20代で誂えた着物がなぜか小さくなってしまったそうなのです。
「とても気に入っているのでこのまま着たいです。着付け方法を教えてください。」(Mさん48歳)
ご質問のあったMさんは、着物を誂えたころより肉付きがよくなっているそうです。
呉服屋さんでこのままいけるかどうか着せてもらったところ、「おはしょりがでませんね」と言われました。
来月着なくてはならないそうですが、誂えている時間と費用がありません。
「お母様と一緒に誂えた思い出の訪問着」でとても気にいっているそうです。
口頭でお伝えできる内容ではなかったため、お越しいただいて説明しました。
そして着方を覚えてご自分でも工夫をしていただきました。
Mさんのお困りごとはこの通りです。
着物が小さくなった(!)ことでの困りごと
<困ったこと>
- 身幅が狭く前合わせがしっかり合わせられない
- おはしょりは少ししかでない
- 手首は丸見えで裄が短い
- 長じゅばんも同様で身幅が狭い
ご自身の身長は変わっていないので、どうしてあつらえた着物が小さくなったのかはとて不思議ですよね。
Mさんはとても合点がいかないといったお顔でした。
お伝えするのははばかられましたが、やんわりとお話しました。
小さくなった着物・着方による対処法
ではお伝えした対処法と工夫です。
下着の対処法
下着がきついようだったので、既製品のワンピースタイプのものを新たに購入しました。
下着がきつすぎると、動きにくいだけでなく着付けそのものに影響がでるからです。
長じゅばんの対処法
長じゅばんは、やはり身幅が狭く袖丈も短く感じますが、着物とセットなのでこのまま利用します。
衿がはだけにくいよう、紐も伊達締めも高い位置で合わせます。
着物の対処法
呉服屋さんでは「おはしょりがでない」ということでした。
できるだけ腰ひもを締める位置を下にして、着付けします。
衿はあまり抜かずに、少しでも丈に使えるようにします。
裾を少し短めに合わせます。
こうすることで少しおはしょりが出るようになりました。
身幅は、上前を通常より控えることにしました。
歩くときは上前を右手で押さえながら歩くようにします。
手首が丸見えになるくらい裄が短くなっていますが、それはそれでしかたありません。
少しだけ衿を幅広に出すことで、袖口を手首に近づけました。
振舞い方を変えて対処する
ほかにできることは、ふるまい方です。
- できるだけしとやかに過ごす
- 体の動きを最小限にする
特に前合わせがはだけないように手を添えるなど注意してもらいます。
また「おはしょりが短くても気にしないように」とお話ししました。
自分用にあつらえた着物が合わなくなるというのは、かなりショックな出来事でしょう。
体型の変化で着物が小さくなる
Mさんの体重は着物をあつらえた頃より、10キロほど増えているそうです。
若いころ⇒ほっそりした体型 妊娠・出産・子育てで⇒ふくよか体型に
全体に肉付きがよくなったため、立派になった体の幅に着物の丈がとられてしまいます。
そのため身長がかわっていないのに、丈が短くなってしまうわけです。
もちろん着物には何の変化もありません。
今回のように工夫することで着られるようにはなりましたが、これ以上体型が大きくなるとむつかしそうです。
Mさんは近日中の用事がすんだら、呉服屋さんに相談するとおっしゃっていました。
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