着物の着付けをお教えするとき、「伊達締をなぜするのですか?」
と聞かれることがあります。
腰ひもをしているのに、またその上から幅広のひもを締めるのですから、疑問もわくというものです。
通常の着付けのときは、伊達締めを二本用意してもらいますが、
着方によっては一本でも済ませられます。
ここでは伊達締めの必要な理由を確認してと、伊達締めを減らす方法をお伝えします。
伊達締めはなぜするのか?
伊達締めを使用する第一の理由は、
たてに長い着物や長じゅばんの打ち合わせを、くずすことなく合わせるためです。
そして着物のときにする伊達締めには、さらに役目があります。
それは、おはしょりの長さを整え底を平に整えるためです。
腰ひもだけでは心もとない
長じゅばんも着物も、打ち合わせを固定するために「腰ひも」をします。
でも数センチの幅の腰ひもだけでは心もとないので、その上に幅があって薄い伊達締めを重ねているわけです。
復習と確認 伊達締め二本を使用する着付け法
ちょっと確認しますね。
一本目の伊達締めは、長じゅばんを着たときにする。
これは長じゅばんの衿合わせが動かないようにするのが目的。
二本目は、着物に利用する伊達締め。
このときの伊達締めは、おはしょりの形を整え衿合わせが動かないようにするのが目的。
伊達締め二本を使う着方をすることで、着崩れが少なく胸元が決まりやすいです。
伊達締め2本を1本に減らす着付け方法
◆伊達締めを1本だけに
伊達締めの役割がわかったところで、次は伊達締めを減らす方法について。
着物を着るときは何本もひもを使い、時間がかかります。
また「苦しい」と感じる人もあるかもしれません。
そこで伊達締めを減らすにあたっては、以下の方法をお試しください。
長襦袢に伊達締め一本を利用するだけの着付け法(着方)
伊達締め一本で済む着方の紹介です。
方法のひとつは、
- 長じゅばんを着るときに腰ひもをせず伊達締め一本で着る
- 着物は衿合わせ後、「コーリンベルト」という留め具で衿を留める
- おはしょりはそのまま
- そこに腰ひもをして帯を締める
これは石田節子さんがご指導されている方法です。
着物に伊達締め一本を利用するだけの着付け法(着方)
二つ目は伊達締めを着物だけに利用する着方です。
- 長じゅばんの前合わせは、薄いタオルを幅三分の一にたたんで両端にひもをつけたもの(帯下締めという名称)で着る(タオル地を使うことでウエストの補正を兼ねる)
- 着物はおはしょりを整えて伊達締めを締める
この方法は市田ひろみさんがご指導されている方法です。
伊達締めを使わないきものの着付け法(着方)
最後に伊達締めを使わずに、着付けを完成させる方法を紹介します
。
といっても、着付けの途中では一本利用するので、実際は必要です。
- まず長じゅばんを腰ひものみで着る
- 心配ならバストの上の位置で腰ひもをもう一本使う
- 着物の着付けは通常着付けのように伊達締めを使う
- 着物を着た時点で、長じゅばんに利用した腰ひもをはずす
- そして着物に使った胸ひもをはずす
残ったのは着物の第一腰ひもと、着物の上の伊達締めのみです。
- その後帯を締め、お太鼓を作る前に伊達締めをはずす
伊達締めがないことで、着心地はラクになるでしょう。
伊達締め1本だけで着付けることができる?伊達締めを全く使わない方法も・まとめ
衿合わせ、おはしょりを整えるのが伊達締めの役目。
伊達締め1本でできる着付けを2つ紹介しましたので、お試しください。
伊達締めなしの着物姿は、慣れれば楽に過ごせるはずですが、着崩れや着心地を確かめてお試しくださいね。
<関連ページ紹介>
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