秋が深まり寒さを感じるようになったら、最初の防寒はまず「羽織」。
羽織を着るのは、紅葉の頃から桜が咲く頃まで。
さらに寒さが厳しくなれば、羽織の上からショールやコートを着用してください。
ここでは羽織の種類や着方について詳しくお伝えします。
羽織の種類について
羽織は丈の長さによって何種類かあり、呼び名も変わります。
- 「本羽織」
- 「長羽織」
- 「中羽織」
- 「茶羽織」
と呼び分けています。
好みや目的に合わせて選びます。
それぞれの特徴を説明しますね。
「本羽織」とは
「本羽織」とは、本来は着物の格をあげるために着るものです。
- 黒一色で染めたものを「黒紋付羽織」
- 一色で染めたものを「色無地紋付羽織」
- 絵羽模様で柄を華やかに施したものを「本羽織」
と呼んでいます。
既婚女性のが着るもので、黒紋付や色無地紋付は、結婚式はじめ格式のある行事のときに。
絵羽模様の柄の羽織は、観劇やお正月などのよそ行き用に。
「長羽織」とは
膝より下まで丈がある羽織を、「長羽織」と呼んでいます。
おしゃれ用の着物に羽織るものです。
絵羽模様に近い背模様・ワンポイント模様・無地が主流。
「中羽織」とは
◆中羽織の例
「中羽織」といえば羽織の代名詞のようなもので、羽織といえばまず中羽織のことを指します。
中羽織の特徴は、
- 丈は膝上まで
- 袖の部分にマチが付いている
一般的な外出用の羽織です。
着物の柄をそこなわないような、落ち着いた柄付けのものが主流です。
◆中羽織の例
「茶羽織」とは
最後に茶羽織について。
茶羽織は中羽織と同じ見た目ですが、裾が短くマチが無いものが茶羽織です。
茶羽織は家庭内で防寒を目的として着用するものです。
そのため地味な色で仕立てられているものがほとんどです。
現代では旅館の浴衣の上に着るものとして定着しています。
羽織の着用方法
羽織は洋服でいうと、ジャケットやカーディガンと同じ扱いの衣類です。
そのため防寒用ではありますが、室内で脱ぐ必要はありません。
いすや座布団に座るときは、裾をはねてお尻にしかないように着席します。
衿は後ろを半分に折る
羽織の衿は、肩から後ろを半分の幅に折って着用します。
羽織は防寒用としてだけでなく、
装いに変化をつけるため、また室内での温度調節にも適しています。
羽織の袖幅と袖丈について
羽織の袖幅(手首までの長さ)は、着物の袖の幅より1~2センチ長く仕立て、着物の袖が見えないようにします。
また羽織の袖丈(たもとの底までの長さ)は、着物の袖の丈より1~2センチ短く仕立て、着物の袖が落ち着くようにします。
羽織を仕立てる生地について
羽織の仕立ては本来「羽尺」という「羽織に適した長さの反物」で仕立てます。
ただ現代では羽織を仕立てる人が減り、「羽尺」の生産量も減っています。
そこで羽織を仕立てるにあたっては、着物用の反物(着尺といいます)から仕立てることが多くなりました。
羽織(はおり)はいつ着る?種類と着方紹介(室内・椅子にすわるとき)・まとめ
羽織は紅葉のころから桜が咲くころまでが着用の目安。
最もポピュラーな羽織は「中羽織」で膝上丈の羽織。
ひざ丈より長い「長羽織」はエレガントな印象に。
室内で脱ぐ必要はなく、座るときは裾をはねます。
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