◆着物の袖の丸み 型
着物の「袖の丸み」についてお話します。
「袖の丸み」は、袖口から下にむかった、「たもと」の角のところをいいます。
たもとの角はどの着物もややカーブしていますね。
ここを「袖の丸み」とよんでいます。
袖の丸みの作り方・決め方
◆振袖の袖の丸み
着物の「袖の丸み」をつくるには、仕立てのとき「丸みの型」を置いて、カーブをつくります。
カーブの小さいものから大きいものまで、選ぶのは自由です。
ただ、現代一般的に女性の着物に使われるのは「2センチの丸み」です。
2センチの丸みのカーブの作り方
◆袖の丸みの型と江戸小紋きものの袖丸み
例として「2センチの丸み」のカーブのとり方を説明します。
「2センチの丸み」は、
角から上下それぞれに、2センチはいった点に接するように円を描いたときの丸みになります。
このカーブに沿って、たもとの角を縫います。
袖の丸みの型・適した丸みについて
丸みをつける型を紹介します。
◆袖の丸みの型三種類
着物(和服)用の袖の丸みの型は、三つの型がセットになっていました。
ひとつの型で四種類の丸みがとれるものが二つ、
丸みの大きいものは二種類とれるものが一つです。
型の中央に中振袖、小振袖、四ツ身長袖など、
その型に適する着物の種類がかかれています。
もう少し具体的に見てみましょう。
振袖や元禄袖の袖の丸み
◆元禄袖や振り袖の袖の丸みの型
元禄袖や振り袖、中振り袖の袖の丸みの型です。
丸みの大きさは、11.5センチと9.5センチがあります。
子供用(四ッ身)小振袖の袖の丸み
◆四ッ身長着、中振袖、小振袖 袖の丸みの型
これは子供用の四ッ身長着と中振袖・小振袖向きの袖の丸みの型です。
2・5センチ、4センチ、7センチ、8センチの袖の丸みができます。
※四ッ身長着とは、4歳~12歳くらいの子供用の着物のこと
浴衣・留袖・普段用着物の袖の丸みの型
◆留袖 普段着用 ウール 浴衣 袖の丸みの型
浴衣や留袖用、普段着用としての袖の丸みの型はこちら。
1センチ・1.5センチ、2センチ、3センチの袖の丸みができます。
留袖用となっていますが、訪問着や小紋などの着物も同じです。
おしゃれ着や浴衣の袖の丸みは自由に
それぞれの着物に適した丸みはあるものの、おしゃれ着や浴衣は自由に決めかまいません。
丸みは着物の印象にもつながるので、
袖の柔らかな雰囲気をだすのには6~8センチの丸みが適しています。
私は普段用のおしゃれ着には、8センチの丸みにしています。
雰囲気的に優しい感じになることと、たもとをぬらしにくい?ように思います。
浴衣の袖の丸みも、やや大きい丸みにすると個性的で優しい印象になります。
おしゃれ着の着物や浴衣を仕立てるときは、好みの袖の丸みを検討されてはどうでしょう。
手芸用・裁縫用の丸みの型もあり
◆手芸・裁縫用具としての丸みの型
手芸用や裁縫用として購入することもでき、元禄袖や振り袖以外に、ほぼ対応できそうです。
手芸好きな方はこちらの方が使いやすいかもしれません。
着物の袖の丸み/丸みの型を紹介/和裁/浴衣にあう丸みは/和服(着物用語)まとめ
普通の着物は2センチの丸みの袖が一般的で、誂えの時何もいわないと2センチになるはずです。
お好みの丸みがあれば、着物や浴衣の仕立ての時伝えておきましょう。
<関連ページ紹介>
◆ひとえの着物の袖丈を短く直すとき、丸みを変更する方法も紹介
◆ふり、着物の袖の振りとは・着物雑学
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