「振袖」は着物の中で最も豪華で華やかな着物ですね。
未婚女性が着る第一礼装のきもので、成人を迎える女性の装いとして皆さんご存知。
その豪華な振袖の模様の特徴は、広げたとき一枚の絵になるような「絵羽模様」として描かれています。
「振り袖」にも種類やシーンによる利用のされ方があります。
こでは、以下の内容を詳しくお話しますね。
- 振袖の着用シーン
- 袖の長さによる特徴
- 日本の伝統技法がふんだんに用いられる
- 結婚式参列に選ぶ振袖の基本
- 装い方の特徴
- 振袖に合う変わり結び2例
振袖の着用シーン
振袖は最も格の高い女性の着物ですから、礼装とし着用します。
具体的には、このようなシーンで装います。
- 親族の結婚式
- 友人の結婚式や披露宴
- お見合い
- 結納
- 祝賀会のパーティー
- 卒業式
振袖は洋装で言うドレス のような、未婚婚女性のための正式なフォーマルな衣装なのです。
袖の長さによる格の違いと特徴
振袖は袖丈が長いほど「格調が高い」とされています。
振り袖の丈により、利用されるシーンも変わります。
振り袖の種類
振り袖は袖丈の違いにより、以下の三種類に分けられます。
- 大振り袖
- 中振り袖
- 小振り袖
以下それぞれの特徴をお話しますね。
「大振袖」の特徴
大振袖は最も格が高く、袖丈は長いもので袖丈114センチ前後。
ときに袖丈120センチを超える長さのものもあります。
それですと身長160センチ以上の女性が着ても、床に届くくらいの長さになります。
大振袖は「花嫁衣裳」として、また「お色直し」用として用いられます。
そのため描かれる模様は「吉祥文様」が全面を埋め尽くします。
刺繍や金銀箔の装飾も、贅沢に施されます。
「中振袖」の特徴
◆中振り袖(一般的な振り袖)
中振袖は袖丈が100センチ前後です。
ひざ下くらいの袖丈になります。
成人式や結婚披露宴で、若いお嬢さんがお召しになるのが中振袖。
現代では振袖といえばこの「中振袖」をさすといってもいいでしょう。
新年会、謝恩会、初釜やパーティーといった社交の場にも着用されます。
ほぼ全体に慶びを表現する模様が描かれ、色彩装飾とも華美です。
現代では古典模様以外にもアート的な意匠、モダンなデザインも多くなりました。
「小振袖」の特徴
小振袖の袖丈は85センチ前後です。
小振袖は軽い晴れ着感覚で装われることが多く、茶会や気軽なパーティーなどに用います。
模様は控えめで、無地に近いものもあります。
ちなみに一般的に着られている「小紋」や「紬」の着物の袖丈は、49センチ前後が最も多いです。
振袖は日本の伝統技法が
◆赤地小桜模様の振り袖
これは一般的な中振袖の例です。
柄が袖、身ごろにつながった絵羽模様になっています。
生地の緯糸(よこいと)に金糸が織り込まれ全体的に輝きが出ています。
また桜の花びらなど、随所に「絞り」を施してあるので、やや立体感もあります。
染めの技術「ぼかし」を入れて、友禅染め、絞り染めなどをふんだんに用いています。
さらに金銀箔置き、刺繍などの装飾もあります。
振り袖には日本の伝統的な染色や装飾技術が、ふんだんに用いられています。
結婚式参列に選ぶ振袖の基本
結婚式に参列するとき避けたい色目があります。
それは「白」「赤」「黒」の三種類です。
洋式の参列は白は避けるというのはマナー として定着していますよね。
花嫁のウェディングドレスの白とかぶらないため、主役の花嫁を引き立たせるため白は着ない方が良い わけです。
和装の場合は「白」「赤」「黒」を避けた方が良いと言われています。
その理由については、
- 黒の和装は マナー的に良くないと勘違いされやすい
- 親族が着る着物は黒留袖なので、黒は親族と勘違いされやすい
- 花嫁が着る色打掛は赤が選ばれやすいので、被る可能性がある
- 花嫁が着る「引き振袖」は 地色に黒・赤・白が選ばれやすい
白地でも柄が入るので振り袖はOKですし、黒地も華やかな模様なので和装はOKです。
和装に詳しくない人が多い現代ですが、マナー違反だと勘違いされたされることがあると気分が良くないものです。
花嫁が選びやすい色は避けておいたほうが無難という意味でお話ししました。
振袖の装い方
振袖の装い方を、一般的な例でお話します。
- 半襟は刺繍入り
- 長襦袢は紅や桃色の無地かぼかし
- 伊達衿(一枚または二枚重ねる)
- 帯は「錦織り」や「唐織り」の袋帯を、華やかな変わり結びに
- 帯揚げは総絞りのもの
- 帯締めは金銀を織り込んだものか太い丸ぐけ
- 草履は金銀を使った布製かエナメル製でかかとの高いもの
- 草履とおそろいのバッグ
さらに華美になる近年の振袖小物
近年では、小物類はさらに華美になっています。
- 伊達衿⇒パールを並べたり立体的な装飾のあるものなど
- 帯揚げ⇒はレースやスパンコールをあしらった華やかなものなど
- 帯締め⇒宝飾を取り付けたものなど
特に成人式の振袖の装いが最も派手になっているようです。
振袖の変わり結び・例
着物が最高に豪華なので、帯も金銀の華やぎのあるものや、錦織や唐織の多色の織り帯を合わせます。
そして若いお嬢さんに似合う華麗な帯結びをし、その帯結びを「変わり結び」または「飾り結び」と呼んでいます。
袋帯の変わり結びは、多くの結び方が考案されています。
古典的なものから現代的なモダンなものまであるので、着物に合わせて結びます。
ここで結んでいるのは流れる線を優美に表現した「千の流れ」と題されたもの。
お嬢さんや着物のイメージを表現する、ひとつの美術品のようなものです。
変わり結びがしやすいよう、近年では軽く柔らかい袋帯も使われます。
変わり結び・例2
◆振袖の変わり結び例
振袖(ふりそで)の種類や着用シー・結婚式参列の色について・まとめ
未婚女性の最高の装いの振袖。
振袖は日本で培われてきた染色や織り、装飾の技術の結晶です。
合わせるものはいずれも最高に豪華なものばかり、お嬢さんの美しさを際立たせます。
レンタルも充実しているので、機会を見つけてぜひ装ってみてくださいね。
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