◆根付け
根付(ねつけ)は、日本の伝統的な小物の一つであり、江戸時代に特に流行したアクセサリーです。
現代では、女性が着物の帯揚げやお太鼓枕のひもにかけて、前にたらして飾っているものを主に根付とよんでいます。
身体の動きにつれて揺れ動くのが特徴。
江戸時代にさかのぼって、根付の歴史や特徴をまずみていきましょう。
根付の歴史
根付は、元々は帯の根元にぶら下げる小物で、特に男性の浮世絵帯や袋帯に使用されることが多かったです。
これは帯に差し込む帯留めの代わりとして、また装飾品として利用されました。
根付はさまざまな材料(例:木、象牙、石、金属、陶磁器など)で作られ、さまざまな形やデザインが存在します。
根付の歴史的背景
◆根付 安産守り
江戸時代、特に18世紀に入ると、都市の文化や経済が発展し、流行や趣味の対象として小物や装飾品が人々の間で流行するようになりました。
根付はこの時代の文化や人々の趣味、時事や風俗、そして日常の出来事を反映した多種多様なデザインが生まれました。
また、根付の製作者や工房も増加し、その技術やデザインは日本独自のものとして発展していきました。
根付の魅力
◆根付と印籠
多種多様なデザイン
動物、植物、人物、神話、伝説など、さまざまな題材が描かれています。
手の込んだ細工
木彫りや象牙彫りなど、細かい部分まで丁寧に仕上げられているものが多いです。
時代背景の反映
江戸時代の風俗や流行、事件など、当時の社会や文化が反映されています。
現代の根付
近年、伝統的な文化や工芸品への関心が高まる中で、根付も再び注目されるようになりました。
古いものはコレクターの間で人気があり、新しいデザインや技術を取り入れた現代の根付も作られています。
男性の根付の使い方
江戸時代、男性は根付を主に帯の根元に吊るして使用しました。
この使い方は、男性の着物の特徴やファッションスタイルに関連しています。
では具体的な使い方をみていきまよう。
帯のアクセサリーとして
男性の着物は、通常、胸の部分が幅広く、帯も厚みがあるため、帯の飾りやアクセサリーとして根付が用いられました。
根付は帯の前部に吊るされ、装飾的な役割を果たしていました。
実用性
根付には、煙草入れや小銭入れなど、さまざまな小物を吊るすための紐や鎖がついていることが多いです。
これにより、根付はただの装飾品ではなく、実用的なアイテムとしても使用されました。
社会的なステータスの表示
高価な材料や繊細な細工が施された根付は、持つ者の社会的な地位や豊かさを示すアイテムとしても扱われました。
個人の趣味や興味を反映
根付のデザインは多種多様で、動物、神話、風景、歴史的な出来事など、さまざまなモチーフが用いられました。
そのため、持つ人の趣味や興味を反映するアイテムとしても利用されました。
総じて、男性の根付の使い方は、実用的な要素と装飾的な要素を兼ね備えていました。
それは、江戸時代の男性のファッションや生活スタイル、さらには文化や価値観を反映しているといえます。
現代でも着物の男性は、同じように根付を愛用している方もあります。
根付とストラップの違いは?
◆貝殻のストラップ
「根付」と「ストラップ」は、現代の日常でよく目にするかと思いますが、実際にはその起源や意味合いが大きく異なります。
特に携帯電話やお財布に取り付けるチャームとしての「根付」は、実際には「根付紐」が付いたストラップのことを指すことが多いのです。
本来の「根付」は、江戸時代の男性が帯に下げた小物であり、実用性を持つアクセサリーとしての役割がありました。
それに対して、現代の「ストラップ」は、純粋に装飾目的のアクセサリーとしての役割が主であり、特定の実用性を持つわけではありません。
言い換えると、「根付」は具体的な「使命」や機能性を持ちながらも美的価値も併せ持つものであるのに対し、「ストラップ」は純粋な装飾品としての要素が強いといえます。
現代の根付のいろいろ
◆根付 手まり
根付けになるものは、和風のものに限らずあらゆる「もの」が題材にされています。
現代では着物の雰囲気に合わせて、なんでも好みで合わせてかまわない小さいアクセサリーとして楽しめるものです。
◆安産守りの根付
根付って何?着物の帯のアクセサリー/歴史や魅力/つけ方 着物用語・まとめ
江戸時代の根付は、実用性と美しさを兼ね備えた日本の伝統的なアクセサリー。
一方、現代のストラップは、装飾を主としたアイテムとして広く受け入れられています。
根付の歴史や文化的背景を知ることで、根付と現代のストラップをより深く理解することができますね。
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