◆獅子の刺繍のアンティーク帯
女性が着物を着るときに締める帯の「格」について詳しくお伝えします。
帯の種類は、「丸帯」「袋帯」「名古屋帯」「半幅帯」があります。
このうち最も格上なのが「丸帯」。
次に「袋帯」、最も格下が「半幅帯」です。
簡単にいうとこれでおしまいになるのですが、
ただ、袋帯以下はフォーマルとカジュアルがあるので、もう少し細かく分けてお話します。
最上格の丸帯はどんな帯?
◆舞妓さん 丸帯
丸帯は帯の中で最上格で、重さが約3キロほどもあります。
丸帯の形・大きさは、
- 幅約30cm~32cm
- 長さ約4m~4m50cm
見た目は袋帯によく似ていますが、裏面も表生地です。
つまり帯のどこを見ても、豪華な表生地なのが丸帯。
使われるのは、花嫁の本振袖(引き振袖)、白無垢、色打掛の掛下帯といった婚礼衣装に、
また舞妓さんの「だらり帯」に用いられるくらいです。
袋帯は二種類あります
◆袋帯フォーマル用
丸帯をのぞけば最も格が高い袋帯は、長さ約4.2メートル、幅約31センチで、二重太鼓または変わり結びにする帯です。
袋帯は「格の高い袋帯」と「しゃれ袋帯」とに分けることができます。
格の高い袋帯(フォーマルな袋帯)
◆振り袖に袋帯で変わり結び
格の高い袋帯は、唐織、佐賀錦、錦織などの金糸銀糸をふんだんに織り込んだ袋帯です。
合わせる着物は、やはり格の高い着物で、振袖、留袖、訪問着です。
礼装やフォーマルな場面で使われています。
しゃれ袋帯
◆しゃれ袋帯
しゃれ袋帯は、形状は袋帯と同じです。
基本金糸銀糸は使わず、趣味性のある柄模様です。
合わせる着物は、モダンな訪問着、格の低い江戸小紋など。
フォーマルな場面では使用せず、おしゃれ用に使い二重太鼓か角出し結びをします。
(一部にこの中間に属する袋帯もあります。)
名古屋帯は「九寸名古屋帯」と「八寸名古屋」
◆お太鼓姿
袋帯の次に格が高い名古屋帯。
名古屋帯は袋帯を簡略化した帯として考案されました。
長さ約3.5~3.8メートル、幅約30センチ。
名古屋帯には、「九寸名古屋帯」と「八寸名古屋」があり、九寸名古屋帯の方が格上です。
九寸名古屋帯はどんな帯?
◆九寸名古屋帯
普通「名古屋帯」というときは九寸名古屋帯をいいます。
◆獅子の刺繍の名古屋帯
九寸名古屋帯は、染め帯で芯を入れて仕立てます。
九寸の幅の生地を、八寸幅に仕上げるのでこの名があります。
格調高い柄で金銀糸を用いたものは、セミフォーマルになります。
付下げ、華やかな小紋に結びます。
八寸名古屋帯はどんな帯?
◆八寸名古屋帯
八寸名古屋帯は、織り帯です。
◆八寸名古屋帯
八寸=約30センチのできあがりの幅で織ってあることから名がついています。
長さは、約3メートル50~70センチ。
別名を「袋名古屋帯」といいます。
主にカジュアルなシーン向きで、紬・お召し・シルク混のウールなどの着物に合わせます。
半幅帯とはどんな帯?
◆半幅帯
最も格下の「半幅帯」は、
長さ約3メートル 30~70センチ、幅15~16センチです。
主に浴衣や小紋・木綿・ウール・洗える着物に向く 帯です。
袋帯や名古屋帯の半分の幅(15~16センチ)で、 そこからついた名称です。
染め織り両方あります。
格調高い織りの半幅帯について
◆格調の高い博多織の半幅帯
一番格下とはいえ、半幅帯の中でも「格調の高い織の半幅帯」があります。
博多織をはじめとする格調高い半幅帯は、長さ3メートル80センチ前後。
華やかな小紋着物などの社交向きの帯です。
カジュアルな半幅帯
◆カジュアルな半幅帯
普段着用に使うカジュアルな半幅帯が最も格下になります。
浴衣や普段着用の着物に合わせ、日常生活の範囲内で着用するのに向いています。
兵児帯の格は?
◆浴衣に兵児帯
女性の浴衣姿によく用いられる兵児帯も、普段用の帯としてよく使われるようになりました。
合わせる着物は、浴衣または木綿・化繊・ウールの着物といった普段着として用いられる着物に合わせます。
そのため格付けとしては、カジュアルな半幅帯と同じと考えて良いです。
着物にする帯の格 格式を詳しく 格の高い順に解説/合わせ方(女性)・まとめ
以上から、格の高い順に帯をまとめると、
丸帯>袋帯>名古屋帯>半幅帯 となり、
それをさらに詳しく分けた格の順序は、こうなります。
↓↓
名古屋帯(九寸) > 八寸名古屋帯(袋名古屋帯)>
フォーマル向き半幅帯 >カジュアルな半幅帯 > 兵児帯
<関連ページ紹介>
◆丸帯とは、仕立て方や袋帯との違い
◆袋帯とは・種類と柄のつき方、名古屋帯との違い
◆名古屋帯の形状・種類について
◆半幅帯と浴衣帯との違い・各部の名称
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