冬に着る着物のコート(和装のコート)は、冬の始まりからの防寒着です。
着る目安は洋服のコートの期間と同じです。
ここでは着物コートの種類や衿のデザイン、丈の違いなどについてお話します。
着物用コートの種類
◆着物コート
着物用のコートは羽織と違い、前に打ち合わせる部分があります。
ミシンで仕立てるのも特徴です。
従来の着物用のコートは、衿以外の形がほぼ同じです。
そこで、個性的に装うには、衿を好みの形にして仕立てます。
衿の形状がいくつもあり、それによって名称が違います。
最初に代表的な二種類のコートを紹介します。
着物コートの代表 道行(みちゆき)コート
◆道行コート
着物用コートの中で最も多く利用されているのが「道行コート」で、
道行コートの特徴は、衿が四角い額縁のような形状をしています。
この形状の衿を「道行衿」といいます。
打ち合わせのところにポケットがあります。
着物コートの代表 道中着(どうちゅうぎ)
◆道中着
着物の衿と同じ形状
で、ひもで前を留めるのが「道中着」です。
この形状の衿を「道中衿」といいます。
これはひもで身幅を調整できるので、体型の変化があっても対応できます。
そのほかの着物コート
そのほかにも着物用のコートは、衿の種類によっていくつかあります。
- 「千代田衿」
- 「へちま衿」
- 「都衿」
- 「被布衿」
- 「広衿」
という種類のコートがあります。
珍しいところでは、
- 「大正衿」
- 「扇衿」
- 「木瓜衿」
- 「雲井衿」
- 「三日月衿」
というコートもあります。
現代ではあまり仕立てことがなくなりましたが、コートの衿でのおしゃれで、
一味違うおしゃれを楽しんでくださね。
現代人気の着物用コート
今は着物のコートといっても、これまでの和装コートだけというわけではありません。
防寒に適した、洋服生地の厚みのある生地が寒さ対策に向いています。
現代人気の着物コートは、着物の袖がすっぽりとおさまるゆったりした袖で、洋服にも兼用できるコートだと思います。
丈の違いで変化とおしゃれを
◆道中着
コートの丈の違いで、見た目の印象がかわります。
お好みの丈で仕立ててください。
短いものから紹介します。
6分丈コート
一番短いのは「半コート」又は「6分丈コート」と呼ばれる丈です。
着丈(長じゅばんの長さ)の6割ほどの長さで仕立てられます。
街着用、普段用に用いられ、着物の裾が45~50センチくらい見える長さです。
7分丈コート
「7分丈コート」は着丈の7割くらいの長さで仕立てられる丈です。
礼装用や背の高い方に向く丈です。
6分丈では短いなと感じるときの防寒用の長さです。
膝くらいまでの長さになり、6分丈コートより落ち着いた印象になります。
8分丈コート
◆羽織・丈の参考に
「8分丈コート」は着丈の8割くらいの長さのコートです。
膝頭がかくれるくらいの丈です。
礼装用や長コート(着物とおなじくらいの丈のコート)では長すぎるというときの防寒用です。
着物の裾が20~25センチ見える程度の長さになり、
フォーマルな印象になるコートです。
9分丈コート
「9分丈コート」は着丈の9割くらいの長さのコートです。
ふくらはぎくらいまでの丈です。
8分丈コートと同じ目的で、着物の裾が10センチほど見える程度の長さで、
フォーマル度の強いコートです。
長コート=対丈コート
「長コート」=「対丈コート」は着丈に1~2センチ足した寸法で仕立てたコートです。
着物用コートの丈の決め方
コートの丈は、自分に最適なコート丈にします。
そのためには、着物を着て帯を通常通り締めた状態で長さを決めます。
コートの裏地に凝ることも
◆裏の生地をおしゃれに
羽織ほどではないですが、シンプルになりがちなコートには、
裏地にかわいらしいさ、おしゃれな色を選ぶ人ももあります。
着物コート/衿のデザインや丈の違い/装いアップのコートの知識・まとめ
冬の着物コートの代表は「道行コート」と「道中着」。
昔からの着物用コートは、衿の様々な形でおしゃれを楽しんでいました。
前で打ち合わせるタイプは、体型の変化に対応しやすいです。
着物コートの丈を決めるときは、必ず帯をいつものように締めた姿で測りましょう。
着物コートの丈は、防寒やフォーマル度 によって決めましょう。
<関連ページ紹介>
◆羽織と着物コートの違いは?着る場面・注意すること
◆羽織や着物コートの衿は折る?折らない?着こなし方紹介!
◆着物のときの防寒ショールとは・ショール、ストールの巻き方、羽織り方
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