着物(和服)を販売しているところは、「呉服店(呉服屋)」と呼ばれています。
中には「着物屋(店)」と表記しているお店もあります。
呉服は着物のこと、また和服という表現も同じ意味合いです。
呉服店の主役の商品は、なんといっても絹の着物です。
ここでは呉服店での品ぞろえや、利用の仕方、専門店ならではの利点についてお伝えします。
呉服店での仕立て・あつらえ
呉服(着物)は、仕立てあがったものも現代はありますが、本来は個人に合わせて仕立てます。
いわゆるオーダーメイドですね。
呉服の仕立ては「誂える」(あつらえる)ともいいます。
オーダーメイドとはいえ、洋服ほど細かい採寸はしません。
採寸後、呉服店から和裁師の手にわたって仕立てられます。
体型に特徴のある方はその旨伝えておくと、よりピッタリの着物ができあがります。
着物の仕立ての時間・期間
着物の仕立てには、通常3か月、ものによっては半年以上の期間がかかります。
頼んだらすぐできる、というものではなので注意してください。
長期間かかる理由
特に長期間かかるのが、訪問着・留袖・振袖です。
それは模様を手描きするだけでなく、色を留めておく工程や、装飾を施すなどの様々な行程があるためです。
それらを別の専門家が行うことで、品物が移動したり留め置きになる期間も必要だからです。
呉服店の品揃えの特徴
さて呉服店と一言でいっても、品ぞろえにはお店の特徴があります。
例えば友禅染を得意とするお店であったり、織物を得意とするお店であったりします。
呉服の種類はとても広いので、すべての特色ある呉服を扱うことはむつかしいからです。
幅広い品ぞろえが得意な百貨店の呉服店
幅広い品ぞろえの中から選びたい思うなら、百貨店にある呉服店がおすすめです。
品ぞろえは多岐にわたり豊富です。
女性の着物の扱いは冠婚葬祭・趣味の範囲全般ですし、子供・男性の着物全般も扱います。
初めてのあつらえなら、専門店より百貨店の呉服屋がよいでしょう。
専門店である呉服店は趣味性の高いもの
個性的なもの、趣味性の高いものがよいのであれば、単独の呉服店でさがしましょう。
何軒か呉服店を回って、気に入ったお店を見つけるのがよいです。
関連の小物類についても、着物の個性を生かすものがそろっています。
呉服店の強み・染め替えやお手入れ
呉服店ではあつらえだけでなく、「染め替え」や「お手入れ」にも応じてもらえます。
実際の仕事は「悉皆(しっかい)屋」や「染物屋」が手掛けることになるとは思います。
つまり呉服屋はそうした専門職との取次のもしているわけです。
お手入れというのは、クリーニング・染み抜き・洗い張り・防水や防汚加工などです。
お直しの相談も
また、サイズなおしも頼めます。
お直しや仕立ての専門家への取次をしてくれます。
ただ、仕立てをした商品でない場合は、まず相談してみてください。
呉服店の利点・仲良くできれば理想的
呉服店と親しくなれば、好みを理解してもらえるので理想のお付き合いができます。
「こんな商品が欲しい」と要望すれば取り寄せてもらえたり、詳しいコーディネートの相談にのってくれたりします。
商品についての知識が豊富なので、さまざまな疑問に応えてくれることでしょう。
自分の知識も豊富になり、より興味をもって着物を楽しめるようになるはずです。
ひとつでもいいですし、複数の呉服屋さんと親しくなれると理想的です。
気にいった呉服店へは何度も通って、親しく話せる関係を作っておくとよいですね。
着付け方法を教えてくれることも
呉服店によっては、着付けができるようになるまで教えてくれるところがあります。
商品購入の場合に、破格の料金で着付けをセットするお店、あるいは着付けはその都度サービスします、みたいなところもあります。
呉服店(屋)の特徴と利用の仕方・専門店の利点・まとめ
呉服店は「単独の専門店」と「百貨店内の呉服店(または呉服コーナー)」とに大きく分けることができる。
百貨店内にある呉服店の品ぞろえは幅広く、初めての人にも安心。
一方専門店では、趣味性の高いもの・個性的な品揃えが特徴。
「呉服屋」は着物の困りごと、相談の窓口的な役割もしている。
知識が豊富で気持ち良く対応してくれるお店を見つけてくださいね。
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