「着物のときピアスはいいの?」
「指輪はいけないって聞いたんだけど。。」
洋服のときつけるいつものアクセサリー、きものの時はどうなのか気になりますね。
「アクセサリーは全部ダメよ!」という人もいるようですし。。。
もしダメならどんな理由でダメなのか。
そこのところも詳しくお伝えしますね。
和装はこれまでの風習から、洋装とは違う装い方やマナーが暗黙の了解としてあるのは確かです。
着物とアクセサリーの関係
「着物」と一言でいっても種類がいくつかあるので、大まかに二分して考えます。
そうしないと「着物」という言葉で連想するイメージが、人によって違ってしまうからです。
分け方はこのふたつです。
- 礼装・正装と呼ばれる着物で式典や社交目的に参加するときの着物
- おしゃれして行くプライベートお出かけのときの着物
この二つに分けてみていきます。
その前に、こんな話を聞いたことがありませんか?
「基本的に着物にアクセサリーはしない」という話です。
これは、着物で暮らしていた時代には、イヤリングや指輪などで身を飾る習慣はなかったことに由来しています。
そこだけちょっと押さえておきたいのです。
着物にアクセサリーをしない理由
着物が日常着だった時代は、髪を高く結い上げたり、年齢や未婚既婚の別でも髪型が違っていていました。
髪にかんざしや櫛、つまみ細工はするものの、その他の装飾品をつけることはありませんでした。
その後着物が日常から離れていき、日常には洋服を着、特別な日にだけ着物を着る人が増えていきました。
そうなると洋服用のアクセサリーを華やかな席、特別な着物のときにも使う人が出てきたわけです。
それを非常識とみなすのか、時代の流れでしかたがないんじゃない?と考えるのか。
昔のことを知っている年配の方は「非常識」に近い考えですし、「そんな時代錯誤なこと」と受け流す若い人も増えたのですね。
現代では「着物は特別な時に着るもの」という意識が強まり、「アクセサリーに対する考え方も進んで」います。
目的によって着物の種類が違うように、許容されるアクセサリーの考え方にも違いがでてきているということをまずお伝えします。
式典や社交目的に参加するときの着物とアクセサリー
最初に着物を二つに分類しました。
その一つ「礼装・正装と呼ばれる着物で式典や社交目的に参加するときの着物」のときのアクセサリーから説明します。
という考えが年齢の高い層に多いです。
これが暗黙のルールというか了解されていることです。
「礼装・正装と呼ばれる着物で式典や社交目的に参加するときの着物」のときのアクセサリー
礼装や正装の着物を着るとき、アクセサリーの種類によっては、してもよいものがあります。
一つずつみていきますね。
ピアス・イヤリング
ピアスは基本的にはしない方がよいです。
してはいけないという決まりはありませんが、してはいけないと思っている人(年齢高めの方)が多いので、しない方が無難という意味です。
ピアスの中でもしてもいいと思えるものは、耳にぴったりついていて、ごく小さいものならよいでしょう。
ゆらゆら揺れるものはやめましょう。
ゆれるものは「不安」を意味するといわれるためです。
これはイヤリングも同じ考え方でよいです。
※留袖を着るときや年齢の高い方が礼装着物を着るときはピアス・イヤリングはNGです。
指輪
指輪は、結婚指輪や婚約指輪で、平たいものならOKです。
立爪の指輪もあまりゴテゴテしていないものならよいでしょう。
帯留め
帯留めは基本装飾品で、現代ではこのように考えられています。
- 振袖や留袖には帯留めはしない
- 訪問着は改まった席には真珠・ダイヤ・ヒスイ・エメラルドルビーなどをしてもよい
- それ以外の場所へなら、べっ甲・七宝など趣味感覚のものをしてもよい
- 付け下げは宝石を避けて、べっ甲・七宝・蒔絵・彫金が向く
腕時計
腕時計はしない方がよいです。
なぜなら、腕時計をしていない方が手首がきれいに見えるからです。
