「着物」と「浴衣」っていったいどこが違うの?
一緒に見えるほど、見た目が似ていますね。
今さら聞きづらいということで、こっそり質問をいただきます。
それもかなり頻繁にいただくので、ここでまとめておきますね。
「浴衣」と「着物」、一言でその違いを説明するのは難しいので、簡潔に順を追ってお話します。
まずは浴衣と着物のそれぞれの特色と生地についてお話し、
そして見た目での見極め方もお伝えします。
浴衣(ゆかた)の特徴・生地
◆浴衣の女性二人
着物の形と浴衣の形は同じです。
浴衣の特徴は
まず、浴衣の特徴をまとめると、
- 浴衣は主に夏に着て裏地はない
- 浴衣は着物の一種
浴衣は昔はお風呂上りに素肌に着るもので、そのまま寝巻としました。
昭和30年代ごろまでは、パジャマでなく浴衣を寝巻きとして着る人は多かったです。
主に白地か紺地のものばかりでした。
現代では「浴衣は夏の遊び着」として定着しています。
おしゃれを競うように装うようになってきたので、素材・色柄など色々あります。
浴衣の生地
浴衣は肌着の上に着るお出かけ着なので、吸湿性がよく軽く夏向きの生地です。
浴衣生地によく使われる生地はこの通りです。
- 木綿
- 木綿と麻の混紡
- 木綿と絹
- 麻
綿つむぎの高級ゆかた生地を見てみる↓
着物の特徴・生地
◆着物を着た女性二人
着物の特徴
次に着物の特徴です。
-
- 着物は浴衣と同じ形状
- 着物には裏地のないものと裏地のあるものがある
- 下着に長じゅばんを着てから着る
女性の着物はどれも同じ形ですが、染め方、織り方などで様々な用途の着物になります。
着物の生地
着物の生地は様々あり、主に天然繊維が主流です。
着物の生地によく使われる生地はこの通りです。
- 絹(シルク)
- ウール
- 木綿
- 麻
- 化学繊維
天然繊維の生地は混紡もあります。
最高級の絹の着物生地を見てみる(結城紬)↓
浴衣と着物の違いとは
決定的な違いは
浴衣も着物も見た目の形は同じで、浴衣も着物の仲間。
ではどこに違いがあるかというと、決定的な違いとしていえるのは、
浴衣は内側に着るものが下着だけですが、着物は長じゅばんを必ず着ます。
これが大きな違いです。
またもう一つの決定的な違いは、
寝巻きにもできるのが浴衣で、そうではないのが着物といえます。
今は浴衣は外出用に着る人が多いため、素肌に着ることはまずないですが、
寝巻きにしたり湯上りに着るのは浴衣だけで、着物では決してそうはしません。
着用時期に着目した違いについて
ほかにも違いがあります、それは「着用時期」です。
外出用の浴衣を着るのは夏期だけ。
(寝巻としてなら一年中でも、芝居や踊りのおけいこならオールシーズン)
お祭りなどで5月、10月の行事などでは、浴衣を着ることもあります。
一方着物は一年中着用します。
当然ながら、季節や気温に応じて着分けます。
- 7~8月は透ける薄い生地のもの
- 6月と9月は裏地のないもの
- そのほかの時期は裏地のついたもの
と着分けます(境目の季節は幅があります)。
浴衣の例外・着物として着る浴衣
先に「浴衣は長じゅばんを着ない」といいましたが、例外があるので紹介します。
いわゆる高級浴衣と呼ばれる浴衣(絹紅梅・絞り・長板中形など)は、そのまま浴衣としても使いますが、
長じゅばんを着て着物として着用してもかまいません。
長じゅばんを着て着用すると外出着相当になり、白い足袋をはいてバランスをとります。
そのときは半幅帯でなく、夏用の名古屋帯を合わせるとよく合います。
見た目で浴衣か着物かを判断するには
見た目ですぐに浴衣か着物かを知るには、衿を見ます。
衿をみて、長襦袢の衿があれば着物、なければ浴衣です。
長襦袢の衿は白色が多いですが、色柄ものの布をつけておしゃれをすることがあり、着物以外の衿があれば長襦袢を着ていることになります。
<長襦袢の衿につける布=半襟について>
◆半衿・半襟って何?じゅばんにつけておしゃれに(着物用語)

浴衣と着物の違いは何ですか?見た目や生地で・質問にお答えします・まとめ
浴衣と着物は、見た目ではどっちかわかりにくいですね。
決定的な違いは、長じゅばんを着るかどうかということ。
そして浴衣は素肌に着たり寝巻きにしたり、湯上りに着ることがありますが、着物はそういう着方はしません。
<関連ページ紹介>
◆自分で着物を着るのは難しそうですがメリットは?質問にお答えします

コメント