講座「着物着付け上級までの道のり」の4ページ目です。
ここでは長じゅばんをすっきり着る方法と、長じゅばんの仕立て方をお伝えします。
長じゅばんがきちんと着られると、着物がとても着付けやすくなります。
外からは見えないところえすが、コツをつかめば大丈夫。
講座の後半で、「長じゅばんの仕立て方二種類」を紹介しますね。
長じゅばんはだぶつかせずすっきり着る
では長じゅばんを着る練習です。
先に下着と足袋をつけ、長い髪はアップにしておきましょう。
目指すのは、だぶつきのない体にぴったりと添った着方です。
長じゅばんの着方
長じゅばんはこの手順で着ていきます。
- 長じゅばんの袖に手を通し、一方の手で衿の先を左右揃えて前にひく(長じゅばんの背中を身体にぴったり合わせる)
- もう一方の手で背中の中心を持って下に引き、えもんを抜く(衿の後ろが首から5~6センチ離れるように)
- 左右の手でそれぞれの衿を持ち、右手の衿から先にあわせる
- のどのくぼみより1センチくらい下を目安に衿をあわせる
- 腰と胸の間で紐を締める(中心を体の前にあてて後ろで交差し前にもってくる)
- ひもを締める位置は、前中心より少し脇のところで、二度掛けして交差し端を挟み込む
- 前身ごろと後ろ身ごろのしわをとる(脇に引き寄せたり紐の下に引く)
- 長じゅばんが身体にぴったりとフィットしているのを確認して、だて締めをその上に締める(ひもとおなじ締め方)
しわをとるために引っ張りすぎると、えもんがつまったり、衿の合わせがずれるので注意してください。
ウエストの細い方は補正を
◆おくみのあるバチ衿の長じゅばん(夏物)
ウエストの細い方は、あらかじめフェイスタオルをウエストに巻いて補正しておきます。
伊達締めの代わりに「補正用胴帯」(タオルと腰ひもで作成)を利用してもOKです。
補正用胴帯は、長じゅばんの滑りをなくし、さらに補正も兼ねるので便利です。
補正用胴帯については、ここを参照してください⇒「補正用タオル胴帯の作り方詳細解説です」
長じゅばんの着付けに慣れたら紐を減らす
長じゅばんを着用するにあたり、腰ひも一本と伊達締め一本を締めるのが一般的です。
ですが慣れてきたら、腰ひもを使わず伊達締めだけにして着付けてみましょう。
紐は少ないほど体への負担は減ります。
長じゅばんの形、二種類
◆広衿でおくみのある長じゅばん
後半は長じゅばんの形についてお話します。
長じゅばんの形には二種類あります。
- 「おくみ」ありで打ち合わせがゆったりした長じゅばん
- 「おくみ」がなく打ち合わせが狭い長じゅばん
- 裏地のありなしがある
- 袖は「ひとえ」と「無双」(生地が二重)がある
- 「ばち衿」か「広衿」の二種類
- 上等な着物用には、裾が着物の裾線に近くなるようにする
- 座る動作が多いなら「いしきあて」を付けてもよい
- 袖の幅は着物より0.5~1センチ短め
- 袖の長さは同寸か1センチ長めがよい
個人的には、打ち合わせが多い方が着心地がいいと思います。
仕立てを依頼するときの要素
長じゅばんを仕立てるとき知っておきたいことを並べます。
実際に仕立てるときは季節や目的できめる
長じゅばんを仕立てるときは、着る季節や目的をはっきり伝えることで、どんな形・素材・仕立て方かが決まります。
袖の長さなど、細部にこだわりがあればきちんと伝えておいた方がよいです。
カジュアル着物なら半じゅばんでも
前回の講座で、長じゅばんには「半じゅばん」と「裾除け」の組み合わせもあるといいました。
「半じゅばん」と「裾除け」のセットは、既製品もあり洗いやすいのが特徴です。
おしゃれ着として着物を着るなら、このタイプでもOKです。
では、次回の講座は「足袋(たび)」についてです。
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