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有職模様 ゆうそくもよう・主な模様の種類と意味・袋帯の使用例

紗綾形 さやがた

◆紗綾形・さやがた

有職模様は、日本の伝統的な装飾模様の一つで、主に和服や日本の建築物などに見られます。

この模様は、日本の古代から中世にかけての宮廷文化に由来し、その名前も「有職故実」から来ています。

有職故実とは、宮廷の儀式や礼装、位階制度など、古代から中世の宮廷生活に関する知識や習慣を指します。

有職模様は、その形状や配置、色彩などに特定の意味を持つことが特徴で、それぞれが独特の美しさと深い意味を持っています。

例えば、菊の花は皇室を象徴し、桜は武士の美学を表しています。

また、亀の甲羅は長寿を、鶴は幸福を象徴しています。

では有職文様の種類を紹介します。

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有職模様の種類

亀甲花菱 有職模様

◆亀甲花菱

有職模様には、以下のような種類があります。

  1. 菊模様:菊は日本の国花であり、皇室の象徴でもあります。菊の花は、その美しさと強さから、高貴さと尊厳を象徴しています。菊模様は、特に皇室や貴族の間で好まれ、和服や装飾品、家紋などによく用いられます。
  2. 桜模様:桜は日本人にとって特別な花で、その儚い美しさは武士の美学を象徴しています。桜模様は、春の訪れを告げるものとして、和服や装飾品、家紋などに広く用いられます。
  3. 亀甲模様:亀甲模様は、亀の甲羅を模した模様で、長寿と健康を象徴しています。亀甲模様は、特に祝い事や長寿を祝う場面で用いられます。
  4. 鶴模様:鶴は千年の寿命を持つとされ、幸福と長寿を象徴しています。鶴模様は、特に結婚式や新年の祝い事などで用いられます。
  5. 波模様:海や川を象徴する波模様は、流動性と変化、そして生命のエネルギーを象徴しています。また、波は繁栄と安定をもたらすとされています。
  6. 竹模様:竹はその直立不動の姿から、節度と強さを象徴します。また、竹は冬でも青々としていることから、生命力と持続性を象徴しています。
  7. 松模様:松は長寿と不老不死を象徴しています。また、松は厳しい冬でも青々としていることから、耐久性と持続性を象徴しています。
  8. 梅模様:梅は冬の寒さを乗り越えて早春に花を咲かせることから、忍耐力と希望を象徴しています。
  9. 雲龍模様:雲龍模様は、雲を背景に龍が舞う様子を描いたもので、天を象徴し、また龍は古代中国の神話に由来し、権力や繁栄を象徴しています。
  10. 菱模様:菱模様は菱形の幾何学模様で、繁栄や安定を象徴しています。また、菱は水面に映る月を表すこともあり、詩的な情緒を表現します。
  11. 紗綾形(さやがた):紗綾形は網目模様の一種で、繊細さと洗練された美しさを表します。また、網目は結びつきや結束力を象徴することもあります。
  12. 花菱模様:花菱模様は菱形の中に花を配したもので、菱形は繁栄や安定を、花は美しさや華やかさを象徴します。
  13. 雁木模様(がんぎもよう):雁木模様は交互に配置された直線の模様で、順序立てられた規則性と調和を表します。
  14. 葵模様:葵は平等と調和を象徴し、また徳川家の家紋でもあるため、権力や地位を象徴することもあります。

以上が有職模様の一部です。

それぞれの模様は、その形状や色彩、配置によって独特の美しさと意味を持ち、日本の自然や文化、歴史を反映しています。

これらの模様は、和服だけでなく、陶磁器や家具、建築など、日本の生活のあらゆる面に取り入れられ、日本の美意識や価値観を表現しています。

帯に使われている有職模様

有職模様が使われている例を紹介します。

袋帯に使われることが多いです。

菱模様 袋帯

◆菱模様 袋帯

袋帯の模様の中に、大きな菱型の模様があり、その中に菊と思われる花や笹の葉などが表されています。

亀甲模様 袋帯

◆亀甲模様 袋帯

亀甲模様がつながり、その中に若松などの模様をさらに織り込んだ袋帯。

通年使える有職文様

季節感がないので、年間を通して使うことができる有職文様の代表的なもの。

  1. 雲立涌(くもたてわく):この模様は、立涌の膨らみ部分に雲を組み合わせたものです。雲と立涌が組み合わさることで、天と地をつなぐ象徴的な意味合いを持ちます。
  2. 七宝(しっぽう):七宝模様は、一つの円に四分の一の円を重ねて配置したものです。仏教の七宝(金、銀、瑠璃、硨磲、赤珠、瑪瑙、車渠)を象徴し、繁栄や富を表します。
  3. 花菱亀甲(はなびしきっこう):花と亀の甲羅を合わせた模様です。菱形の美しさと亀甲の長寿の象徴が組み合わさり、美と寿命を同時に祝います。
  4. 向い鶴(むかいつる):鶴が翼を広げて向かい合う模様です。鶴は長寿と幸福を象徴し、二羽が向かい合うことで、夫婦の絆や愛情を表します。
  5. 朽木形(くちきがた):縦のひし形に朽ちた木の形を文様化した模様です。朽ち木は再生と新たな生命を象徴します。
  6. 向い蝶(むかいちょう):二羽の蝶が向かい合う模様です。蝶は変容と新たな始まりを象徴し、二羽が向かい合うことで、夫婦の絆や愛情を表します。
  7. 鸚鵡(おうむ):二羽の鸚鵡が向かい合う模様です。鸚鵡は言葉の伝達とコミュニケーションを象徴します。
  8. 雲鶴(うんかく):雲と鶴の模様です。雲は天とつながり、鶴は長寿と幸福を象徴します。
  9. 松喰鶴(まつくいつる):鶴が松の小枝をくわえている模様です。松は長寿と不老不死を、鶴は幸福を象徴します。
  10. 八つ藤の丸:十字型の花の周囲を、藤の文様で囲んだ模様です。藤は優雅さと高貴さを象徴し、円形は完全さと調和を表します。
  11. 窠文(かもん):水鳥の巣や蜂の巣、爪を輪切りにした物をデザイン化した模様です。生命の誕生と成長、そして家族の絆を象徴します。
  12. 鳥襷(とりだすき):尾長鳥2羽ずつ斜めに襷がけに配置した模様です。鳥は自由と可能性を、襷は絆とつながりを象徴します。

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プロフィール
この記事を書いた人
きらこよしえ

着付け師範として着物着付け教室を運営。簡単着付けの2部着物など考案、雑誌に取り上げられたり、着物用下着など監修者。温泉好きでスーパー銭湯や温泉巡りでドライブ旅行趣味。温泉ソムリエ資格取得。旅系ブログna58.net YouTube運営。

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