「京都で磨くゆかた美人」の2回目は「すっきり見える浴衣の着付け」です。
1回目で「大人カワイイ」浴衣と帯を選んだ夏川純さんが、すっきり見える浴衣着付けを習う場面です。
案内役は、服部有樹子さん(着物学院副院長)です。
着物とはちょっと違う、ゆかたならではの着付けのコツ、知っているといないでは、見栄えも違ってくるはずです。
きちんとマスターしておきたい内容ですよ!
「すっきりして素敵ね」とおもわれるために
ゆかたを着たら「すっきりして素敵ね」といわれるのが最高の褒め言葉かもしれません。
キレイだけど暑苦しそうではいけないわけです。
今までの自分の方法とも照らし合わせて・・・見ていきましょう。
まずは下着、汗を吸い取る効果がある和装用の肌着をつけます。
次に補正をします。(着くずれ防止、シワ予防のため)
補正の方法は、タオルを半分に折って腰紐をはさんでおいたものを、ウエストのくびれにあてます。
紐を後ろで交差させて、少しさげて前に回し、2度からげて交差しはさむ。
背の低い人はタオルの幅をカットして使用するとよいとのこと。
胸の補正は、ボリュームのある人は、タオルを二分の一にして切り込みをいれ、一方にVの切り込みを入れて、そちらを背中にしてかぶります。
前の部分は折りこんで、できるだけ首の付け根の方に置きます。
「肩の外の方に置くといかり肩になる」ので注意しましょう。
その後、胴に巻いたタオルの下から、胸のタオルをひっぱり整えてシワをのばしておきます。
ゆかたの表面にひびかないタオルを使用します。
バストの大きい人は、バストができるだけ平面になるようにした方が、浴衣姿がきれいになりますから、この補正は簡単にできて優れものです。
該当の方は作っておかれるといいですね。
このタオル補正は頭からかぶるので、髪をセットする前に忘れずに。
では胸の小さい人はどうするか・・・ですが、胸補正用のタオルを厚いものにしてください。
そのあとでウエストの補正をしてください。
胸の補正をすることで、汗をとって見た目もしわなくすっきりとした姿になれます。
ということは、「スタイルがよく見える」という利点があります。
バストはできるだけ鳩胸っぽくなった方が、ゆかたが映えるんですよね。
ゆかたの名称がわからないから覚えてからというのでなく、着付けを練習しながら覚えていけばいいですよ。
補正のあとは、着付けです。
着付け方は、最初に下半身を整えます。
ゆかたを羽織ったら、掛け衿を正面で合わせて、背中心を合わせます。
(ゆかたは左右対称になっているので、掛け衿の位置を左右合わせると、背中の縫い目が背中の中心にきます。どちらかの指で背中の線を確認してもいいですよ)
手をチョキの形にして衿からおろして衿をもちあげ、くるぶしが少しかくれるくらいに「すそ丈」をあわせます。
脇の線をあわせて上前の腰骨で、上前(左手に持っている方)をあわせます。
下前(右手にもっている方)は裾線から6~7センチあげて、巻き込まないようにします。
上前を少しあげて、下前のおなか付近のシワをとりながら、上前をあわせます。
腰紐の中心を体の前にあてて、背中で人指し指をいれてシワをとりながら、交差させて前で2回からげて紐の先をできるだけ先の方で挟みます。
こうすることでおなかがすっきりします。
(腰ひもはぎゅーっと力を入れて締めてください。腰骨の数センチ上あたりです)
身やつ口から手をいれて、手刀でおはしょりをトントンとします。
次に肩から胸に補正をします。(またタオルを利用しますよ)
タオルを三つ折りにして首の近くに置き、折り返したところは胸タオルの中にいれて、手でおさえて空気を抜きます。
こうしてポイントを上にもってくることで、足長にまた華やかに見える効果があります!
この補正は全員おこなってください!
