帯締めは帯の形を固定するためのものです。
ときに半幅帯の装飾として使うこともあります。
ここでは着物姿に欠かせない帯締めについて、大きく三つにわけて具体的に見ながら解説します。
(※礼装用を除いて紹介しています)
帯締めの種類は大きく三つ
帯締めは大きく三つに分けられます。
- 平組(平に組んである)
- 丸組(丸く組んである)
- 丸ぐけ(丸くくけてある)
ではそれぞれを順にみていきますね。
平組の帯締め・例
「平組」は現代使われている帯締めでは、最もポピュラーな帯締めです。
締りがよく、どんな帯にも合わせやすいです。
組み方や色の構成によって、カジュアルな着物とよそ行きの着物とで使い分けます。
「平組」付け下げなどのよそ行き向きの帯締め
◆平組・よそ行き用
両面使いの平組の帯締めで、片側が金銀糸を用いたもので訪問着などにも使えます。
裏側は濃いピンクの一色で、若い女性の小紋や付け下げに向きます。
「平組」紬などカジュアル向きの帯締め
◆平組・カジュアル
カジュアルな着物に向く「平組」のもので、一番上はピンク一色。
二つめは多色糸で模様を織り込んであるもの。
三つめはリバーシブルで、ベージュ地の方には前帯でアクセントになるドット入り。
「平組」カジュアル向き帯締めその2
◆平組・カジュアルその2
こちらもカジュアルな着物向きの「平組」帯締めです。
上はこげ茶が主体ですが四色を使って編んだもの。
下は帯の前で変わり結びの玉が見えるようになったもの。
夏用の帯締め(カジュアル~よそ行きまで)
◆夏用平組
夏用の「平組」の帯締めです。
単色のものもありますし、多色のものも。
いずれも薄く隙間のある織り方をしてあり涼しげです。
「丸組み」の帯締め・例
「丸組」の帯締めは、結びやすく軽やかな印象です。
結び目は自然に締めれば形が整うので、初心者の方は扱いやすいでしょう。
色や太さによって、カジュアルな着物とよそ行きの着物とで使い分けます。
「丸組」付け下げなどのよそ行き向き
◆丸組・よそ行き用
上は白から紅色へとぼかしのある、一部変わり織りのはいった丸組の帯締めです。
下は辛子色の太い丸組の帯締めです。
「丸組」紬などカジュアル向きの帯締め
◆丸組・カジュアル
上二つは単色の丸組の帯締めです。
紬や小紋に向きます。
一番下は白を基調に多色で織られた丸組の帯締めです。
ウール、木綿、化繊の着物に向き、夏の帯締めとしても利用できます。
「丸組」カジュアル向き帯締めその2
◆丸組・カジュアルその2
応用範囲の広い丸組の帯締めです。
一番上は途中から四本に分かれているので、結んだときに表情がでます。
二つ目は途中から色数が増えているので、結ぶと左右雰囲気が変わります。
三つ目は終わりの方で二股にわかれていて、その部分の色が茶色に変えてあります。
これも結んだ時に、左右の雰囲気が変わります。
「丸ぐけ」の帯締め・例
最後に「丸ぐけの帯締め」を紹介します。
普段用からおしゃれ着(軽いよそ行き程度)に合わせる帯締めです。
細長い布に綿や手芸用の芯などをいれて、縫い合わせて作られます。
縫い合わせるという和裁の用語は「くける」といい、丸い形にくけるで「丸ぐけ帯締め」といいます。
「丸ぐけ」普段用~軽いよそ行き用
◆丸ぐけ・カジュアルからよそ行き
細かい柄の布で作った丸ぐけ帯締めです。
上のものはクッション材でできた詰め物用の紐状のものを、芯にしています。
下のものは小紋着物の生地から作り、毛糸を芯にしています(自作しました)。
「丸ぐけ」普段用~軽いよそ行き用の丸ぐけその2
◆丸ぐけ・カジュアルからよそ行きその2
こちらは自作したもので、芯は毛糸です。
上の生地は紬着物のリメイクで赤色、下の生地は羽織のリメイクです。
丸ぐけ帯締めを作るなら、無地か小さい小紋柄がおすすめです。
「丸ぐけ」普段用~軽いよそ行き用の丸ぐけその3
◆丸ぐけ・カジュアルからよそ行きその3
無地の着物生地から作った丸ぐけ帯締めです。
1本分に足りないときに、90センチほどのものを二本つくって結び、背中に結びめを隠して使えます。

現代ではあまり使われなくなっていますが、花嫁の振袖や留袖に合わせる丸ぐけ帯締めもあります。
白い絹生地に木綿のわたを入れてくけてあるものです。
花嫁用の場合は白以外に赤い丸ぐけも用いられます。
花嫁用は、衣装に合わせて太くボリュームがあります。
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