羽織とは、着物のとき主に防寒用として長着(ながぎ・きもののこと)の上に重ねて着る和服です。
衿がすそまでついていて、前はひもで結びとめます。
首の後ろ部分の衿は、半分に折り曲げて着ます。
羽織の着用時期
着用時期の目安は、「紅葉が美しくなるころから桜が咲き始めるころまで」です。
羽織もの
洋装の「羽織もの」ということばがさす、ベストやジャケット、カーディガンといった種類と同じです。
寒さを感じ始めたら一枚まとい、さらに寒くなってきたら袖付きにしたり厚い生地にしたり、防寒を強めます。
ですから、コートとは別扱いで、室内でも脱ぐ必要はありません。
ただしフォーマルのときは、羽織りません。
丈の長さによる区分
羽織を竹野長さによって分けると以下の四種類になります。
- 「茶羽織」
- 「中羽織」
- 「長羽織」
- 「本羽織」
「茶羽織」
茶羽織というのは、おしりが隠れるくらいの丈で、マチがありません。
家庭内で、あるいは普段着用の防寒を目的として着用します。
「中羽織」
◆マチのある中羽織後ろ姿
「中羽織」は、膝上までの丈で、袖の部分にマチが縫い付けてあるのが特徴です。
羽織の代名詞のようなもので、羽織といえばまず中羽織のことを指します。
「長羽織」
長羽織は、ひざ下までの丈の長い羽織をいいます。
現代では、長羽織を仕立てる方が多いようで、
絵羽模様や背にインパクトのある模様を描くなど、おしゃれで個性的な装いになります。
「本羽織」
本来は着物の格をあげるために着るもので、
- 黒一色で染めた「黒紋付」
- 一色で染めた「色無地紋付」
- 絵羽模様で柄を華やかに施した「本羽織」
があります。
季節による羽織の種類
羽織は季節により、着分けます。
- 「あわせ羽織」
- 「ひとえ羽織」
- 「夏羽織」
- 「綿入れ羽織」
紋と柄つけによる羽織の種類
紋と柄のつけ方での呼び方について。
- 紋をつけた羽織は「紋付き羽織」
- 絵画のような絵羽模様を描いたものは「絵羽織」
羽織紐を変えるおしゃれ
◆羽織紐三本
礼装用でない限り、羽織紐は付け替えて楽しめます。
羽織のひもは「ち」という、小さなひもの輪に付けます。
着物や帯との調和を考えて、付け替えます。
男性は羽織の裏地に凝る
男性は着物や帯の色が限られていたので、
おしゃれな人は羽織の裏地にこだわっていました。
お座敷用に脱いだ時の効果をねらっていたそうです。
<関連ページ紹介>
コメント