京都には、京都特有の浴衣(着物)の美意識が息づいています。
ひとことで言うと「はんなり」とした浴衣ですが、これは大正時代を中心に人気のあったモダンな柄の復刻で、友禅染めを木綿の浴衣に施しています。
上品でかわいらしさも併せ持つ大人の浴衣を求める女性にとても人気で、名古屋帯を合わせて着こなすことができる浴衣です。
京都は東京と違い、寺社や古くからの町家が並び、はんなりとした浴衣が似合う街です。
一方東京は、シンプルな単彩の浴衣が、街並みの様子とも合い人気が高いです。
京のはんなり浴衣の染め方
京都ではモダンな柄裄のはんなりとした浴衣を作るのに、26メートルの長さの生地を続き柄に染めていきます。
型友禅と呼ばれる技法で、のりを合わせた染料を大きな刷毛で塗ります。
大型機械で染める場合は、防染のりを柄に塗っておいてから地を染めます。
そして洗剤で防染のりを落として、白く柄を浮かび上がらせます。
憧れの京女になるには
「京都の女性は着物(浴衣)が似合う雅やかで穏やかな人」というイメージがありますね。
どうせ浴衣を着るなら京女のような憧れられるような存在になりたい・・・そう考える人もあるでしょう。
そこで京女と呼ばれる浴衣美人になるためにはどうしたらいいでしょうか。
それには浴衣と帯の選び方がポイントになります。
まず浴衣は京都で染められた「モダンではんなりした柄の浴衣」を選び、帯はやはり西陣織りの帯を選ぶのがよいとされます。
西陣織の帯は熟練の技術が必要で、絹の繊細な糸で模様を織りだしたものです。
微妙な色と影を表現した上質な帯ができあがります。
モダンではんなりした浴衣に、西陣織りの名古屋帯を合わせて、半衿と足袋を合わせます。
そうすればレストランにも観劇にも、夏のお出かけに最適な装いになります。
憧れの京女のお手本としての装い方です。
半幅帯でもできる京女としての浴衣姿
西陣織の名古屋帯はお出かけ用としては最高に素晴らしい帯ですが、そこまでできなくても半幅帯でもはんなりとした姿を演出することはできます。
おすすめなのは京都の「和染紅型(わぞめびんがた)」とよばれる染め方の半幅帯です。
和染紅型は沖縄の紅型(びんがた・魚鳥花などの姿を顔料で鮮やかに描いた染物)を京都ならではの染料で水彩画のような風合いで描いた染物です。
柄は自由で幅広い柄が採用されているので、「紅型の特徴のある京都の染め物」として大人の女性に人気があります。
大人の女性が浴衣に合わせる半幅帯としては、帯締めを利用すると「きちんとした装い」になります。
帯締めが浴衣姿を引き締める感じですね。
下の写真は大人の女性に似合う、半幅帯での「やの字結び」です。
ふっくらと膨らませるように仕上げるとよいですね。
京のはんなり浴衣姿・京女に憧れてのまとめ
憧れの京女になるには、京都で生産された浴衣と帯がやはり合います。
京都まで行って呉服屋さんで反物選びから始めるのが一番確実です。
京都のモダンではんなりの浴衣を選ぶ際、名古屋帯・半幅帯のコーディネートも頭において選ぶとよいです(同時に購入できれば最高です)。
「美の壺・京の浴衣」で紹介されていた京都の浴衣と西陣織の帯、和染紅型の特徴など、現代の京都の染色や織りのすばらしさがこれからも伝わっていくことを願って。
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