扇子(せんす)は、あおいで涼をとるための携帯品です。
広げたときの形から「末広」(すえひろ)ともいいます。
着物姿のときは、左の胸に下前の衿に平行になるように、扇子を帯にはさみます。
扇子は涼をとるほかに、着こなしに品をだすための飾りでもあります。
着物に慣れてきたら、帯にはさんでセンスのいい美人になってください。
ここでは、
- あおぎ方
- 扇子の種類
についてお話ししますね。
涼をとる扇子のあおぎ方
暑いと勢い良く顔に風を吹きかけたくなります。が、
そうすると周囲にまで勢いの余った風がかかり、迷惑になることもあります。
あおぎ方は、扇子を胸の位置で持って、顔の下からそよそよと扇ぎましょう。
上品にみえ周りからも好印象ですよ。
また、袖口から風を送るようにすると、体が涼しくなります。
扇子の種類
一般的に使われるのは以下の三種類です。
- 祝儀扇(しゅうぎせん)
- 紙扇子
- 生地扇子
祝儀扇(しゅうぎせん)
◆祝儀扇子
祝儀扇(または祝儀扇子)というのは、冠婚葬祭用の扇子のこと。
礼装には必要なアイテムのひとつで、礼装用の金銀色のものを用います。
写真は黒骨の祝儀扇ですが、色留袖・訪問着・振袖・色無地紋付等の場合には、白骨の祝儀扇を用いてもよいです。
紙扇子と生地扇子は普段用
◆紙の扇子
◆生地の扇子(夏用)
普段に使う扇子が、紙扇子と生地扇子。
- 紙扇子は扇面が紙でできた扇子
- 生地扇子は扇面が生地でできた扇子
扇子は広げたときにしか、その柄ゆきのよさなどはわかりません。
ですが、季節に合わせた柄を持つように心がけてください。
そのほかの扇の種類
そのほかの扇子を紹介します。
- 白檀(びゃくだん)
- 飾り扇子
- 舞扇子
- 茶扇子
- 檜扇(ひおうぎ)
白檀(びゃくだん)
◆白檀の扇子
香木「白檀」の木片を重ねた扇子。
主に上品な香りを楽しむためのもの。
飾り扇子
玄関や床の間などに飾る扇子。
扇子立てにのせ、長寿や繁栄などの意味を込めた柄が描かれています。
舞扇子(まいせんす)
日本舞踊や能などで使われる扇子。
竹骨に鉛を埋め込むなど、一定のスタイルがあります。
茶扇子(ちゃせんす)
茶席に用いられる扇子。
婦人用、紳士用とあります。
檜扇(ひおうぎ)
檜(ひのき)の薄片をを、末広がりに繰り合わせて手元に要をつけ、先を絹のより糸で あみ綴った板の扇。
宮中でも用いられた木製の扇。
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