◆黒いベルベットの和装コート
着物の防寒着として、別珍やベルベット素材のコートやショールは暖かでいですね。
でもお手入れが大変かも。。と、着るのをためらっているいる人があるかもしれません。
ここでは別珍とベルベットのお手入れについてお話ししますね。
まず、別珍とベルベットの違いから。
別珍とベルベット・何が違うの?
別珍とベルベットはとてもよく似ていますが、別のものです。
別珍とは
別珍はコットン100%のパイル(生地の片面、もしくは両面に「丸いループ状の糸」が織り出してある生地のこと)をカットして、表面を起毛させた綿織物です。
「別珍」は横糸でパイルをつくります。
◆赤い別珍の足袋
別珍の表面はぬくもりがあるので、秋冬のジャケットや和装の足袋などでよく使われます。
ベルベットとは
◆ワイン色のベルベットのショール
ベルベットは、シルク(絹)・レーヨン・アセテートなどが原料
で、縦糸でパイルをつくります。
パイルをカットして表面に房状のやわらかさや質感をだします。
ベルベット素材の特徴は上品な光沢感、柔らかくて肌触りがよいこと。
表面が起毛しているので保温性があります。
そのためカジュアルよりも、フォーマルなドレスやコートとして使われることが多いです。
ベロアとの違い
◆ベロア
ベロアは、柔らかくて豪華な感触が特徴の繊維素材です。
外見や触感がビロードに似ているため、しばしばビロードと混同されますが、製造方法と質感には差があります。
ビロードは織物であるのに対し、ベロアは主に編み物で作られ、弾力性があり、やや伸縮性があります。
これは、ベロアがカットパイル編みと呼ばれる技術で製造されるためで、この方法では繊維のループがカットされて柔らかい質感が生み出されます。
ベロアは綿、ポリエステル、またはこれらの混合から作られることが多く、衣服、カーテン、家具の張り地など、さまざまな用途に使用されます。
その柔らかさと豪華な外見から、服装のアクセントやインテリアデザインに人気があります。
また、比較的手入れがしやすく、耐久性があるため、日常使いにも適しています。
別珍・ベルベットの手入れ方法
どちらも表面が起毛しているデリケートな素材です。
共通のお手入れについてまずお話しします。
長く座るなどで光沢や起毛がなくなったとき
◆洋服用ブラシ(馬毛)
長く座る、長期の保管などで、毛が寝てしまい光沢がなくなった場合は、
柔らかいブラシで毛羽を整えましょう。
豚毛や馬毛を利用した天然ブラシで毛並みにそってブラシをかけます。
雨に濡れた場合
雨に濡れた場合は、乾いた布で軽くたたいて起毛させておきましょう。
ほこりやゴミがついた場合
別珍もベルベットもほこりやゴミが付きやすいですね。
起毛しているので静電気をおびやすく、そのためホコリやゴミが付きやすいです。
また起毛した表面にほこりやゴミがひっかかりやすいということも考えられます。
共通しておすすめの方法は、
- 洋服用のブラシをかける、です
起毛に絡まったほこりやゴミを洋服ブラシでかき出し
ます。
同時に起毛を整えることにもなるので仕上がりがきれい。
ブラシは上から下にかけるのが基本で、ハンガーなどに吊るしやさしく行ってください。
豚毛や馬毛を利用した天然ブラシがおすすめ。
別珍のほこりやゴミをとる方法
ベルベットにはおすすめできませんが、別珍にはこんな方法もよいですよ。
- 粘着ローラーまたはガムテープを使用
- 食器用のスポンジでこする
粘着ローラーまたはガムテープを使用するのは、よく使われる方法と思います。
粘着ローラー(粘着テープ)またはガムテープで別珍素材の服のほこりやゴミがよく取れます。
ただし素材の起毛も一緒に取れてしまうこともあるので、何度も繰り返し行わない方が良いです。
大切にしている服にはおすすめしません。
食器用のスポンジでこするのは、別珍素材のもののみ!試してみてください。
食器用スポンジの荒い方(ガサガサしている方)で、別珍素材のほこりやゴミが気になるところを優しくこすります。
ブラシがないときは、ブラシより時間がかかるものの食器用スポンジが効果があります。
あらかじめほこりやゴミがつかないよう予防する
いったんきれいにしたら、予防を考えてみましょう。
予防法としては、
- 静電気防止スプレーを使用してほこりやゴミがつかようにしておく
ことができます。
静電気防止スプレーは。ほかの洋服にも利用でき、パチパチが気になる人向きです。
別珍・ベルベットのお洗濯の注意点
◆ほこり取り 天然ブラシ
お洗濯は洗濯表示を確認して、できる場合のみ行ってください。
最初に全体のほこりをとってからお洗濯を。
洗濯機で洗う時の注意点
洗濯機の中はのぞけませんが、洗濯中は衣類どうし「引っかかる」、「こすれる」ということがあります。
日用品は多少のことはよいですが、引っかかったりこすれることで、衣類が傷みます。
そのため大切な衣類などは必ず洗濯ネットに入れるようにしてください。
また水量が少ないと洗濯物同士の摩擦が多くなるので、水は多めが安心。
次に柔軟剤を入れる場合は必ず適量を守ってください。
乾燥については、しっかりと乾燥を。
別珍やベルベットの特徴である「パイル」は、
吸水性に優れている素材なので、十分乾燥させないと臭いの原因となることもあります。
保管は湿気のないところで。
別珍・ベルベットのアイロンの当て方
いずれも直接アイロンを当てると起毛が倒れてしまい、高級感がなくなってしまいます。
起毛の乱れを直したい時は、気になる部分の裏側からアイロンをあてます。
裏側からスチームアイロンを2~3センチ離して使うことで、寝てしまった起毛を立ち上がらせることができます。
シワだけを取りたい時も、ハンガーなどに吊るしてスチームアイロンを2~3センチはなしてあてると取れます。
スチームアイロンがない時は、入浴後のお風呂場に一晩吊るしても効果があります。
ただし水にぬれないように注意してくださいね。
完全に乾いた後ブラッシングすると、きれいな仕上がりになります。
別珍は木綿の素材なので、ちょっとのシワであれば「シワ伸ばしスプレー」を使うのもありです。
シワが目立つところにしみるくらいスプレーし、シワを中心に縦・横・斜めと生地を伸ばします。
しばらく吊るしておけばシワは取れます。
別珍やベルベットのコートやショール/ほこりの取り方シワの伸ばし方・まとめ
着物のときの防寒着で、別珍やベルベット素材のコートやショールのお手入れをまとめました。
ほこりやゴミをとるのは、洋服用ブラシをやさしくかけるのがおすすめ。
静電気そのものをおさえる効果もあるようです。
お洗濯は必ず洗濯表示を確認してからにしてください。
洗えるものでも、摩擦を避けしっかりと乾燥させて保管しましょう。
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