講座「着物着付け上級までの道のり」6ページ目です。
ここでは着物のときの履物の「草履」と「下駄」について詳しくお伝えします。
現代では、外出用としては、ほとんどの人が草履(ぞうり)をはいています。
下駄は浴衣のときに合わせるくらいで、ほかは普段着物で暮らしている人がはいています。
- 草履の種類
- 歩き方
- 雨天の草履
- 初めての草履の選び方
- 下駄紹介
- 雨天のときは爪皮をつける
- 初心者向きの下駄
の順にお伝えします。
着物のときの履物「草履」
着物で外出のとき、ほとんどの人は「草履」をはきます。
草履は、底が平らな履き物で、エナメル・畳表・布・蛇皮など、さまざまな素材があります。
着物との調和を考えながら選びます。
草履の種類、礼装用とそれ以外
草履は、礼装用かそうでないかで、大きく二つに分かれます。
- 礼装用は、かかとが高く、牛革・佐賀錦・畳表・エナメルなどで作られている
- それ以外であれば、かかとは低めで、金銀の華やかなものでなければ好みで選んでよい
草履のはき方と歩き方
草履の大きさは、かかとが少しはみ出すくらいの大きさのものにします。
草履は底が平らなため、何気なく歩くとべたっべたっと音をたてることがあります。
そうならないよう、前つぼのところを親指と人差し指に力を入れてはさみ、足裏にぴったりつくように歩きます。
すると引きずったり音をたてることなく歩けます。
かかとが少しはみ出すことで、すべらかに足を着地させることができ、音がしにくくなります。
雨の日の草履
雨のときの草履は、「雨天用草履」があります。
◆雨天用の草履
「雨天用草履」は、草履の素材が雨に強く、前方がビニールで被われています。
出かける機会が増えてきたら、ひとつ用意しておくといいですね。
また軽い雨には、「草履にかぶせるだけの透明のビニール」を利用します。
これは、ほんの一時雨の中を歩くとき、あるいは道中雨が降りそうな時の携帯用です。
雨天用の草履は、雨が侵入しないようにしてあるので、底に鼻緒を調整できる穴がないです。
また安価な草履の中にも、同じく鼻緒調整する穴がないものもあります。
そのため足のサイズに合っていることを確認の上購入してくださいね。
初めての草履選び
最初にあまりに個性的な草履を選ぶと、他の着物に対応できなくなります。
そこで、いくつかの着物に合わせやすい草履を選ぶのが賢明です。
最初は無難な色目で形も一般的な小判型のものがよいです。
- かかとが4センチ程度、茶色かえんじ色の草履
- 形は一般的な小判型
これなら普段着物からおしゃれ着物まで、合わせやすいです。
着物を着てのお出かけは、最初のうちは、身支度で精一杯かもしれません。
「出かける前に疲れてしまう」ということのないよう、足元は無難なところで手をうっておくのがよいと思います。
着物のときの履物「下駄」
◆二本歯の下駄
下駄は木製で歯がついています。
着物で暮らしていたころは、日常に誰もが用いていた履き物です。
下駄といえば二本歯のものでしたが、今では草履のような平らな底をしているタイプの下駄も登場しています。
草履のような底をしている下駄は、歩きやすさを優先した形状です。
最近では、サンダルのような下駄も若い女性に人気があります。
滑り止めのゴムが底に貼ってあるものは、舗装した道でも歩きやすいです。
下駄は雨天時も同じものを使用できる
二本歯の下駄は木製なので、雨の日にも利用します。
雨の中を歩くには、下駄の前に「つまかわ(爪皮)」と呼ばれる、ゴムつきのカバーを掛けるだけで「雨下駄」になります。
「つまかわ(爪皮)」はカラフルなものがありますから、取り換えて足元のおしゃれを楽しむこともできます。
家に戻ったら、濡れた下駄と爪皮の滴をふいて、良く乾かしておきます。
初心者は底が平な下駄がおすすめ
二本歯の下駄は慣れないと、とても歩きにくく疲れます。
歩く姿もぎこちなかったりします。
長時間はくのであれば、初心者は底が平らなタイプを選ぶ方が良いでしょう。
自分の足に合わせて鼻緒をすげるがベスト
足の形はみなそれぞれ違いがあるので、既製品では合わないこともあります。
一番よいのは、台と鼻緒を選んで、自分の足に合うよう調整してすげてもらうのがよいですね。
草履も下駄も、調整だけ別途頼むこともできます。
そでれは次回の講座は「半幅帯結び」についてです。
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