ひとえの着物を兵児帯(へこおび)にリメイク:ほどき/洗い/継ぎ方解説
大人の女性向きの兵児帯って、あまりないと思いませんか?
「それなら着物からリメイクしてしまおう!」
ということで、ひとえの着物(女物)をリメイクして、兵児帯(へこおび)にしてみました。
着物生地からなので、浴衣・木綿・洗える着物にも合うでしょう。
「帯になったらどんな風かな?」と想像しながらリメイク開始です!
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兵児帯に向いている着物とは?
着物を兵児帯にするにあたって、どのような生地が向いているでしょうか。
結んだら、「ふわっとして揺れるような出来上がりになるもの」がよいと思います。
それには、薄くてハリのある生地が適しています。
お手持ちのきもので、薄くてハリのあるものを探してみてくださいね。
今回リメイクしたのは「夏用の着物」で、透け感のあるものです。
夏用着物をほどく
◆夏用ウール地のきもの
兵児帯にリメイクしたのはこの着物です。
派手になってしまい、今後袖を通すことはないと思います。
裏地がないので夏物の着物をほどくのは、わりと短時間でできますよ。
ほどき方をまずお伝えします。
ひとえ着物のほどき方を詳しく
リッパーまたは糸切ばさみを利用します。
ほどき方はこの順に行うとやりやすいですよ。
<ほどき方の順番>
- 衿と袖をはなす
- 掛け衿をはずす
- おくみ、背縫い、身頃をはずす
- 力布、肩当てなどはずす
- 繰り越し、袖底、身頃の裾、衿下、倒している縫い代などの縫い目をすべてほどく
終了です。
- 細かい糸くずが出ますが、全部取ってもいいし洗ってからとってもOK
- 兵児帯に必要な布の分だけほどくだけでもOK
リメイク前の洗いは用途に応じて
クリーニングのすんでいるきものなら、ほどいてアイロンをあてて使用します。
兵児帯以外にもいろいろなものに利用したいので、私はいつも洗っています。
縮ませない洗い方
洗うといっても、生地が縮むと風合いが変わってしまうので注意が必要です。
風合いをかえないためには、
- 水に中性洗剤をとかして洗う
- 押し洗いをするだけにし、こすらない
- すすぎを2回以上して、タオルドライする
- 陰干しする
- 乾ききる手前で取りこみ、アイロンをあてる
タオルドライでなく、脱水機なら1分弱。
水が滴り落ちない程度にすると、シワができにくいです。
絹のものは必ず日陰で乾燥を。
アイロンをあてるとき、ついている糸くずを取り除きます。
女性用兵児帯を作る
では、兵児帯を作りましょう。
<必要なもの>
- ほどいた反物
- 縫い糸・針・糸切りばさみ
- アイロン
- ものさし
- ミシン(なくてもできます)
布幅の端はミミになっているので、そのまま利用します。
- 出来上がりは、3.6メートルから4.0メートルの長さがよいでしょう。
(途中継ぎ足して、両端を三つ折りにしてかがって出来上がりの長さにします)
長さを継ぐ方法について
兵児帯を約3.6メートルの長さにしようとすれば、どこかを継がなくてはなりません。
身頃の生地が一番長さがとれるので、まずそれを使います。
今回といた着物の場合だと、一番長いところで160センチほどの長さです。
160センチを二枚継いでもまだ不足するので、不足分は他のどこかから確保します。
オヤッ!ミミのところに切れ目があるのを発見
この着物はといてから分かったのですが、ミミのところに「切れ目」がチョン、チョン、っといくつも入っています!!
近くでみるとこんな状態です。
この状態のままではほつれてくるかも?っと心配になりました。
が、大丈夫です。
これは、布目の調整のためのものなのでほつれません。
身ごろと袖の生地を継ぐ
長さを確保するのに、身頃160センチと160センチ、そして袖の一つ105センチを継ぎました。
長すぎる約20センチを、身ごろで切りました。
今回のリメイクの場合は、幅が35センチ、長さ400センチの出来上がりです。
<長さの継ぎ方の説明>
- 継ぎたい端をそれぞれ端ミシン(ジグザグミシン)する
- 中表に合わせて縫い代1センチで縫う
- アイロンで縫い代を割ってたおして、縫い代を縫い留める
(※ 袋縫いならさらによいです)
両端をかがって完成
両端のかがりは、7ミリから1センチで三つ折りしてかがります。
ミシンでも手縫いでもよいです。
柔らかく透け感のあるものは手縫いの方が仕上りがきれいです。
これで完成です。
リメイクの兵児帯を浴衣に結んでみました
二種類結んでみました。
お太鼓風に結んでみたところ
お太鼓風にしたら、ふんわりとふくらみが出ました。
前はあまりキレイに整えず、ちょっとざっくりとさせても。
薄いですがハリがあるので、くにゃっとはならず良い出来栄えです。
大人の女性向兵児帯アレンジ
もう一種類結んでみました。
端のチョンチョンとした切れ目は、マジマジと見つめれば分かる程度です。
個性的なので気にせずにいましょう。
ひとえの着物を兵児帯(へこおび)にリメイク:ほどき/洗い/継ぎ方解説・終わりに
きものをほどき洗ってアイロンをあてて、下処理します。
継ぎ方で一番効率的なのが、「身ごろ半分+袖+身ごろ半分」です。
余分は切り落として、360~400センチにします。
継ぎ目が結びめや前帯に出ないようにしましょう。
兵児帯は普段着物用、浴衣・木綿・ウール・洗える着物に合わせてください。
透け感のある生地は夏用です。
季節にあった材質で、リメイクしてくださいね。