藍染とは、藍液で糸や布を染めること。
または藍で染め上げたもの。
藍瓶の中に糸や布を浸してから絞り、
染められた糸は、空気にさらすと酸化されて、青色に発色します。
浸す回数などによって色の濃淡を調整します。
夏の浴衣で代表的なものは、なんといっても藍染めの浴衣です。
藍液の作り方
では藍の液をどうやってつくるかというと、
原料の藍(タデ科の植物)の葉を、乾燥させてから、
水分を加えて発酵させます。
その発酵させたものを「すくも」といい、
これをさらに2~3年寝かしてから、
職人さんがすくもに、灰汁(灰を水に溶かした液のうわ澄み液)と水を加えて、
毎朝晩20~30分、約1週間以上練りこみます。
そこに、ブドウ糖を加えて7日から10日間混ぜ、
かめの中心に泡がこんもりと出来あがると、藍の染料ができます。
これを「醗酵建て」と呼びます。
すくもを作るのにも専門の職人さんがいて、
その作業日程は、3~4ヶ月もかかります。
また、乾燥させた藍の葉を発酵させるにも、
むしろにひいた大量の藍を練るのは、
重労働ですし、水加減によって発酵の加減が変化するといいます。
藍の染料を作るのは、時間と手間を要する仕事で、
今の時代では、徳島県の阿波にわずかに残るだけです。
この伝統的な日本の藍染めの手法による着物は、
100年前なら、木綿に藍の絣の着物を代表として、
庶民がみな愛用していたものでした。
しかし明治30年に合成藍が輸入されてからは、
手間のかからない合成藍が主流になってしいます。
コメント