「着物を譲ってもらったけど、ちょっと小さいわ。。。」
「身頃が狭い感じがする。。。」
このまま着るのはムリかもしれない、ですね。
でもちょっと待ってください。
少々小さいだけなら、着付けするときの工夫で解決できることもありますよ。
専門家にお直しを頼む前に、この工夫をまずしてみてください。
今日は小さめの着物を着こなす工夫、着方をお伝えしますね。
小さいところはどこですか?確認しましょう
まずはどれくらい小さいのか、確認してみましょう。
身幅が狭いの?丈が短いの?
このいずれかの方法で、どこがどれだけ小さいのか見てみましょう。
- ぴったりの着物と長さを測って、どれだけ小さいかを知る
- 着てみてどれだけ短いのか、小さいのかを確認する
どちらかの方法で確認したら、どの部分が短いのか小さいのかメモしておきましょう。
具体的にあなたの気になるところは、どこですか?
- 着物丈?
- 下半身の身幅?
- 上半身の身幅?
- 袖幅?
ではそれぞれの対処法をお話しますね。
1・着物丈が短いときの着方の工夫
着物の丈の最適な長さは、身長と同じ長さです(前後5センチほど)。
身長より5センチ以上着物丈が短いと、おはしょりが十分とれないことがあります。
そんなときは以下のように着付けしてみてください。
- 第一腰ひもの位置を下げる
- 裾をいつもより短く着る
- 衣紋の抜きを少なくする
最初に試してほしいのは、腰ひもの位置をさげることです。
最初に締める腰紐の位置を下げると、おはしょりにする分にゆとりができます。
次の工夫は普段用の着物であれば、裾をいつもより少し短く着つけてみましょう。
裾を短くした分、おはしょりにゆとりができます。
また衣紋の抜きを少なくすることで、おはしょり分の余裕につながります。
これらを取り入れて着つけることで、ちょうどよい丈の着物より3~4センチ短い程度の着物は、問題なく着られます。
丈が短い時はおはしょりなしで着るという着方も
◆おはしょりなしで着つけたアンティーク着物
それでも丈が短い場合は、いっそおはしょりをなくして着付けてみましょう。
おはしょりが少しだけとなると、見た目もよくないですね。
それならいっそ、おはしょりの部分を帯に隠してしまうのです。
おはしょりがないとどうしてもダメという人は別ですが、若い方やスタイルのいい方なら、おはしょりなしの着方も悪くないですよ。
違和感があるかもしれませんが、一度お試しください。
羽織を着る季節なら、ショール・コートなどを羽織ってしまえばわかりません。
下半身の身幅が狭いときの着方や工夫
着物の下半身の身幅が狭いときは、「下前の合わせを少なくする」ことで解決します。
ただ下前が浅くなるので、歩くとき裾がひるがえりやすくなります。
長じゅばんが見えやすいので、右手で上前を押さえつつ歩くようにします。
また歩幅を狭くするのも心がけた方がよいですね。
上半身の身幅が狭いときの着方の工夫
上半身の身幅が狭いときは、「広衿の前の衿幅を広くとり、半衿をたっぷり出す」ようにしてみましょう。
こうすると左右ともに2~3センチのゆとりが生まれ、身幅の足しにできます。
袖幅が短いときの着方の工夫
袖幅が短い、つまり手首が丸見えになるくらいの着物の場合の着方です。
衿の出し方の着方を工夫する
以下のことを工夫をしてみましょう。
- 広衿を広く使って身ごろの足しにする
- 半衿をたっぷり見せる着方をする
広衿は肩の位置で普通半分の幅に折りますが、浅く折ることにしましょう。
衿を広くとった分、袖口が手首に近づきます。
また半衿に色柄ものをもってきて半衿をたっぷり出す着方をしてみましょう。
半衿を広く見せる分、袖口が手首に近づきます。
立ち居振る舞いで袖幅の短さをカバーする
また立ち居振る舞いでのカバーもできます。
腕をだらんと伸ばすのでなく、軽くひじを曲げることで、袖の短かさが目立ちにくくなります。
冬なら羽織やコートなどでカバーしましょう。
短い着物を仕立て直しするかリメイクするか
着物の丈の短さや身幅、袖幅の短さをカバーする着方についてお伝えしました。
試していただいて、あまりに着心地が悪いようなら、お直しを考えてみてくださいね。
仕立て直すにあたって
お直しの方法は、
仕立て直すまたは、一部のみ直す方法がありますが、いずれにしても大きくするには、着物の生地に余裕がないとできません。
(丈は見えないところで別布を足す方法もありますが)
仕立ての専門家にアドバイスをうけてからにするのが賢明です。
単衣の着物のお直し方法は別のページで紹介しているのでご覧ください。
◆肩幅で裄を広くする直し・ひとえの着物・詳細解説
◆袖幅を広くする直し・ひとえ着物・詳細解説
https://kimono-story.com/452.html
小さい着物はリメイクでいろんなものに
小さい着物はお直しできれば一番よいですが、そこまで手をかけても、という場合は、
小物や別の衣類にリメイクしての活用も考えてみてください。
シルク(正絹)の生地は、洋服にリメイクするのもよいですし、小物に変えてしまって身近で使うのも楽しめますよ。
洋服にするのはリメイクを手掛ける人に依頼もできます。
小物なら簡単にできるものもあるので、お試しになってはいかがでしょう。
着物が小さいときの着方解説/身幅が狭い小さい短い/仕立て直し・まとめ
丈が短いときは、腰ひもの位置をさげるなど工夫ができますし、いっそ対丈で着てしまうのも。
まずは着方を工夫してお楽しみください。
◆着物のほどき方・洗い方・注意点はここ
◆巾着袋の作り方、片ひも・裏地なしで簡単
◆はたきの簡単な作り方・昔のハタキは建具を守る・絹で
◆着物が大きいときの着方・着付け・丈が長い身幅が大きい
他にも着物から小物にリメイクしたものを紹介しています。作り方も。
きもの物語の各ページにある検索窓に、リメイクといれて検索ボタンをおしてください⇒「きもの物語」
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