◆女性用の下駄
着物で日常を過ごしていた時代の人が、普段にはいていた履物が下駄です。
下駄(げた)とは、木製の板に歯を取り付け、鼻緒を取り付けた履物。
鼻緒(はなお)は台に三か所穴をあけて、紐状または帯状の緒(お)を渡したもの。
下駄の形からいくつかのことわざや慣用句ができ、耳にしたこともあるでしょう。
今も会話のなかでよく使われる慣用句なのではないでしょうか。
- 下駄をはかせる
- 下駄を預ける
について知っておくと、年齢の高い方との会話もスムーズかもしれません。
下駄をはかせるってどういう意味?
下駄をはかせるの意味
「下駄を履かせる」とは、物の価値や価格、あるいは数量を実際よりも多く見せることを意味します。
例えば、価格を高く偽ったり、数量や点数などを水増しして実際よりも多く見せることが含まれます。
下駄をはくとその分身長が高くなりますよね、そのことから大きく見せることをいいます。
下駄をはかせるの使い方
実際よりも多く見せることの意味で使う場合の使い方。
「下駄を履かせる」というフレーズは、次のような文脈で使うことができます。
- 彼は自分の経歴に下駄を履かせて、実際よりも優れているように見せかけた。
- 彼女は自分の年収に下駄を履かせて、実際よりも高く見せた。
- 彼は自分の能力に下駄を履かせて、実際よりも優れているように見せかけた。
これらの例では、「下駄を履かせる」というフレーズは、実際よりも良く見せるために、事実を偽ることを意味します。
下駄を預けるってどんな意味?
下駄を預けるとは
「下駄を預ける」というフレーズは、相手に物事の処理や責任などを一任することを意味します。
下駄を預けるの使い方
「下駄を預ける」は次のような文脈で使われています。
- 彼はプロジェクトの成功を彼女に下駄を預けた。
- 彼は自分の将来を会社に下駄を預けた。
- 彼女は自分の人生の決定を両親に下駄を預けた。
これらの例では、「下駄を預ける」というフレーズは、相手に物事の処理や責任などを一任することを意味します。
責任を一任する、ということで、他人に責任を押し付けることにもなります。
自分の仕事や役割を他人に丸投げすることで、その結果に対する責任を回避しようとする態度を表す表現ともいえます。
そのため、下駄を預けられた方は、こんな受け止め方をすることになります。
- 彼はプロジェクトがうまくいかないと感じたので、部下に下駄を預けて自分の責任を逃れようとした。
- 彼女は自分が間違っていることを認めたくなかったので、友達に下駄を預けて言い訳を作り出した。
- 上司は自分の仕事を部下に押し付けて下駄を預けているため、部下たちの不満が高まっている。
あまりきかなくなりましたが、「下駄をはくまで」「下駄と焼き味噌」という慣用句もあります。
下駄を履くまでってどういう意味?
下駄をはくまでの意味
下駄をはくのは物事が無事すんで帰る支度をしたということから転じて、
「下駄をはくまで」というフレーズは、物事が終わるまで、最後の最後までという意味です。
つまり、物事の結果が決まるまで、最後までわからないということを表します。
下駄を履くまでの使い方
「下駄を履くまで」というフレーズは、次のような文脈で使うことができます。
- 試合の勝敗は下駄を履くまでわからない
- 彼女が選ばれるかどうかは、下駄を履くまでわからない
- 彼がプロジェクトに成功するかどうかは、下駄を履くまでわからない
これらの例では、「下駄を履くまで」というフレーズは、物事の結果が決まるまで、最後までわからないということを表します。
「下駄と焼き味噌」ってどういう意味?
◆焼き味噌
「下駄と焼き味噌」の意味
「下駄と焼き味噌」というフレーズは、形は似ていても、内容はまったく違っていることのたとえです。
「下駄と焼き味噌」の使い方
「下駄と焼き味噌」という言葉は、次のような文脈で使うことができます。
- 彼女は彼とにているように見えるが、実は下駄と焼き味噌だ。
- 彼のアイデアは私のものに似ているが、本当は下駄と焼き味噌である。
- 彼女の作品は私のものに似ているが、本当は下駄と焼き味噌だ。
これらの例では、「下駄と焼き味噌 」という表現から、形は似ていても中身は全く違うということがわかります。
さて、
ここからは下駄にまつわる言葉を紹介。
下駄の鼻緒をすげる・たてるとは
◆下駄の鼻緒
下駄は脱いだり履いたりが楽にできます。
鼻緒は、主にやわらかい緩衝材を入れた丈夫なひも状で、素足または足袋(たび)をつけてはきます。
好きな鼻緒を選んで台に取り付けますが、
鼻緒をつけることを「鼻緒をすげる」といい、
切れた鼻緒を直すときには「鼻緒を立てる」といいます。
歯を取り替えてはき続ける
◆台が桐材の下駄
台の下には「歯」とよばれる2本の木の歯が差し込んであり、使うにつれて磨り減っていくので、
取り替えてははき続けていきます。
最近では台と歯がつながっている下駄があり、それは取替えできません。
昔は台に竹をはったものや、畳をはったものなども利用されていました(今も少しはあります)。
雨の日は爪皮(つまかわ)をつける
◆爪皮をつけた下駄
雨のときは、爪皮をつけ雨をよけます。
爪皮にはゴムがついていて、下駄の歯にかけて下駄の先の方を覆います。
下駄の歩き方
下駄は正しい歩き方で履くことが大切です。
下駄の歩き方をマスターすることで、快適に歩けるだけでなく、足腰にも負担をかけずに済みます。
下駄をはいてみたい、と始められる方に、下駄の歩き方のポイントをいくつか紹介します。
- 足の指の力で下駄をつかむ: 歩く際には、足の指を使って下駄の前部分を軽くつかむようにしましょう。これにより、下駄が足にしっかりとフィットし、滑りにくくなります。
- かかとからつま先にかけて着地: 一般的な歩行と同様に、かかとから着地し、つま先にかけて重心を移動させましょう。この着地方法により、滑りにくくなり、足腰に負担をかけずに歩くことができます。
- 膝を伸ばしすぎない: 歩く際に膝を伸ばしすぎると、足首や膝に負担がかかります。膝を適度に曲げた状態で歩くことで、足腰への負担を軽減できます。
- 腰を安定させる: 下駄で歩く際は、腰を安定させることが大切です。腰を前後に揺らさず、上下にも動かさないようにしましょう。これにより、バランスが取りやすくなります。
靴と違う点もあり、慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、足腰が丈夫になるようですよ。
普段の履物に利用してみてください。
下駄をはかせる/下駄を預けるってどんな意味?使い方の例/下駄をはくまで/まとめ
下駄をはくと数センチ身長がたかくなるので、そこからいくつもの慣用句ができ日常で使われています。
今でいう「シークレットシューズ」のようではありますが、見た目も音もあるのでとても秘密にはできないですね。^^
靴の歩き方とはちょっと違いますが、慣れると足腰きたえられるような気がしています。
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