着物の衿の種類は、「広衿」「バチ衿」「棒衿」の三種類あります。
広衿は女性の着物の主流になっています。
バチ衿は主に女性の普段用の着物に、
棒衿は男性や子供の着物の衿に用いられています。
では詳しく違いや選び方をお伝えしますね。
着物の衿の種類は三種類
広衿というきものの衿の特徴やメリット
◆青い訪問着の着物の衿
広衿は、衿が広く、肩から胸まで広がっている特徴があります。
この形状は、着物がきちんとした形で着られるようにするためのもので、特に正式な場では広衿の着物が好まれます。
「広衿」は衿幅を一律3寸(11.4cm)にして、衿用の裏地を付け、着るときに半分に折ります。
広衿は胸元がはだけにくく、折山がふっくらとします。
着るときに胸元の衿幅を広げることができるので、
体型がふくよかになっても、衿の幅をある程度調整でき着続けやすいです。
女性の着物の内、普段や浴衣以外の着物は、たいていこの広衿で仕立てます。
また女性の長じゅばんにも、礼装用のものは広衿を採用していることがあります。
バチ衿というきものの衿の特徴やメリット
◆三味線のバチ
「ばち衿」は、「三味線のばち(げんをはじく道具)」の形からきた名前
で、
先にいくにしたがって少し幅広になっている形状です。
三味線の「ばち」は曲線を描きながら先に向かって幅広になっていますが、
ばち衿は曲線ではありません。
◆夏用ウール着物 ばち衿
衿の中心(背の中心)から肩までは一寸五分(5.7cm)、
そこから衿先に向かってまっすぐ広くし衿先では2寸(7.6cm)になるように仕立てます。
女性の普段着の、ウールや浴衣、長じゅばんに用いられます。
広衿のように折りたたむ手間がないので、素早く衿をあわせることができます。
女性の長じゅばんの衿は広衿がいい?それともバチ衿がいい?
女性の長襦袢の衿は、広衿でもバチ衿でもどちらでもよいのです。
広衿の長じゅばんは、半衿をつける時に手間がかかり着付けの時も慎重に着つける必要があります。
が、その分ふっくらとした胸元を演出でき上品感があります。
広衿の長襦袢はこの写真のような衿です。↓↓(半襟はつけていません)
◆広衿の長じゅばん ボディに
バチ衿は半衿をつける時も着付けも簡単スムーズにできるという利点があります。
が、ややさみしい胸元になる印象は否めません。
そのため上質なお着物で行事などに出席される場合は、広衿の長襦袢をおすすめします
棒衿というきものの衿の特徴
◆男性浴衣姿 棒衿
棒衿は、衿が直線的で細長い形状をしており、ばち衿と似ていますが、一般的にはよりカジュアルな着物に見られます。
「棒衿」は、衿幅を一律1寸五分(5.7cm)にして仕立てます。
子供の着物や男物の着物に用います。
◆子供の着物衿は棒衿
女性の着物では、ウールの普段着、木綿着物や浴衣に用います。
女性の着物にだけばち衿と広衿がある
このように、女性の着物にだけばち衿と広衿があります。
正礼装用の着物は、襟元をふっくら上品にみせることのできる広衿が当たり前です。
外出用の小紋、紬着物なども、たいていは広衿で仕立てられます。
正礼装として使う着物でなければ、どちらを選んでもよいです。
着物の衿/違いと選び方/広衿 ばち衿 棒衿/長襦袢はどっちがいい?着物用語・まとめ
女性の着物の衿は、ほとんどが広衿でできています。
広衿は着付けの時折りたたむ手間がかかりますが、胸元がふっくらとし上品な印象になります。
長襦袢の襟を広衿かバチ衿かで迷うことがありますが、着付けが簡単なのはバチ衿です。
ただ上質な着物に合わせて人前に出るような時は、胸元を豊かに上品に見せることのできる広衿がおすすめです。
<関連ページ紹介>
◆バチ衿への半衿のつけ方・コツ・画像で詳しく解説
◆広衿への半衿のつけ方・コツ・画像で詳しく解説
◆男性の着物・半衿のつけ方・誰でもできる画像と解説つき
コメント