着物を着たときの所作と、立ち居振る舞いについてまとめました。
洋服と大きく違う点は、「たもとが長い」ことと「裾が長い」ことですね。
そのため着物をきたときは、きものにあった体の動きを意識しなくてはなりません。
着物に慣れないうちは不便を感じることもあります。
ただ、あまり堅苦しく考える必要ありませんよ。
これから着物の所作と注意点をお話するので、目を通してみてくださいね。
- たもとが長いことによる所作と注意点
- 裾が長いことによる所作と注意点
1)「たもとが長い」・着物のときの所作と注意
着物は「たもとが長い」ですね。
たもとは、短いものでも45センチはあります。
長いものですと60センチ以上、振袖(成人式などに着る)は1メートルを超えます。
そんな着物の袖を扱うのですから、うっかりすると汚したりひっかけたりします。
特に注意が必要なのが、飲食をするときです。
「たもとが長い」飲食のときの所作・注意点
食事やお茶をいただくときに、たもとの長さを意識しなかったことで、失敗や災いが起こりやすいです。
たとえばこんな失敗(そそう)をしてしまったという例です。
食事の際の失敗例
- スープにたもとを浸してしまった
- コップに引っ掛けて倒してしまった
- 調味料を取るのに腕を伸ばし、腕が丸見えで周囲の視線をあびた
- 料理にたもとがついてしまったのに知らずにいて注意された
ヒヤッとする場面があるかもしれまえん。
管理人も着物で出かけるようになって初めのころは、ヒヤッとする瞬間を何度も経験しました!!
オレンジジュースの入ったほっそりしたグラスにたもとにひっかけ、倒してしまったことも。
思わず「あちゃ~~」と変顔になってしまいました。
たもとが汚れなかったのは幸いでしたが、お店の方にご迷惑をおかけしてしまいました。
こういった「そそう」は和やかな雰囲気を壊してしまいますし、後々まで悔やまれます。
洋服のときにはあり得なかったことが、着物のときには起こりえます。
そこで、食事やお茶のとき、そそうのないようにするためにこんなことを注意してください。
たもとで「そそう」をしない注意と所作
たもとが長いためにおこる「そそう」ですから、たもとが動かないようおさえておくとよいわけです。
食事中腕をのばしたとき、袖がテーブルの上にきますね。
そのとき「たもと」がお皿やグラスに当たらないように、もう片方の手で必ず袖口付近をおさえます。
こうすれば、テーブルの上をたもとが引きずることはありません。
また肘まで腕がでることもありません。
そして遠くのものが欲しいときは、近くの人に頼んで寄せてもらうようにしましょう。
たもとの長さに慣れ、無意識にできるようになるまでは、出掛けるときに「たもとに注意」とか言って意識してから、お出かけされるといいでしょう。
- 手をのばすときは、手でたもとをおさえる
- 遠くのものは、とってもらう
- たもとの長さに慣れるまでは出かけるとき自分に言いきかせる
「たもとが長い」公共の乗り物に乗車するときの所作
電車やバスなど公共の乗り物にのったときも、「たもと」のことを意識しましょう。
立って乗車する場合は、つり革を避けて支柱のようなものにつかまる方がよいです。
つり革につかまると二の腕まで出てしまうこともありますから。
肌がむき出しになると冬は寒いですし、夏であっても見た目が見苦しいものです。
基本的に腕は見えないように所作をするのが、着物の着こなし方です。
見えても手首から10センチほどまでにするのが美しく着こなすコツです。
これは浴衣を着るときも一緒で、肘や二の腕が見えるような動作は避けたいものです。
込み合う時間帯をあらかじめ避ける、手荷物を小さくコンパクトにまとめるようにして、電車やバスでの移動をスムーズにできるよう心がけましょう。
- 電車・バスで吊皮や支柱につかまるときは、もう一方の手で袖口をつまむ
- 腕が見えてもいいのは袖口から10センチくらいまで
- 混雑する時間帯をあらかじめ避ける
- 手荷物は小さくまとめる
「裾が長い」着物のときの所作
着物の裾は、裾へいくほど狭く(つぼまりに)着付けるので、洋服のときのようには歩けません。
着物のときの歩幅は、足の幅ひとつ分から+10センチほどになりますので、上品でしとやかな歩き方になります。
洋服の人と同じペースで歩くことは難しく、ややおそめの歩行になります。
お連れの方が洋服の場合は、着物の私に合わせてゆっくり歩いてもらうようにしましょう。
ただ、急いでいるときやもっと大股でさっさと歩きたいときなどは、右手をもものところにあてて裾の乱れを防ぐようにするとよいでしょう。
- 着物のときの歩幅は、「足の幅ひとつ分+10センチ」を目安に歩く
- 洋服の人は自分に合わせてもらう
- 右手をももの位置にそえて、裾がひるがえるのを防ぐ
「裾が長い」椅子に座るときの所作・注意点
着物を着ていても、座るときは椅子のことが多いですね。
食事のとき観劇のときなど、着物の裾が床にあたって汚れてしまうことがあります。
床にあたると汚れるだけでなく、擦れたりひっかけたりの原因になりますので注意したいです。
椅子に腰かけるときのおすすめの座り方
では椅子に腰かけるときの座り方はどうするといいでしょう。
- 軽く上前を引いて膝に余裕を持たせ、お尻の下から着物をなでるようにして腰かける
- 膝の裏が座席の角になるくらいまで腰かける
- 背筋を伸ばし肩の力を抜く
こうすればお太鼓をつぶすことなく、裾が床に擦れることなく姿勢よく腰かけることができます。
振袖や留袖、訪問着など、草履の一部が隠れるくらいに裾を長く着付ける場合は、特に意識してくださいね!
着物のときの所作と立ち居振る舞い・たもとや裾が長いので気をつけたいこと・まとめ
着物を着たときは、特に「たもと」と「裾」の扱いに注意が必要。
飲食の場面では特に注意、袖口をもう一方の手でつまみたもとを押えるように。
また乗り物で混雑のときは、つり革でなく支柱につかまり、袖口をつまみもつよう心がける。
洋服の人と一緒なら、合わせてもらうよう頼む。
着物を汚さず周りも不快にならないよう、着物を着たときの所作は練習しておくといいですね。

椅子に座るときも立っているときも、肩の力を抜きつつ姿勢よくを心がけてくださいね。
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