二部式着物って何?普通のきものとどう違うの?
二部式の着物は、和食のお店の店員さんや、旅館の仲居さんなどが着用しています。
普通の着物姿には帯がありますが、二部式には帯がありません。
帯をしないので上着がゆったりとしていて、軽快な着物または仕事着といった印象です。
では、もう少し詳しくお話していきます。
二部式着物の特徴
一般的に「二部式着物」といわれるものは、二部式つまり上下に分かれている衣類で、
上着が作務衣(さむえ)風になっていて、下着(スカート部)が巻きスカート状になっています。
下の部分(スカ―ト)部分を身に着けてから、上の部分(上着)を身につけます。
二部式着物と着物の違い
二部式着物と伝統的な着物は、構造や着用方法が違います。
まず構造からみてみます。
伝統的な着物は一枚の布を使って作られ、腰部で折り返しを作り、帯で固定します。
二部式着物はスカートと上着の二つの部分から成り立っており、それぞれ別々に着ます。
伝統的な着物は、着るのは難しく、特に初めての場合、アシスタントやプロの助けが必要です。
畳み方、帯の結び方など、多くの手順と技術が必要です。
二部式着物は、伝統的な着物に比べて、着るのが容易であり、個人で簡単に着ることができます。
伝統的な着物は、正式な場面や伝統的なイベントでの着用が一般的で、外出用や普段着として着用する人も少数います。
二部式着物は、カジュアルなシーンや日常の中での着用が容易で、和の飲食店などの店員が着用することもあります。
伝統的な着物は丁寧な保管や手入れが必要で、特にシミ取りやクリーニングには専門知識が求められることが多いです。
二部式着物は日常の衣服と同様の手入れができるものが多いです。
二部式着物の着方
二部式着物は、二つの部分(上着とスカート)から成り立っているため、伝統的な着物よりも着付けが簡単です。
二部式着物の着方を説明しますが、ブランドやデザインによっては少し異なる点もあるかもしれませんので、その点もご留意ください。
- 下着: まず、適切な下着を着用します。これは通常のランジェリーでもかまいません。
- スカート:
- スカートを最初に着ます。ウエストを合わせて、ファスナーやボタン、あるいは紐で固定します。
- 伝統的な着物と同じように、左側を上にするように気をつけましょう(逆にすると死者を弔う際の着方となってしまうので)。
- 上着:
- 上着の内側を開き、両腕を通します。
- 上着の右側を身体の左側に回し、その後、左側を右側に回して重ねます。左側が上になるように注意します。
- 位置を調整し、体型に合わせて整えます。
- 髪型とメイク: 伝統的な髪型やアップスタイル、そして和風のメイクで全体の雰囲気をまとめるとよいでしょう。
それぞれの二部式着物には、特有の着付け方法やポイントがある場合がありますので、製品に付属している説明書やガイドを参照なさってください。
二部式着物の素材
二部式着物の素材は、主に洗えるタイプのポリエステルが多いです。
主に立ち働く場面で着ることが多いため、洗えるものの方がよいわけです。
洗えるものであっても、質感が絹の風合いにそっくりなものもあります。
洗い方
ポリエステル素材のものなら、手洗いか、洗濯機での弱洗いができるようになっています。
洗えるタイプのものは、しわになりにくく扱いが簡単です。
上下同じ生地が主流
生地が上着とスカート部で同じものを使用している二部式着物が主流です。
帯をつけませんが、この姿で「美しい着物姿」と思ってもらえることもあります。
二部式着物の中には、上着とスカート部の生地を別にしてあるものもあります。
例えば上を小紋柄に下を無地にするなどの個性的なものも。
二部式着物のサイズ展開
サイズはMとLの二種類が主流です。
着物より融通がききやすいので、適応サイズはMとL、またはフリーサイズです。
サイズ展開が少ない理由は、デザインそのものが調整しやすいデザインだからです。
スカート部については長すぎるならウエストのところで折り曲げればよく、上着の幅はひもの結ぶ位置で調整がききます。
適応範囲が広いのですが、身長が150センチに満たない方や、170センチをこえる方はサイズに合うかどうかを確認してください。
仕事用・作業用に適した二部式着物
仕事用・作業用として二部式着物がよく利用されます。
理由は、特別何も用意しなくても着用できるからではないでしょうか。
内側に何を着てもよいですし、体の線が出るわけでもありません。
細い人もふくよかな人も、体型に関わらず着用できるのは魅力です。
ひもなどで調整できるという着用方法が、幅広い体型をカバーします。
和食関係の制服としてよく利用されています。
「二部式着物」は、着物らしさを持ちながら活動的な衣服といえます。
二部式着物の価格
さてこのように便利で着用しやすい二部式着物、価格はいったいどれくらいか?
洗える着物と称しているものでは、下は4,000円程度から上は2万円くらいまで。
6,000~8,000円の価格帯が多いです。
外出着として着用したいのであれば、伝統的な着物の柄に近づけたものでおしゃれ感のあるものを選びたいですね、
そうなると、2~4万円くらいになります。
二部式着物を反物から作る場合の値段
二部式着物を着物の反物から作るということもできます。
その場合は5万~十数万までくらいの範囲です。
価格の高いものはそれだけ素材のよいものを使っていますし、柄デザインも洗練されています。
帯のない着物姿ですが、着物の雰囲気を味わいつつ体は楽にしたい、という方に向いています。
二部式着物とは/帯なし/特徴・着方・サイズ・価格/着物との違いは?まとめ
上着が作務衣(さむえ)風、下着(スカート部)が巻きスカート状になったもの。
和食の店員さんなどが着ていて、動きやすい仕事着として利用されることが多いです。
無地や和柄の総模様が中心で、帯がないものの一見着物と同じ扱いをうけます。
洗えるものが主流なので、着物の入り口としても良いかもしれません。
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