◆小紋着物に袋名古屋の後ろ姿
着付けの練習をしているのですが、名古屋帯でお太鼓結びをするのに苦戦しています。
練習すれば大丈夫と先生に言われますが、なかなか満足できずにいます。
結びやすい帯とかあるんでしょうか?
そんな相談をうけることがあります。
名古屋帯には何種類かあり、中には扱いやすい帯とそうでない帯があります。
初心者の方が一番扱いやすい名古屋帯は、「袋名古屋帯(八寸帯)」で、柄が「全通」または「六通」の帯
でしょう。
では、詳しくお話しますね。
袋名古屋帯(八寸名古屋帯)とは
◆袋名古屋帯(八寸名古屋帯)のお太鼓と胴帯のつなぎめのところ
袋名古屋帯(八寸名古屋帯)というのは、芯がはいってない帯です。
そして胴に巻く部分が半分幅になっていて、お太鼓を作るところはたれの先から折り返して端をかがってあります。
お太鼓部分が袋状になっているために「袋名古屋帯」といいます。
また出来上がりの幅が端をかがるだけで八寸のサイズなので「八寸名古屋帯」とも呼ばれています。
袋名古屋帯が結びやすい理由は?
「袋名古屋帯(八寸名古屋帯)」は、「芯がない」ことそして「軽量」であることから、手に馴染みやすく結びやすいです。
- 芯がなくて軽いから、袋名古屋が扱いやすい
柄のつき方でみると、全体に柄が入る全通柄、約6割に柄のある6通柄が扱いやすいです。
柄のつき方を見てみましょう。
帯全体に柄が連続している全通柄の帯
◆全通柄の袋名古屋
「全通柄の名古屋帯」というのは、帯全体に柄が連続している名古屋帯をいいます。
(※上の画像のようにたれの先だけ柄がないものもあります)
無地のものも全通柄の仲間です。
全通柄なら、胴の前に出る柄やお太鼓に出る柄を考える必要がないので、結びやすい(扱いやすい)わけです。
約六割に柄のはいる六通柄の帯
◆六通柄の名古屋帯
「六通柄の名古屋帯」というのは、帯全体に占める柄部分の割合が約六割ある帯をいいます。
名古屋帯の場合は、胴に巻く一重目に柄がなく、他の部分には柄があります。
(手先に柄がないものもあります)
六通柄の帯も全通柄と同じで、胴の前に出る柄やお太鼓に出る柄の位置を考える必要がないので、扱いやすいです。
お太鼓柄の袋名古屋
◆お太鼓柄の名古屋帯
胴帯の前にくる部分とお太鼓の場所だけに柄があるが「お太鼓柄の名古屋帯」。
慣れるまでは、柄の位置を決めるのに少々てこずります。
初心者におすすめの帯のかたさ・ややかため
扱いやすい帯かどうかの要素は柄以外に、「柔らかい」「かたい」もあります。
ある程度の張りがあってかためのものの方が、お太鼓の形を作りやすいので初心者向きです。
お太鼓は難しい?と感じるあなたへ、結びやすい名古屋帯の特徴はこれ。まとめ
以上のことをまとめると、
お太鼓を結びやすい帯は、
- 袋名古屋(八寸名古屋)
- 全通または六通柄
- ややかための帯
お太鼓結びに苦戦している、満足できないという着付けの初心者さんは、帯選びの目安にしてみてください。
最後に材質についてもひとこと。
素材は一番結びやすいのは「絹」ではないかと思います。
最も結びにくい名古屋帯は?
反対に結びにくい名古屋帯は?ときかれたら、
- 柔らかい生地の「袋名古屋」
- 綸子など柔らかい生地で、固い芯が入れてある「九寸名古屋帯」
だと個人的には感じています。
もちろん慣れれば、どれでもうまく結べるようになりますよ。
※「九寸名古屋帯」は、芯を入れ両端を五分ずつ折りこんで仕立てる方法の名古屋帯です。
長さや幅は「袋名古屋(八寸)」と同じです。
私が今一番結びやすい袋名古屋帯
◆全通柄 袋名古屋帯
私が手持ちの名古屋帯で、一番結びやすいと感じている帯がこれです。
全通柄でとても軽く、生地が絹なので滑りにくいです。
◆たすきがけして作業中
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