(上半身が貧相だと、せっかくの浴衣も安物に見えてしまいますしね)
その後、掛け衿を合わせて背中心を確認して、背中をもって引き、衣紋をこぶしひとつ分くらい抜きます。
(衣紋を大きく抜くと涼しそうでいいかも?と思えますが、浴衣の場合は控えめに抜く方がよいと思います)
身やつ口から左手をいれ、右手でなで下前を整え、下前のおはしょりを折り、折りあげた分は脇のウエストのくびれに流すようにします。
これもすっきり着つけるポイントです、おはしょりがすっきりします。
上前を合わせて、掛け衿が同じ位置にあるのを確認します。(これはとても大事なので忘れないでください)
衿合わせがのどのくぼみにきます。
アンダーバストでひもをし、前は少しずらすようにします。
そして背中のシワをとり、脇のだぶつきがあれば、紐の下へ生地を引きます。
脇の処理は、後ろ身頃を前にかぶせ、前身頃を後ろにかぶせます。
そして紐の下へ引っ張ります。
伊達締めは身やつ口のすぐ下にあて、脇がずれないように後ろで交差させて、前で2度からげて交差させてはさみます。
おはしょりの長さをととのえます。
左腰骨のあたりから、軽く右あがりに。
おくみ線をあわせます。
後ろのおはしょりを整えて、脇で前のおはしょりにかぶせるようにします。
帯板で押さえて、ゆかたの着付けが完了です。
すっきりした着付けのためには、おはしょりをすっきりさせること、補正をしっかりしておくことがとても重要です。
見た目重視の着方なので暑苦しいという感想を持たれるかもしれませんね。
暑いさなかに、こんなにタオルをつけるなんて!っと抵抗があるかもしれません。
でもタオルって、補正は汗取りがひとつの役目にもなっているんですよ。
タオルをウエストや胸にすることで、顔や背中にかく汗が極端に減るはずですよ。
汗を顔にかかないと、見た目すずしげになると思います。
その点からも、補正はパットなどよりタオルがおすすめです。
面倒なら市販の補正パットも便利商品ですのでいいものですが、ゆかたのときは吸湿性のよいものを選んでくださいね。
補正に抵抗がある人も、最低ウエストの補正はおこなってくださいね。
(ウエストサイズがバストサイズとさして変わらないという全体にボリュームのある方は、ウエスト補正の必要がないですが)
ゆかたの帯結びの仕方
番組では、半幅帯での文庫結びを解説していました。
半幅帯という帯は、幅15~17センチで3メートル数十センチの長さのある帯です。
通常の半分の幅ということで、半幅帯といわれています。
(写真はウール着物に半幅帯で文庫を結んでいます)
巻きはじめの「手」を、後ろの腰骨のところからはじめて、巻き始めを脇で帯を押さえて、2巻きします。
前で「手」をおろして、帯の下をもって締めます。
次に「手」を4割折って表に折り返してからむすびます。
帯の上線にくるところで結び、手を右肩にあずけて、たれの元を逆方向に開きます。
(こうしておくと結び目がゆるみにくいです)
羽根の長さは肩幅+握りこぶし2つ分とします。
羽根の中央を結び目の上にして、半分にし、折り返して山折りひだを二つにします。
手を下ろして羽根の中央を巻き、一度引き締めます。
シワをのばしながらもうひと巻きし、
胴帯のひと巻きめと板の間にいれます。
(少し遠いところからいれると、やりやすいですよ)
帯下から手をさしいれて、その手先を引きます。
羽根の形を整えます。
帯板に手をあてて、時計周りに後ろへ回します。
後ろに回ったら手先を開いて、内側へクルクルとまいて胴帯の中に始末します。
以上が文庫結び、服部有樹子さんの指導法です。
この結びのポイントの説明として、
・手先の幅は広く取らない。
(広くとると羽根の間が広がり腰が広く見えてしまうから)
・羽根の下は胴帯の少し上までとする。
(それ以上下にすると足が短く見えてしまう)
・胴の前は下線が締まり上がゆるめになるように巻く。
私が教室でお教えしているのとほぼ同じ方法だわ、と再確認しました。
この文庫結びがきちんとできるようになると、他の帯結びもどんどんできるようになります。
帯結びの基本がすべてはいっている帯結びです。
羽根の大きさを変えることで雰囲気はかわりますが、羽根の下が胴帯の下にはならない方がすっきりした後ろ姿になります。
生徒役のタレントの夏川純さんの姿は、ブルーのゆかたにピンクの帯。
このコーディネートもとってもお似合いでした、何を着てもきっと可愛らしいのでしょうね。
ゆかたの帯結びで、文庫結びよりも簡単にできるものを紹介しています。
もうひとつ帯結びのバリエーションが欲しいときにどうぞ。
↓↓
◆浴衣の帯の結び方・簡単結びをマスターしませんか?
https://kimono-story.com/348.html
◆浴衣の着方・簡単な着付けはこの手順で(女性)
https://kimono-story.com/350.html
それでは、次回第3回は「TPO別マナー」です、楽しみですね。
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