の普段着着物は、リサイクル・古着といえども扱っているお店は少ないです。
新品同様のものもありますが、低価格でしか販売できないためお店としては利益が少ないためです。
時代の古いものから現代のものまで
◆昭和初期の着物
リサイクルの着物は、大正時代あたりから現代のものまであります。
いわゆるアンティークと呼ばれるものは、専門に扱うお店もあります。
染色や柄のつき方などで時代がある程度わかります。
古いもの(アンティーク着物)は、生地や糸の弱りがあるかもしれないので、購入時に注意が必要です。
時代の古いものを買う時の注意点
直接お店に行くのであれば、生地が弱っていないかお店の人に聞いてみるとよいです。
特にヒップやひざのあたりが、生地の弱りやすいところです。
ネットショップで買うときは、生地や糸が弱っているかどうかは分かりません。
注意しようとしてもムリですが、正直なお店なら商品のコメントとして「一部傷みがある」のような添え書きがあることでしょう。
明らかに生地に擦り切れや傷などのあるものは、状態がわるいため価格は低いです。
あるいはまたクレームがくるのを防ぐため、「素材向き」と表現してあるかもしれません。
時代の古いものはシミや汚れに注意
年月を経たものは、胴裏にシミがついているものもあります。
糊が落ちるなどで茶色く染まってしまったようなものは、表地の状態がよくても価格は下がります。
また八掛の裾や袖口、衿、上前に汚れが付着しやすいので、汚れがないかどうか、あっても気にならないかを確認しましょう。
時代の古いものはサイズに注意
時代の古い着物は、サイズが小さいものが多いです。
体格が現代より小柄だったので、仕方ありません。
アンティーク着物だと、身長160センチの方が十分なおはしょりをとれるものは少ないです。
リサイクル帯の特徴
◆アンティークの帯
帯も染色や柄ゆきなどで、ある程度の時代がわかります。
昭和40年代以降の帯は、シミや傷みがなければかなり長期にわたって利用することができます。
芯入りの袋帯・名古屋帯の特徴
時代の古いものは、生地の弱りや刺繍糸の弱りなどが考えられます。
締めたときに生地が破れる可能性があります。
お店に行くのなら、生地については質問した方がよいでしょう。
また芯にカビがある場合があります。
芯については見た目ではわかりませんので、臭いや気になることがあれば質問しましょう。
古い帯は短いことがある
◆アンティーク帯
昭和10年代くらいまでの帯は、現代に比べ短いものが多いです。
体格が小さかったことに加え、補正をしないのが当たり前でしたから。
また袋帯の変わり結びなどが、現代のようにありませんので、短いと感じる帯が多いです。
帯を購入するときは、今使っている帯を測り、その長さを基準に長さを確かめましょう。
細身の方が普通に結ぶのはよいですが、ふくよかな方は「お太鼓の形ができない」かもしれません。
リサイクル着物を選ぶときの視点
リサイクル着物や帯は、いつ製作されたものか、どんな保管状態だったものかはわかりません。
お店の展示用だったから「未使用品」のこともあれば、仕立てたのに受け取りにこなかったため「未使用品」といった商品もあります。
購入するときは、できるだけ商品情報をたくさん見てみましょう。
できれば手にとって確認したいものです。
ネットショップで選ぶときの視点
ネットショップを利用するなら、以下のようなお店がよいです。
- サイズの基本情報が詳しい
- 織りや染めの特徴がわかる
- 色や模様の説明が詳しい
- 痛み、汚れなどが詳しく表示されている
- 適切な利用シーンがわかる
返品についての約束事を必ず確認
してください。
サイズ直しについて
基本的にはサイズ直ししなくて済むものを求めた方がよいでしょう。
サイズ変更(お直し)するなら、そのお値段分を上乗せしても欲しいかどうかを判断。
お直しには限界がありますので相談してください。
<リサイクル着物の選び方・まとめ>
- 自分が欲しい着物の種類を決める
- 好きな柄の中から自分のサイズに一番近いものを選ぶ
- シミやキズなどを確認する
リサイクル着物の失敗しない選び方/サイズや値段/元ショップ店長がすべてを語る・まとめ
古い時代のものは寸法が小さいものが多い。
サイズが小さくて何らかの気になる点があるものはお値段は低い。
新品同様でサイズの大き目のものは、お値段は高めです。
お直しには時間も費用もかかるので、そのまま着用できるものを選びたい。
<関連ページ紹介>
◆着物の丈(身丈)の目安・短い/長いとき・お直し方法と対丈の着方
◆着物の身幅のお直し方法・許容範囲・着こなしで乗り越える方法
◆自分に合う名古屋帯の長さ知ってますか?「部分」の長さは重要です
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