つげ櫛は髪にやさしく、光沢が出る、静電気が発生しないなどで、利用する女性は多いと思います。
ただ、あまり見かけなくなってきたな、という印象もあります。
ここでは、日本女性が昔から使ってきた「つげ櫛」について深掘りしてみました。
まずはつげ櫛のよいところ、効果から見て行きましょう。
つげ櫛の効果って?
つげの櫛を使うことで髪にもたらされるいくつかの良い効果があります。
その主な効果をあげてみますね。
1. 静電気の抑制
つげの櫛は自然の木質でできているため、プラスチック製のブラシや櫛と比べて静電気が発生しにくいです。
そのため、髪がパサつきにくく、髪の絡みも減少します。
2. 皮脂の均一分布
つげの櫛を使用すると、頭皮から分泌される皮脂を髪全体に均一に分布させることができます。
これにより、髪が自然な潤いを保ちやすく、乾燥やダメージから守られます。
3. マッサージ効果
櫛の歯が頭皮を優しく刺激することで、頭皮の血行が促進されます。
これにより、髪の栄養供給が向上し、髪の健康維持に寄与します。
4. 優れた耐久性
つげの櫛は丈夫で、適切にお手入れをすれば長く使用することができます。
そのため短期間で交換する必要がなく、結果として髪と環境の両方に優しいと言えます。
5. 天然の光沢
つげの櫛で髪を梳かすことで、髪に自然な光沢が出ます。
繰り返し使用することで、髪が健康的な輝きを持続的に保つことができます。
6. 刺激が少ない
つげの櫛は滑らかなため、髪や頭皮を傷つけにくいです。
特に、ダメージヘアやデリケートな頭皮を持つ方に適しています。
こうしてみるとつげの櫛って、髪に本当にやさしいですね。
これらの効果を最大限に享受するためには、つげの櫛の選び方やお手入れ方法も重要です。
では次に、適切なケア、お手入れ方法を見てましょう。
基本的なお手入れ方法
つげの櫛は、適切なお手入れをすることで長く美しい状態を保つことができます。
ではつげの櫛のお手入れ方法について具体的にお伝えします。
1. 汚れを取り除く
櫛を使用するたびに、指や専用のクリーナーを使用して、髪の毛やホコリを取り除きます。
細かい部分は、古い歯ブラシなどを使って優しくブラッシングすると良いでしょう。
2. 水洗い
汚れが気になる場合や、定期的に清潔を保つために、水で洗っても良いです。
しかし、櫛を長時間水に浸けることは避け、すぐに水気を拭き取り、風通しの良い場所で十分に乾燥させてください。
3. 椿油でのお手入れ
ある程度の使用したら、椿油を少量つけた布で優しく拭いて光沢を保ちます。
椿油は、つげの櫛の表面を滑らかにするだけでなく、乾燥から守る効果もあります。
つげ櫛のお手入れに椿油がよいとされるわけは
椿油は、保湿力に優れており、ベタつかずに伸びが良い美容オイルです。
その特長は、人間の皮脂に近い成分を持つオレイン酸を約85%も豊富に含むことにあります。
このオレイン酸の高い含有率が、肌にしっかりとうるおいを与えてくれるのです。
椿油以外でのお手入れ方法
1. ジョジョバオイル(ホホバオイル)
椿油に似た性質を持つオイルで、つげの櫛のお手入れに適しています。
人間の皮脂に近く、酸化しにくいというジョジョバオイル(ホホバオイル)は、髪や肌にも優しいため、櫛の表面を滑らかに保ちつつ、髪にも良い効果をもたらします。
保存方法と修理
つげの櫛は湿度や直射日光に弱いため、使用しないときは風通しの良い場所で保存します。
また、櫛専用のケースや袋を使用して、ホコリや汚れから守るとよいでしょう。
万が一、つげの櫛が割れたり欠けたりした場合は、専門の修理店に相談することをおすすめします。
適切なお手入れを行うことで、つげの櫛は長く美しい状態を保つことができます。
つげ櫛の耐久性
つげの櫛の耐久性は非常に高いと言われています。
適切な手入れを行い、取り扱いに注意すれば、数十年にわたって使用することができることもあります。
一生ものとして大切にする価値はありますが、実際の耐久年数は、使用頻度やお手入れの方法、環境条件などによって変わってきます。
つげの櫛の歴史をひもとく
「つげの櫛」とは、日本の伝統的な美容アイテムで、長い歴史を持つものです。
つげの櫛の歴史は、平安時代にさかのぼるといわれています。
この時期、貴族や上流階級の女性たちの間で、長い髪を美しく整えるためのアイテムとして使用されていました。
つげの櫛は、その滑らかな質感と持続性から、長い間愛用され続けてきました。
つげ櫛の製造方法
つげの櫛は、主にツゲ(檀)の木を使用しています。
ツゲの木は日本や中国、韓国などの東アジアに自生している植物で、その堅さと耐久性から櫛の素材として非常に適しています。
製造工程は、まずツゲの木を乾燥させてから板状に切り、細工して形を整えます。
その後、熟練した職人が1本1本の歯を丁寧に削りだします。
この工程は非常に手間と時間がかかるため、高品質なつげの櫛建はそれだけ価値が高くなります。
つげ櫛の産地
つげの櫛の主要な産地は、日本の宮城県や岐阜県、愛知県などが挙げられます。
特に宮城県は、「伊達つげ」として知られる高品質なつげの櫛の産地として名高いです。
本物のよいつげ櫛を手に入れるには、老舗にあたってみるのがよいでしょう。
つげ櫛の老舗はどこ?
日本には、つげの櫛を製造・販売している老舗がいくつかあります。
その中でも特に知名度が高い店舗の一例を紹介します。
◆谷山つげ工芸:宮城県仙台市に本店を構える老舗で、「伊達つげ」の名で知られる高品質なつげの櫛を製造・販売しています。
◆今井つげ工芸:三重県伊賀市にある老舗で、高品質なつげの櫛を製造・販売している店として知られています。
◆櫛留商店:愛知県名古屋市にある老舗で、相撲、歌舞伎、日本髪、一般櫛等、日本の伝統の髪型をつげ櫛で支えています。
◆京都 十三や: 京都の老舗十三やでは公式オンラインショップもあります。
これらの店舗は、長い伝統と技術を背景に、最高品質のつげの櫛を販売しています。
つげの櫛の購入を検討する際は、これらの老舗などを参考にすると良いでしょう。
つげ櫛は美髪効果がある?お手入れ方法/椿油以外では/作り方や産地紹介・まとめ
つげの櫛は、その美しい光沢や、髪に優しい特性から、多くの人々に長く愛用されています。
現代でも、その伝統的な魅力は保たれていますから、髪をいたわりながら質感や光沢を楽しみながら、日々のケアをしていきたいですね。
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