ひとえ着物を兵児帯(へこおび)にリメイク・ほどき方と継ぎ方も解説
ひとえの着物をリメイクして、兵児帯(へこおび)にしました。
大人の女性向きの兵児帯って、あまりないと思いませんか?
「それなら着物からリメイクしてしまおう!」ということで作ってみました。
これなら浴衣にも合い、木綿着物や洗える着物にも合うでしょう。
袖を通さなくなった着物を前に、「帯になったらどんな風かな?」と想像しながらリメイク開始です!
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兵児帯に向いている着物とは?
着物を兵児帯にするにあたって、どのような生地を選んだらいいでしょうか。
兵児帯の結びは、ふわっとして揺れるような出来上がりにしたいです。
ですから、薄くてハリのある生地が適しています。
今回リメイクしたのは「夏用の着物」で、透け感のあるものです。
夏用着物のほどき方
兵児帯にリメイクしたのは、この着物です。
もう派手になってしまい、今後袖を通すことはないと思います。
裏地がないので夏物の着物をほどくのは、わりと短時間でできますよ。
ほどき方をまずお伝えします。
ひとえ着物、ほどき方の手順
リッパーまたは糸切ばさみで、糸を切ってほどいていきます。
ほどき方はこの順に行うとやりやすいです。
<ほどき方の順番>
- 衿と袖をはずします。
- 掛け衿をはずします。
- おくみ、背縫い、身頃をはずします(背伏せ布があればそれもはずします)。
- 力布、肩当てなどがあればはずします。
- 繰り越し、袖底、身頃の裾、衿下、倒している縫い代などの縫い目を全部ほどきます。
終了です。
- 細かい糸くずが出ますが、全部取ってもいいですし洗ってからとってもOKです。
- 兵児帯に必要な布の分だけほどくだけでもOKです。
リメイク前の洗いは用途に応じて
クリーニングのすんでいるきものなら、ほどいてアイロンをあてて使用します。
兵児帯以外にもいろいろなものに利用したいので、私はいつも洗っています。
縮ませない洗い方
洗うといっても、生地が縮んで風合いが変わってしまわないようにします。
そのためには、
- 水に中性洗剤をとかして手洗う。
- 押し洗いをするだけにし、こすらない。
- すすぎを2回以上して、タオルドライする。
- 陰干しする。
- 乾ききる手前で取りこんで、アイロンをあてる。
脱水については、脱水機なら1分ほどで、水がなんとか切れているくらいの状態がよいです。
絹のものは必ず日陰で乾燥させます。
アイロンをあてるとき、ついている糸くずを取り除きます。
女性用兵児帯を作る
では、洗い・乾燥・アイロンの済んだ生地で、兵児帯を作っていきます。
<必要なもの>
- ほどいた反物
- 縫い糸・針・糸切りばさみ
- アイロン
- ものさし
- ミシン(なくてもできます)
幅の端はミミになっているので、そのまま利用します。
- 出来上がりは、3.6メートルから4.0メートルの長さがよいです。
- 途中継ぎ足して、両端を三つ折りにしてかがって、出来上がりの長さにします。
長さを継ぐ方法
兵児帯を4.0メートルほどの長さにしようとすれば、どこかを継がなくてはなりません。
身頃の生地が一番長さがとれます。
今回といた着物の場合だと、一番長いところで160センチほどの長さです。
160センチを二枚継いでもまだ不足するので、不足分は他のどこかから確保します。
オヤッ!ミミのところに切れ目があるのを発見
この着物はといてから分かったのですが、ミミのところに「切れ目」がチョン、チョン、っといくつも入っています!!
近くでみるとこんな状態です。
この状態のままではほつれてくる?っと心配になりました。
が、大丈夫です。
これは、布目の調整のためのものなのでほつれません。
身ごろと袖の生地を継ぐ
長さを確保するのに、身頃160センチと160センチ、そして袖の一つ105センチを継ぎました。
<長さの継ぎ方の説明>
- 継ぎたい端をそれぞれ端ミシン(ジグザグミシン)する。
- 中表に合わせて縫い代1センチで縫う。
- アイロンで縫い代を割ってたおして、縫い代を縫い留める。
(袋縫いができる方は、袋縫いで)
両端のかがり方
両端のかがりは、7ミリから1センチで三つ折りしてかがります。
ミシンでも手縫いでもいいですが、柔らかく透け感のあるものは手縫いの方が仕上りがきれいです。
これで完成です。
兵児帯完成・浴衣に結んでみました
お太鼓風に結んでみたところ
お太鼓風にしたら、ふんわりとふくらみが出ました。
前はあまりキレイに整えず、ちょっとざっくりとさせて。
薄い生地ですが、張りがあるのでくにゃっとはならず良い出来栄えです。
大人の女性向兵児帯アレンジ
もう一種類結んでみました。
大人の女性向き。
端のチョンチョンとした切れ目は、マジマジと見つめれば分かる程度です。
個人的には個性があってOK。
ひとえ着物からリメイクした兵児帯・継ぎ方
継ぎ方で一番効率的なのが、「身ごろ半分+袖+身ごろ半分」です。
長ければ切り落として、360〜400センチにします。
今回のリメイクの場合は、幅が35センチ、長さ400センチの出来上がり。
長すぎた約20センチを身ごろの長さの方で切りました。
継ぎ目が結びめや前帯に出ないようにした方がよいので、短いものを継ぎ足す際はよく考えてください。
ひとえ着物を兵児帯(へこおび)にリメイク・ほどき方と継ぎ方も解説・まとめ
女性の兵児帯にリメイクするのに向いているのは、張りがある生地。
きものをほどいてから、洗ってアイロンをあてて下処理します。
身頃と袖を継ぎ、長い分だけ落として端を三つ折りにするだけで、兵児帯が出来上がります。
兵児帯は普段着物用、浴衣・木綿・ウール・洗える着物に合わせてください。
透け感のある生地は夏用です。
季節にあった材質で、兵児帯を楽しんでくださいね。