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芭蕉布(ばしょうふ)とは・沖縄の夏の織物・着物用語

沖縄 民家

◆沖縄の民家

芭蕉布(ばしょうふ)は、沖縄県本島北部の喜如嘉(きじょか)で織られている夏の織物です。

1609年薩摩島津氏による琉球侵略以降、江戸上がりの際に、

献上された持参品のひとつとされました。

芭蕉は戦前には、奄美大島から波照間島まで栽培されていて、

沖縄の民家ではどこにでも芭蕉布があったそうです。

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平良敏子さんが芭蕉布を復興

芭蕉

◆芭蕉

しかし戦後は生産が途絶えてしまい、壊滅状態であったところ、

平良敏子さんが復興させ、沖縄に古くからある、

衣生活の中心である芭蕉布を普及させました。

身分により色の違いがあった

芭蕉布は琉球王国時代には、老若男女、

身分の別なく着用されていたそうです。

ただ色には違いがもうけられていたようで、

農民や漁民が身につける芭蕉布は、

生成りで粗めの単純な縞の模様の繰り返しであったそうです。

芭蕉が布になる行程

芭蕉布の製造工程は、繊細かつ手間のかかるものです。

まず、バショウ科の多年草であるイトバショウから繊維を採取します。

この繊維は、葉鞘を裂いて外皮を取り除き、質によって原皮を分けることで得られます。

やわらかいものは緯糸に、硬いものや色のついたものは経糸に。

沖縄伝統の絣や縞、格子などの模様を出すために絣糸にします。

繊維は木灰を含む大鍋で煮てから、竹のばさみでしごいて精練し、繊維質を分けます。

この工程は約2ヶ月かかり、得られた糸は薄茶色になります。

無地か濃茶色で染められた絣が一般的ですが、沖縄では琉球藍で染められた藍色の絣も人気があります。

芭蕉布は涼しげで、夏に肌にまとわりつかず快適です。

※糸芭蕉(イトバショウ)は琉球芭蕉とも呼ばれ沖縄に自生しています。

芭蕉布の特徴

芭蕉布はひんやりと涼しく、風が通り抜けるような薄さ。

高温多湿の沖縄の風土にぴったりの素材です。

フクギ、藍、シャリンバイといった天然自然の染料で染めた、

素朴な色目と絣柄が特徴です。

糸芭蕉は芭蕉布にするほか、

船具の荒縄や絣括りの用具、芭蕉紙の材料としても、

用いられていたそうで、生活には欠かせない植物でした。

1974年、「喜如嘉の芭蕉布保存会」が、国の重要無形文化財に指定されました。

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プロフィール
この記事を書いた人
きらこよしえ

着付け師範として着物着付け教室を運営。簡単着付けの2部着物など考案、雑誌に取り上げられたり、着物用下着など監修者。温泉好きでスーパー銭湯や温泉巡りでドライブ旅行趣味。温泉ソムリエ資格取得。旅系ブログna58.net YouTube運営。

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