着る人が喜んで着られるような大人の浴衣は、伝統ある京都の街で今も作られています。
京都発の高級浴衣といえば、「型友禅浴衣」・「和染紅型(わぞめびんがた)浴衣」です。
京に憧れる大人の女性向きで、その色彩が美しくまたはんなりとしています。
今日は「型友禅浴衣」や「和染紅型(わぞめびんがた)浴衣」の人気の秘密をさぐってみました。
艶やか優美を好む京の感覚
京都は昔から、艶やか(あでやか)で優美な着物が好まれています。
京都の街の雰囲気が、そうした着物とぴったり合うからでしょうね。
また話し言葉やものごし、人とのつながりの中にも京都の美意識があり、京都らしい着物の好みを形作ってきた歴史があります。
着物だけでなく夏の浴衣にもその美意識は同じです。
京都ではぐくまれてきた友禅染の技法が、現代の浴衣の染めに生かされています。
技法は「型友禅」。
「京のはんなり」を表現しています。
型友禅の技法と浴衣
「型友禅」とは、模様を彫った型を置き、防染糊を置いてから、地染めをするもの。
洗うと防染糊が落ち、白く生地に模様がでます。
京都の呉服屋さん「川崎家」では戦前の伝統的な着物柄を復刻して、型友禅で浴衣が染められています。
大きな模様、白紺を中心に色数を押さえて柄を出し、地色の面積が少ないのが特徴です。
スッキリさっぱりとしながら、モダンな味わいのある浴衣になります。
とっておきの帯を合わせる
◆夏用 博多帯 紗献上
型友禅を用いた浴衣は、艶やかで優美そしてはんなりとした雰囲気を醸し出します。
そんな高級な浴衣は、帯もバランスよく染物の半幅帯で合わせるのがよいでしょう。
あるいは博多帯が似合います。
夏の博多帯は透明感があって涼しげです。
あくまではんなりと装うためには、帯の結び方も大人っぽくした方がいいですね。
簡単に結べて大人っぽい結びは、「矢の字」でしょうか、江戸結びともいいます。
平たく結ぶことの多い結びですが、ふっくらとさせ大ぶりを意識して結べば品よく見えます。
◆矢の字結び
また高級浴衣の「型友禅の浴衣」には、京都の誇る西陣織の夏の名古屋帯がぴったりです。
名古屋帯ですからお太鼓に結びます。
その時白い半衿と白い足袋を合わせれば、着物と一緒。
これなら観劇にもレストランでお食事するのも適しています。
西陣の夏帯は、色糸を複雑に多数用いるので、最高級品として君臨しています。
そんな逸品をまといたいという憧れが、女性をさらに美しくさせるのではと思います。
和染紅型(わぞめびんがた)の魅力
和染紅型とは、京友禅に沖縄の紅型(びんがた)を取りこんだ染色技法
です。
沖縄の紅型の特徴の花・鳥・魚・沖縄の草木などを、顔料で鮮明に表現したものですが、
京友禅で用いられる染料を採用したことで、水彩画のような繊細な色使いになっています。
沖縄でもなく京都でもない、全く新しい染物として人気があります。
沖縄の紅型を学んだ染色家の栗山吉三郎さんが、京都に持ち込んで京友禅と融合させたのが始まり。
今は二代目の大箭秀次(おおやしゅうじ)さんが「栗山公房」を継承され、お弟子さん14人と和染紅型を続けておられます。
和染紅型は、型染めしてしてから色を挿(さ)していきますが、それを全部手で行います。
相当な時間と作業量をかけて製作されます。
手作業のよいところは、同じ模様でも色彩を変えることができるので、印象の違うものを作りあげることができること。
浴衣だけでなく、着物、夏帯、バッグ、日傘、タペストリーなどでも販売されています。
全国の技術を集めトレンド発信
「京都は新しいもの好き」の気質もあるといいます。
今とても人気のあるのは、浴衣のデザインに、アールヌーボー調の幾何学模様をデザインしたもの。
デザイナーの寺本さんが手がけた浴衣に人気があります。
橙色、黒い輪郭などの色使いが目新しい色彩で、京の型友禅で染めて、滋賀の「近江ちぢみ」という加工を施した浴衣などは斬新です。
「近江ちぢみ」はシボという生地の表面をでこぼこっとさせる技法なので、着ていてもむれにくく肌触りは快適です。
京都では全国の加工の技術を集めて、トレンドを発信する努力をしているそうです。
トレンド発信のための努力、伝統を残すためにもぜひ続けていただきたいと思います。
京の浴衣 はんなり大人の最高級ゆかたとその魅力とは・まとめ
京好みの艶やかで優美な着物の色彩感覚は、浴衣でも同じように好まれいてます。
京都の老舗呉服店「川崎家」では、伝統的な着物柄を復刻し、型京の浴衣 はんなり大人の最高級ゆかたとその魅力とは京の浴衣 はんなり大人の最高級ゆかたとその魅力とは友禅を用いて浴衣が染められています。
高級浴衣には、博多帯か染めの半幅帯が似合います。大人っぽく結んで。
西陣織の夏名古屋帯なら、半襟と足袋を合わせて格上げを。
「和染紅型」の繊細な魅力は、浴衣のおしゃれを一層広げてくれます。
京都は斬新なデザインと生地加工、染色技術を集め、新たなトレンドを発信し続けています。
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