講座「着物着付け上級までの道のり」の8ページ目です。
ここでは「名古屋帯についての詳しい説明」と、「名古屋帯でお太鼓が結べるようになる」のを目的にお伝えします。
- 名古屋帯の形状
- 各部位の名称
- いわれ
- 種類
- 柄つけによる呼び方
- お太鼓の結び方
を紹介します。
名古屋帯の形状・詳細説明
着物姿の女性を街で見かけると、たいてい「お太鼓結び」をしています。
このお太鼓結びをする帯が、「名古屋帯」です。
「名古屋帯」は、胴に巻く部分はお太鼓の幅の半分で、約15センチの幅です。
胴に2回巻いてから、「太鼓枕(たいこまくら)」と呼ばれる枕でお太鼓の形をつくります。
名古屋帯の各部位の名称
名古屋帯の部位ごとの名称をまず見てみましょう。
名古屋帯の各部位の名称で覚えたいのがこの三か所。
- 巻き始める方の「て先」
- 背中で柄をみせるところの「お太鼓」
- お太鼓の先のところの「たれ先」
胴に巻くところは「胴帯」と呼びます。
名古屋帯のいわれ
名古屋帯は、名古屋市にある女学校の先生が考案したことで「名古屋帯」と名称され、広く全国に広まりました。
名古屋帯が考案されるまでは、胴に巻く部分を半分に仕立ててある形の帯はなかったのです。
この名古屋帯の形状が考案されたことで、お太鼓結びをする時間が短縮され、従来の帯より生地が少なくて済むように。
その斬新で合理的なことから、名古屋帯の利用が急速に広まっていったそうです。
名古屋帯が考案されたのは大正7~8年ごろのことで、考案者は越原春子さんです。
名古屋帯の種類
名古屋帯は、お太鼓結びをするとみな同じ形にできあがるのですが、仕立て方はいくつかあります。
仕立て方の違いによる四種類を紹介します。
一般的な名古屋帯
手先から胴に巻く部分を、お太鼓の半分の幅に仕立て済みのものです。
お太鼓に芯がはいっているので、胴に巻きつけやすくお太鼓を形成しやすいです。
袋名古屋帯
お太鼓部分が袋状になっているもので、厚手の帯用の生地でできています。
カジュアルなおしゃれ用です。
額縁仕立ての名古屋帯
生地の裏に、芯か厚手の木綿生地が取り付けてあります。
締めるときに折って胴に巻きます。
胴の幅を好みの幅にできるので、背の高い人が幅を出して使うのに適しています。
新名古屋帯
名古屋帯の仲間にはその他に、「新名古屋帯」と呼ばれるものがあります。
新名古屋帯は、表裏が別布で帯の長さが名古屋帯と同じです。
胴に巻く部分も同じ幅のままです。
新名古屋帯は、「昼夜帯」や「京袋帯」とも呼ばれることがあります。
表も裏も両方使えるもの(今でいうリバーシブル)、また表は表、裏は裏として使用するものもあります。
新名古屋帯は、やや厚手の生地で芯はなく、普段着~おしゃれ着として着まわせる色柄の生地が多いです。
柄の位置による名古屋帯の呼び方
お太鼓を結ぶための名古屋帯は、柄のつき方によって呼び分けています。
- 帯全部に柄のあるタイプを、「全通柄の名古屋帯」
- 六割くらいに柄のあるタイプを「六通柄の名古屋帯」
- お太鼓と前の胴帯部分のみに柄のあるのを、「お太鼓柄の名古屋帯」または「ポイント柄の名古屋帯」
と呼び分けます。
価格的には、柄の多いものの方が比較的高価なようです。
名古屋帯は利用範囲が広い
名古屋帯は、材質・色柄が豊富です。
普段着に向く名古屋帯から準礼装に向くものまで、さまざまあります。
これから着つけのお稽古用にするなら、「袋名古屋帯」が扱いやすいでしょう。
ただし、あまり柔らかいものは結びにくいです。
名古屋帯でお太鼓を結ぶ・結び方
それでは着物を着て、お太鼓を結んでみましょう。
お太鼓を結んで着物姿を完成させるには、「帯締め」「帯揚げ」「帯枕」「帯板」が必要です。
結んであげている様子で、写真つきでの解説です⇒「お太鼓(名古屋帯)の結び方を詳しく解説しました」
そのほか、お太鼓の着物姿になるのに必要なものをすべて並べてみました。
どんなものが必要かみておいてくださいね。⇒「着物のとき必要なもの・準備するものを全部紹介します(お太鼓結びの場合)」
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