絵羽模様とは、着物を広げると「一枚の絵」のように見えるよう模様が描かれていることをいいます。
着物の上部は、衿、肩胸、袖の縫い目をわたって模様が続きます。
着物の下部は、後ろ身頃、前身頃、衽(おくみ)へと、縫い目をわたって模様が続きます。
ではもう少し具体的に絵羽模様についてお伝えします。
絵羽模様の着物とは
絵羽模様が描かれた着物は、高級で、格式あるものとされています。
絵羽模様は一般的に豪華で繊細なので、結婚式や成人式、舞台など、特別な場所やイベントで着用されます。
また、絵羽模様の着物はよく振袖や訪問着など、格式の高い着物に用いられます。
羽の形を基にしたその美しい模様は、美しさとともに高貴さを象徴し、着る人の品位を引き立てます。
着物の絵羽模様の柄
絵羽模様は、その美しさと精巧さから高級な振袖や訪問着にしばしば使われます。
絵羽模様の中にも多種多様なデザインがあり、一部を紹介します。
鳳凰絵羽
鳳凰、つまり不死鳥の羽根をモチーフにしたデザインです。
鳳凰は祥瑞の象徴とされ、一般的に長寿や幸運を象徴します。
蝶絵羽
蝶をモチーフにしたデザインです。蝶は変身と新しい始まりの象徴で、その美しさと華やかさがよく表現されています。
鶴絵羽
鶴の羽をモチーフにしたデザインです。鶴は長寿と幸福の象徴とされています。
花絵羽
桜や菊、牡丹などの花をモチーフにしたデザインです。
それぞれの花には独自の意味があり、例えば桜は美しさとはかなさ、菊は貴族の象徴、牡丹は豊かさと名誉を象徴します。
紅葉絵羽
紅葉をモチーフにしたデザインです。紅葉は美しさと移ろいやすさ、また季節の変化を象徴します。
雲絵羽
雲をモチーフにしたデザインです。雲は天に接近することを象徴し、その流動性と軽やかさが特徴です。
これらの例は一例に過ぎませんが、それぞれが特定の意味や情緒を伝えるために使用されます。
絵羽模様の意味
絵羽模様(えばもよう)は、着物や帯、装飾品などのデザインとして使われる、特有の日本の伝統的な柄の一つです。
元々は鳥の羽をモチーフにしたもので、鳥の飛翔や羽根の美しい形を表現しています。
美しさとともに高貴なイメージを象徴します。
絵羽模様の着物の仕立て方
絵羽模様の着物の仕立て方と種類について、かいつまんでお話します。
絵羽模様の着物を仕立てるには、まず白生地をいったん着物の形に仮仕立てします。
模様を決めてから、絵を描き、装飾を施します。
その後着る人に合わせて、着物に仕立てます。
絵羽模様の着物の種類・格
絵羽模様は格の高い着物(礼装および盛装)に用いられます。
模様の配置によって、
- 総模様
- 裾模様
- 肩裾模様
があります。
◆総模様の打掛
「総模様」は、着物全体に模様があるものをいい、
振袖や花嫁衣裳の打掛がこれにあたります。
振袖や花嫁衣裳は、模様全体が特に華やかで豪華です。
◆裾模様の色留袖
「裾模様」は黒留袖や色留袖です。
上半身には模様がなく、下半身にのみ模様がつながっています。
「肩裾模様」は現代ではほぼありません。
肩と裾に絵羽模様を配した模様付けの一種です。
絵羽模様 えばもようとは?意味/柄/着物の絵羽模様/仕立て方と種類(着物用語)まとめ
絵羽模様は、着物の模様のつけ方の名称で、振り袖や訪問着など格調高いきものに配置される模様。
一枚の絵模様にみえる柄のつけ方で、柄そのものにも意味を込めています。
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