それともう一つ、社交の場で時間をいちいち気にするような雰囲気にしないためです。
訪問着や付け下げなら、細いエレガントな腕時計ならしていてもよいでしょう。
ネックレス
首を飾るものは着物のときはしないものです。
半衿や伊達衿で胸元を飾るのが着物の装いなので、ほかに飾りをしていると違和感があります。
ネックレスが見えるほどの着付けなら、衿が開きすぎているといえます。
その他の装飾品について
その他の装飾品についても、気になるものがありますね。
マニュキア・ネイル・付爪
指先を飾るマニキュア・ネイル・付け爪については、淡くて清潔感のある色ならつけてもよい、と考えていました。
が、華やかなつけ爪は今や成人式だけでなく花嫁さんもつける人が増えてきたようです。
今ではつけ爪も、違和感なく受け入れられつつあると思います。
ただ、結婚式に招待されて花嫁さんより目立つような華美なものはやめた方がよいですし、式典では爪を飾るのはふさわしくないです。
根付(ねつけ)
根付(ねつけ)は帯に飾る飾りですが、式典や社交目的に参加するときの着物にはつけません。
ブレスレット
手首の飾りはどのような素材のものでも、つけないようにします。
着物のときはない方が手首がきれいに見えます。
アクセサリーを身につけるときの注意
式典や社交の場で着る着物は、上等なものが多く大切にしたいきものでしょう。
身につけてもよいアクセサリーでも、着付けのときに着物にひっかけることのないよう注意が必要です。
特に腕時計は、着物を脱ぎ着する際には、はずしておくと安心です。
和服の美はマイナスの美
洋服と和服(着物)の美意識の違いみたいなものもが日本にはあります。
「洋服はプラスの美」、「和服はマイナスの美」といわれます。
礼装・正装の時は、髪をアップにして着物のボリュームに合うよう大きく髪型を作るので、その時かんざしをする程度で十分なバランスと美しさがかもしだされます。
他のものをいろいろと付けて飾るより、マイナスの美を愛でるのが品がよいという考えです。
ではここからは、もう一つの分け方をした「プライベートのお出かけのときの着物とアクセサリー」です。
プライベートやお出かけのときの着物の場合のアクセサリー
はっきり言ってしまうと、プライベートでお出かけするときなら、どんなアクセサリーをしていてもよいというのが、管理人の考えです。
どんなピアス(イヤリング)、帯留め、指輪、腕時計をしていてもOKです。
品質のよい着物の場合
◆帯留め
ただし、品質も格も高い訪問着や付け下げ、色無地などの着物のときは、格(品格)のあったものをつけましょう。
洋服のときのコーディネートと同じ考え方で、着物とアクセサリーの格は合わせて、色や大きさのバランスをとってください。
普段着のお出かけ着物
普段着として着るような、お友達とのお出かけなどで着る着物なら、洋服のときのアクセサリーをお好みで合わせることがでます。
ネックレスを除けば、まずどんなアクセサリーでも合わせられる思います。
ファッションとして着物を楽しむなら、自分の感性にあったアクセサリーでおしゃれを楽しめるでしょう。
以上これまでの経験でお伝えしましたが、年齢の高い方ほど、着物とアクセサリーの関係を厳しく考えてる人は多いです。
着物の時にピアス/指輪/アクセサリーはいいの?マナー/詳しくまとめました・おわりに
礼装・正装と呼ばれる着物で式典や社交目的に参加するときの着物の場合は、髪飾り以外は基本何もしないと考えてください。
目立たないピアス(イヤリング)、いつもしている結婚指輪・細い腕時計くらいはよいでしょう。
プライベートお出かけのときの着物は、どんなアクセサリーもOK。
ただしTPOを考えて着物とバランスの合ったものを。
プライベートの着物のときは、大いにアクセサリーのおしゃれも楽しんでくださいね!
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