柄が肩山、袖山を頂点にして全て上を向くように柄付けがあらかじめされている着物です。
第二次世界大戦中、訪問着が華美になり高価になっていく時代に、堅実で質素な柄付けの着物を求める風潮の中で登場した着物です。
そのため柄は、左胸、前後の身頃のみか、袖に加わる程度で、幅も大きさも訪問着に比べ小さく質素な印象です。
おくみ、前身ごろそして後ろ身頃へと柄が続くようにして、一見訪問着のようにもみえる付け下げもありますが、柄はやや質素な描きぶりとなっていることが多いです。
これを付け下げとよばず訪問着に分類する識者の方もありますし、あくまで柄の重厚感から付け下げとする見方もあります。
「付け下げ訪問着」という言い方をしていることもあります。
付け下げは、カジュアルな雰囲気の結婚披露宴や二次会に、お茶会、入進学の付き添い、格式ばらない社交の場などに。
袋帯または品格のある染めと織りの両方の名古屋帯に合わせられますが、柄の雰囲気を合わせるとよいです。
帯締め帯揚げとも、フォーマル感のある色の薄めのものが合います。
小紋より格が高く訪問着より気軽に着られることから、応用範囲が広い人気の高い着物です。
一つ紋をつけることで、訪問着と同じ準礼装の扱いになります。
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