講座「着物着付け上級までの道のり」の9ページ目です。
ここでは名古屋帯でお太鼓を結ぶときの
- 体型別似合うお太鼓の形
- 「帯締め」「帯揚げ」の知識と結び方
についてお伝えします。
女性の着物姿は「帯の顔」ともいえる後ろ姿がとても目を引きますね。
着物姿の人とすれ違うと、ステキだったなぁと振り向いた視線に、帯の模様や形が印象に残ります。
そこで太鼓の形にも配慮して、自分にあったお太鼓の形でいっそうエレガントに着こなしていただきたいと思います。
まずは似合う好みのお太鼓の形を見つけて、練習してみてくださいね。
あなたに似合うお太鼓の形と印象
同じお太鼓結びといっても、大きさや膨らみ方によって少しずつ印象が違います。
基本的には
- 長身の方はおおぶりに作り
- 小柄な方はこぶりに作る
とバランスがよいです。
おおまかに以下の三つの体型で分けてお話します。
- 小柄でかわいらしい体型の方
- 大柄でやせている体型の方
- 中肉中背の方
1・小柄でかわいらしい体型の方
2・大柄でやせている体型の方
3・中肉中背の方
中肉中背の方は、基本は一般的な形で作るかわいらしい印象にしたいときは小ぶりなお太鼓も合う
年齢によって考慮したいこと
20代30代の若い世代は、勢いや若々しさがあるので、大きめのお太鼓も似合います。
ご高齢でほっそりした方は、お太鼓は小ぶりにした方が似合います。
帯揚げ・帯締めの知識と結び方
帯揚げの基礎知識
「帯揚げ」は、縮緬・綸子(りんず)・絞りといった種類があります。
基本としておさえておきたいことは以下のことです。
- 白または白に近い薄い色のものは礼装向き
- 全面に絞りが施してあるもの以外は普段用に使える
- 夏は夏用の帯揚げをする
帯締めの基礎知識
帯締めの形で区別すると、以下のような分け方になります。
- 平組(平に組んである)
- 丸組(丸く組んである)
- 丸ぐけ(丸くくけてある)
着付けの練習の際は、最初は丸いタイプの帯締めの方が扱いやすいでしょう。
白や金銀糸を交えて組まれたものは礼装向きです。
穂先の向きは気をつけて
結んだあとの端は、通常は穂先が上にむくようにします(両端とも上向きか、片方だけ下向きもOK)。
弔事のときだけは端を両方とも下に向けます。
帯締めの種類と詳細解説はこちらにまとめたので、参考にしてください⇒「帯締めとは、種類と具体的な見本を画像で紹介します」
丸ぐけひもの豆知識
現代は「平組み」も「丸組み」も、両方ともが一般的に用いられています。
しかし大正時代まではもっぱら「丸ぐけひも」が用いられていました。
当時はまだ「組みひも」があまり普及していなかったためです。
そのため一般家庭では、綿を入れた布の帯締めを作って利用していました。
帯締めと帯揚げの結び方(本結び・絞り結び)
「帯揚げ」は「本結び」と「絞り結び」があり、どちらで結んでもよいです。
若い方なら本結びをして、たっぷりと帯揚げを飾ると華やかさがでていいですよ。
詳しい写真つきの解説はこちらです⇒「帯締めと帯揚げの結び方(本結び・絞り結び)を詳しく解説しました」
帯枕を変えて理想のお太鼓を
お太鼓に欠かせない「帯枕」ですが、いくつか種類があります。
大きく分けると、振り袖用とお太鼓用です。
お太鼓用でも大きさや丸みに違いがあり、山の形やふくらみが変わってきます。
好みのお太鼓にするには、帯枕についても一度考えてみてくださいね。
帯枕の詳しくはこちらで解説しています⇒「帯枕とは・役割や選び方/お太鼓がうまくできないときの解決法も」
帯枕は背にフィットしやすいよう、柔らかめのものがおすすめです。
では次の講座は「着物の着方」になります。
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