着物愛好家の間ではとても人気のある「博多帯」について詳しくお話します。
博多帯の種類、素晴らしい特色、献上柄とそれ以外の柄、などについて紹介します。
まず博多織の種類から。
博多帯の種類
博多帯は、以下のように分けられます。
- 袋帯
- 八寸名古屋帯
- 四寸単帯(半幅帯)
- 男帯
- 夏用献上博多
男帯以外はすべて女性用の帯で、この中で最もよく利用されるのが「八寸名古屋帯」でしょう。
博多帯の素晴らしい特徴
博多織の帯は着物愛好家にとってはなくてはならない帯ですが、それは素晴らしい特色があるからでしょう。
- つややかな見た目
- 軽い
- 気持ちのよい手触り
- 締めるときの絹なりの音
- 締め心地が快適
- ゆるみにくい
一度使えば二度と忘れることがないほど、印象に残る帯だと思います。
絹なりの音を聞きながら締めるのは、とても心地よいものです。
絹鳴りの音ってどんな音?
「絹鳴り」とは、特に良質な絹織物が持つ特有の音のことです。
新しい絹織物を動かしたとき、あるいは絹製の衣服を身にまとったときに、軽くシャリッとした音が聞こえることがあります。
これが「絹鳴り」の音です。
その音質は、紙をゆっくりと揉みしめるような、あるいは新鮮な雪の上を歩くときのような、静かで淡々とした音と形容されます。
それは一種の摩擦音で、絹の繊維が互いにこすれ合って生じるものです。
この「絹鳴り」は、高品質な絹織物ならではの特性とされ、その製品の品質を象徴するものとされています。
献上と献上でない博多帯
献上柄とは、古来より皇室に献上される帯に使われる特別な柄のことを指し、特に博多帯において重要な意味を持っています。
献上柄は一般的には織りによって出される幾何学模様で、直線や曲線を組み合わせて美しく規則正しく織り出されます。
これらの模様は、単純ですが洗練された美しさを持っています。
献上柄以外の博多帯の模様には、様々なものがあります。
伝統的な日本の自然や風景、花鳥風月、歴史的なエピソードなどをテーマにしたものから、より現代的で抽象的なデザインまで幅広い種類があります。
これらの模様も、博多帯の魅力を引き立てる要素となっています。
ただ、生産量はあまり多くありません。
博多帯の種類
袋帯(博多帯)
複雑で凝った意匠のものもありますが、数は少ないです。
訪問着、付下げ、色無地、江戸小紋などにあわせます。
八寸名古屋帯(博多帯)
◆八寸名古屋帯・博多帯
最も利用されている八寸名古屋帯。
一年中締めることができます(ただし夏用の献上博多帯は別途あります)。
主に紬やお召のきものに、そのほか粋にまたカジュアルに着こなしたい着物に。
四寸単帯(半幅帯)の博多帯
約16センチ幅のひとえの帯で、豊富な色があります。
夏着物や浴衣に合わせます。
男帯(博多帯)
◆男帯(博多帯)
◆男帯(博多帯)の登録商標
博多帯特有の独鈷・華皿・縞を織り出した男帯。
男性用のサイズはこのワンサイズのみで、一年中使います。
博多帯の季節・着用期間
博多帯は一年中着用可能ですが、その素材や色、模様によって着用する季節や場面が変わります。
厚みや質感から見ると、冬向けのものと夏向けのものに分けられます。
厚手で暖色系のものは冬向け、薄手で涼しげな色のものは夏向けとなります。
夏用献上博多
透け感のある八寸名古屋帯を「夏用献上博多」とよんでいます。
「紗献上の博多帯」とよぶこともあります。
夏の着物、絞りのゆかたなどの高級ゆかたに合わせます。
博多帯の特徴と種類/季節は?絹鳴りの音/献上博多以外/写真画像あり(着物用語)(着物用語)まとめ
博多織はこのように素晴らしい特色のある帯で、ほぼ一年中締めても大丈夫です。
きもの通には人気の高い帯で、軽快でモダンな着物姿を好む方が着こなしています。
福岡県で主に生産され、これからもこの織りの技術をぜひ残していただきたいです。
現在では、ネクタイ・扇面・ブックカバー・レザーと組み合わせたキーケースなども作られています。
<関連ページ紹介>
◆博多織とは、博多帯と献上博多(着物用語)
◆半幅帯・ゆかた帯・細帯の違いがわかる・特徴を画像で説明
◆京袋帯とは・長さと格・作り方と結び方・合わせる着物
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